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投稿コメント一覧 (8727コメント)

  • では垂直統合方のモデルで儲かるのかというと、それは儲かるでしょう。独占的ですから言い値が通ります。

    ではどうして利益が出るのかというと、処理コストの低下です。

    半導体は加速的に性能が上がりますが、一個のコストは同じですから、処理コストは下がります。その下がったコストの分がもうけとなりますから、最初はトントンでも、数年経つと半分はもうけになるような仕組みですが、それに利用者は気がつきません。

    TSMCが文句をつけているのは、このあたりのことであり、リスクを負担させておきながら、利益を回さないのは面白くないということです。

    そのために、長期発注にして、リスクの一部を負担しろと言っているのです。

  • 前の文で少し難しいところが次のあたりでしょう。

    しかし垂直統合では、細分化された消費者のニーズに答えられるのかと言うことですが、それこそがコンピュータの本質的な機能を知れば、その疑問は氷解します。

    コンピュータは対象をデジタル化できれば、あとはどのようにでも処理できます。しかし、このデジタル処理には、大きなコストがかかります。

    ところが、コンピュータは、その処理をすることに特化して発達し、極めて単純な演算装置を莫大な数量まで増やし、この重い処理を可能にしたのですが、その装置の製造に大きなお金がかかりました。

    ところが、その処理ができることで、売り上げが上がり、そのお金で半導体の量産用のシステムの改善に取り組み、その結果として、演算装置のコストが下がり、処理単価も下がり、そのためより多くの処理コストも下がり、コストダウンにより、コンピュータを適応できる範囲が広がり、そのためさらにお金が集まり、そのお金を半導体製造装置の改良に注ぎ込み、さらに半導体が安くなり、そのため処理単価が安くなり、適応範囲が広がりと、このループを次つきと繰り返し、昔は一億円もしていたシステを一万円くらいにまで値段を引き下げ、しかも性能も何万倍にもたかるています。

    この連鎖の結果として、多くのことがデジタル処理できるようになり、この連鎖はさらに前進します。

    それがコンピュータのダウンサイジングという社会現象です。

    この現象により、コンピュータはどんどんと多くのことが可能になり、ソフトの機能が増し、細分化された消費者のニーズに対応できようになり、その範囲はこれからも加速度的に広がり、その広がりに応じて資金がさら集まり、その資金がコンピュータをさらに良くします。

    その流れを支えているものが、TSMC 、NVIDIA、グーグル、アマゾンなどであり、その連合に任天堂もこれから参加し、娯楽分野で覇権を共同で握ります。

  • もともとナイアンティックはグーグルの社内部門でしたが、赤字であり、ポケモンゴーの元となるソフトも廃止のところを、スピンアウトさせ、グーグル傘下から外に出して自由にさせることで、大成功しました。

    このあたりのことについてグーグルが言っているは、このような事業を社内においておくと、社内牽制が強く働き、違いに芽を潰し合いマイナスになるため、積極的にスピンアウトさせ、別の形での利益をえる方が賢明だと言うようなことを言っていました。

    要するに過剰な水平統合は実害が大きいということです。ではどうするのかというと、垂直統合を進め、自社の強みを極限まで伸ばす垂直統合の道を歩むと言うことです。

    これはアマゾンにも言えることですか、NVIDIAにも、TSMCにも言えることです。

    NVIDIAのARM買収は、水平統合ではなく、垂直統合であり、本格的な低消費電力高性能コンピュータのワンストップソリューションの実現です。

    その上で、これら垂直統合型の覇権企業の水平分業システム、すなわち強者連合がこれからの世界を生き延びる唯一の方法です。

    しかしそれでは、細分化された消費者のニーズに答えられるのかと言うことですが、それこそがコンピュータの本質的な機能を知れば、その疑問は氷解します。

    この強者連合の特徴は、みんなコンピュータ企業ということであり、その演算性能とソフト機能により、既存の価値をコンピュータで、より安価に代替し、既存の市場を奪う戦略を採用しています。

    コンピュータというものは、対象がデジタル化できるものなら、どんなものでも処理することができ、既存の装置を代替します。

    例えば音楽でも、今では全ての楽器がデジタルで再現できます。創薬でも、医療でも、センサにより対象をデジタル化すれば、例えば遺伝子をデジタル化すれば、コンピュータで処理することができ、結果をより安価に出すことができ、既存の医療などの部分を置き換え、その幅が次第に広がります。

    それを広範な領域で狙っているのが、この強者連合です。

  • あつ森の紹介本を買いましたが、千ページを超えるボリュームがあり、莫大なアートワークです。

    これが次世代の環境になると、さらに莫大な開発が必要になり、それはあつ森だけでなく他のソフトでも同様です。

    しかも継続した追加コンテンツも必要ですから、人材が不足します。

    このような開発をやれる会社は次第に限定され、生き残れるのは限られ会社だけになります。

    その少数の会社が寡占状態になり、利益を独占し、ますます資金が集まり、ソフトの蓄積が進み、競合は出て来れなくなります。

    グーグルやアマゾンは、娯楽ソフトの開発をするのではなく、任天堂と艦隊を組み、得意とするサーバサービスで収益を考えています。

    無闇な多角化は力を分散させて弱体化することに気がついたのです。

    任天堂も同じで、本来のソフト開発に力を結集しないと、これから始まるコンテンツの充実に対応できなくなり、他のジャンルに顧客を奪われます。

  • スイッチのハード更新で、性能向上とかメモリ増量とか解像度向上とか色々ありますが、ゲーム機と言うのはそれで終わりではありません。

    要は情報量を多くすると言うことですから、それに見合うソフト開発力の強化が必要であり、それが準備されていないと、単に風船が膨らんだだけの、中身の伴わない拡大になり、マイナスになります。

    もちろんその中にはネットワーク空間の拡大も含まれますから、開発量の増大はさらに増します。

    もちろんその対価として、仮想空間での楽しさが広がり、飽きの問題も減りますが、開発の負担は大きくなり、そのための開発力の増強が欠かせないのです。

    プレステなどのソフトが爆発的に売れない理由も、このあたりにあると見ています。すなわち、ハードの性能が上がったのに対して、開発力の増強や、その最適配置が適切にできていないので、綺麗なだけで空疎な空間が広がっているだけとなり、すぐに飽きられると見ています。

    フォートナイトのようなバトロワは、参加者によってその空疎さを埋める方法ですが、バトロワばかりでは疲れてしまいます。それが好きでない人もいます。

    5年後や10年後を見ると、密度が高く、大きな広がりの仮想空間が必要ですが、その備えはどうなのでしょう。

    そこでも資金の問題になります。

    幸いにも、スイッチからはソフトの寿命が長くなりますから、資金の回収が容易になり、その資金により、厚みと広がりのあるソフト開発に必要な資金を賄えます。

  • アメリカで、肥満による医療費の額が一人の年額で三十万円くらいになるとの結果が出たようです。

    これに対して、リングフットアドベンチャーはソフトだけなら一万円もしませんし、スイッチ込みでも四万円もしません。それで、この医療費を削減できるなら、大きな貢献になります。

    しかしリングは、発売されてからもうじき二年になりますが、その追加オプションが出ていません。これは任天堂の開発能力が、本来あるべき水準よりも大幅に低いことを示しています。

    これから任天堂のソフトは長期に渡り使われるのですから、任天堂は人材の拡充を進め、ソフト開発力を高める必要があります。

  • 任天堂の技術陣や経営陣も、NVIDIA、TSMC、グーグル、アマゾンなどの経営陣や技術陣から、世界の最先端の技術世界を深く見せられて、この数年間で世界観がかなり変わったことは確かです。

    そもそも娯楽ソフトのセンスはあったのですが、深いコンピュータ技術についての知識がなく、そのため狭い世界で彷徨っていたのですが、コンピュータのタウンサイジングにより、最先端の世界が任天堂の世界に到達し、最先端の技術世界の勉強をしたことで、これから任天堂は大きく伸びると言うことです。

    もともと任天堂は頭は良いのですが、周辺環境が最先端とは程遠いものであり、学習教材がなかったのですが、それがこの6年くらいで、良い環境に恵まれるようになり、いろいろと基礎的なことを学んだと言うことです。

    その応用はこれから始まります。

  • 任天堂の社長が、スイッチは中期に達したばかりだ、と発言していましたが、それはソフト的な最適化の効果を確認してのものでしょう。

    ソフト的な最適化なんていうのは、コンピュータにとても詳しくないと、そんなものは俄には信じられないものです。

    任天堂は、スイッチまでは本格的なコンピュータを使うことはありませんでしたし、NVIDIA との深い技術交流もありませんでしたから、ソフト的な最適化を考慮したスイッチの寿命の計算は、なかなかできなかったはずです。

    しかし試作からでは6年くらいの付き合いになり、本格的なコンピュータというものがどういうものかということがわかるようになり、先の見通しがついて、この発言が出てきたのでしょう。

    確信があるはずですからこれは重い発言です。

  • コンピュータの基礎環境の最適化なんて技術世界の話であり、それは株価になんの関係もないだろう、などといつものように言われそうですが、それは視野が狭いからそう見えてしまうだけのことです。

    次世代のスイッチをハードで実現するという話がありますが、そこでの性能向上と言うものは、まあ理論性能では景気のいいことを言いますが、実効性能ではよくても2倍くらいのものでしょう。本当の性能が出るには時間がかかります。

    ところが、基本環境の最適化を進めれば、同じハードを使っていても、その実効性能を2倍とか4倍とかに高めることができます。

    さらに、今のスイッチのハードであれば、うまくソフトを開発さえすれば、人間の情報処理能力の上限に近いところまでの処理を実現させることができます。そうなれば、もうそれ以上のハードの性能は不要になりますから、性能向上を目的としたハードの更新は不必要になり、ハードの更新のスタイルそのものが違うものになります。

    今のスマホやパソコンがその見本であり、もう性能のことをあまり強調しなくなっています。処理性能が人間の情報処理能力の上限に達しているからです。

    すなわち、スイッチの基礎環境の最適化を進めることで、スイッチの見かけ上の性能が高まり、ハードの更新サイクルを緩やかなものにすることができ、さらに最初に発売されたスイッチの利用寿命を長くすることができ、スイッチの顧客そうをより長期に引き止めることができ、スイッチのアクティブユーザ数を増やすことができ、任天堂の利益の大黒柱である、ソフト売り上げを高めることができます。

    ここらのこともスイッチでは考慮されていて、ソフトを切り替える時に、それまでのソフトを終了させてから新しいソフトを起動させていますが、その際にライブラリ群なども入れ替えられていて、環境を一新させています。これはとても良い仕様であり、最新の基本環境の最適化の成果をフルに利用できる仕組みです。

    もちろん古いソフトに適用することもできますが、それはかなりの作業になるので、かなりの不具合でもない限りは適用されないでしょう。しかしその作業ができる余地があると言うことは大切なことです。

  • ソフトの最適化と言うものは、大きくふたつの仕事場があり、上位階層のソフト開発では、無駄なことをしているものを削り取る作業であり、下位階層の処理部分の開発では、処理と処理の間の待ち時間を削る作業です。

    この下位階層での処理と処理の間の待ち時間を削るためには、メインプロセッサやグラフィクスプロセッサの設計の最適化から始まり、メモリシステムや通信システムの設計の最適化、それらのドライバソフトの最適化、基本演算ライブラリ群の最適化、OSの最適化など、広範な最適化があり、またこれらを横断した広範囲の最適化もあります。

    これらの最適化は時間がかかるものであり、それこそハードが完成してから何年もかかって最適化されることも少なくありません。その理由は多くのモジュールが相互依存しながら機能していて、その開発者の全てが一致団結して作業するようなことはなく、それぞれが勝手に作業しているため、全体の調整に時間がかかるのです。

    この点で、スイッチは余計なことを極力やらないようにしているので、その相互依存関係が少なく、そのためボトルネックの追跡やその対策がやりやすくなっています。

    しかも、これからは、NVIDIAの傘下にARMが加わり、これらのソフト環境の開発者が閉じた関係性の中で密接に仕事をするため、高度な最適化が可能となります。

    少し横道に逸れると、よくマニアが、スイッチにはネット関係の機能が少ないとか、ファイル操作関係の機能が少ないとか言っていますが、それらをサポートすると、そのための基礎環境の整備が必要になり、その基礎環境と、ゲーム処理の基礎環境とがぶつかる可能性が高く、すると低いレベルでの妥協が必要になり、ゲーム処理の最適化が進まない可能性が高くなります。

    スイッチではそれらの搭載を避ける選択をしていて、基礎環境の構成要素が少なくなり、しかもその基礎環境はNVIDIAの自家薬篭中のものであり、細かいところまで目が届いていますから、ワンストップでの最適化がやりやすいのです。

  • NVIDIAがARMを買収したことで、NVIDIAにスイッチを開発させている任天堂は、携帯ゲーム機の開発では、一番有利なポジョンに立ちました。

    要するにSoCの本体プロセッサの開発と、グラフィクスプロセッサの開発を、一元的に実施でき、しかも命令セットも内部開発であり、ドライバ類も内部開発であり、基本ライブラリ類も内部開発であり、OSのCPUに近いコア部分も内部開発であり、そのため極めて高度な基本環境の最適化がワンストップで可能な環境となっています。

    これほどの開発チームを抱えたゲーム機の製造メーカーは他にありません。これは極めて有利なポジションです。

  • これから10年で、任天堂のスイッチ環境の蓄積される価値は、ソフトだけでなく、それのユーザ利用権や、ユーザの遊び情報なども含まれ、それらがどんどん蓄積されることになります。

    この蓄積を覆すことは、時間がたつほど難しくなります。その理由は、それら全てが任天堂アカウントに紐付けされ、しかもそれらがどんどんと蓄積され、大きくなってゆくからです。

    そうなると、もう中国の企業がどんな手段を使ってすら、覆すことができなくなります。

    さらに、その基盤を支えるために、NVIDIA、TSMC、グーグル、アマゾンなども手を貸します。

    ますます隙が無くなります。

  • コンピュータを応用したゲーム機には、論理的な実用最高性能というものと、実用最低価格というものが存在していて、その双方を満たしたハードがいつ登場するかというと、あと10年くらいで出てくるような気がします。

    論理的な実用最高性能とは、それ以上の性能があっても、実用上は過剰だという性能であり、実用最低価格とは、それ以上低価格化しても、無駄に貧相になるだけであまり意味はなく、また誰でも買える金額であり、そこから下げてもあまり意味はないという最低価格のことです。

    4K解像度で、実用性能がプレステ4くらいあって、ファンレスで、価格が一万円位の小型機になれば、その先はあまり追求する必要がないという水準の、ゲーム機として価格も含めて必要十分な環境の製品です。

    スイッチがこれを出すと、爆発的に普及し、量産効果が最大になるため、例え中国企業といえども、この普及した環境を覆すことはできません。

    要するに10億台になり、任天堂アカウントも10億人になり、そこにゲームの無期限の利用権が紐付けされ保管され、そのゲームで遊んだデータが保管されると、そのユーザアカウントを捨てて、他のプラットホームに移行する動機は完全に無くなります。

    価値があるのは、ハードではなく、その上で動作するOS環境に紐付けされたユーザのアカウントであり、ゲームライセンスであり、利用情報です。このソフト的な関係性がプラットホームということです。完全にソフト的なものです。

    もちろんその中には、スイッチ用に開発されたソフトもあり、しかも他社のソフトも含まれます。

    そのソフトが、例えば他社がスイッチ的なクローン機種を発売していも、そこにゲームの利用権や遊んだ情報を移し替えることはできませんから、顧客はスイッチ環境に固定化されます。

    これはアップルなどのアカウント管理と同じような仕組みであり、逃げ出せないようになっています。


    何が言いたいのかというと、UNIX OSによって、ソフトの寿命が永久かされると、ソフトの利用権も永久に価値があるものになり、その価値は、任天堂アカウントに紐付けされていので、その永遠の寿命のある情報価値は任天堂アカウントに永久に紐付けされ、永久の価値をもち、価値が蓄積され、価値が増えことを意味します。

    この利用者の価値をも永久化することで、利用者を固定できることが、とても価値があります。

  • この広がる仮想空間を移動するには人工知能の補助は不可欠なものになります。次のARMのアーキテクチャでは、メインのCPUの内部に、単精度整数演算用のベクトル処理ユニットの増強が施されるようで、なかなか良いプロセッサになりそうです。

    他にもこのAIベクトルユニットは色々とつかえそうで、これも仮想空間の楽しさの促進に大きく役立ちそうです。

  • 仮想空間の空間サイズが増えるということは、利用できるトランジスタ数が増えるということであり、世界が広がるということであり、楽しい時間が増えるということです。

    もちろん、単に空間が広がるだけでは、楽しさが増えるということではありませんが、そこにソフト世界を載せることで、ソフト世界が広がり、それが楽しさの増大につながります。

    しかし、それだけではまだ不足であり、そのソフトを開発し、維持管理するには費用が必要であり、その費用を確保するためには、ソフトの収益性が高まる必要があります。

    それに対して、仮想空間での、ソフトの寿命が、OSのUNIX化より、原理的には永遠の寿命を得ることができ、ソフトの収益構造が劇的に改善し、初期の開発費の回収だけでなく、長期のソフトの利用料の回収が可能になり、それをソフトの増強やサポートに費やすことができ、加速度的に広がる仮想空間に対応した、ソフト空間の充実が可能になります。

    ソフトの蓄積が可能になったということは、この仮想空間の拡大でも、大きな価値があります。

  • 仮想空間での空間のサイズというものは、ムーアの法則に従い、3年で2倍とかのペースで膨張しています。(まあその速度は色々な意見がありますが、加速度的に膨張していることは確実です)

    それでは、その空間での領土や領地は、物理的な土地のように、国境や私有地の境界線があるのかというと、もっと弱肉強食的でありソフト的であり権利的なものです。

    すなわち、顧客が望むアカウント数や、提供されるソフトの利用者数や、それを管理する媒体の規格と利用者数や、その中での著作権や特許権やなどと、全てはソフト的なものであり、権利的なものであり、魅力の有無によってその価値は決まります。

  • 任天堂のソフト資産が、消耗品的な資産から、不動産的な資産に変化するとなると、その簿価の計算式も大きく変わります。今は、それは古いままですが、それがどこかで更新されます。

    それと同時に、その他の資産の計算式も変わるはすです。例えば顧客アカウントがその代表例となります。

    これも数年で入れ替わっていたものが、これからは終生のアカウントになり、その価値が高まります。

    任天堂もそのことに気がついてエクセルの計算式を書き換えなければならないのですが、それはいつになるのでしょうか。もちろんアナリストもです。

  • 任天堂は莫大な内部留保を持っていますが、その理由は、ハードの定期的な更新による、ソフト資産の消滅に対抗するため、その再構築コストに充てるためのものです。

    要するに、5年毎に転職し、引っ越しもして、そのための更新コストが大きかったのです。転職がうまくいかない時もありましたから、大きな貯金が必要であったということです。

    もちろんこれからもその必要はありますが、他方で、この5年毎の転職とか、引越しとかいう、無駄な更新コストは、これからは不要になります。

    任天堂が必要とする内部留保の額の算定は、例えば、全く売り上げがなくても5年は会社を維持できる金額として考えると、3兆円とかがマクスでしょう。

    もしそれを超えるお金が貯まり、そのあとそれを取り崩さないとすると、その後からはそんなに貯金をする必要もなくなります。

    まあ、それを配当に回してもらうよりも、ソフト開発投資に使うとか、顧客還元として、スイッチの低価格化や、リードタイムのかかる部品在庫の積み増しをするとか、子会社のスタッフの増強に使うとか、まあいろいろと使い道はありますから、それをしてもらい、その結果として収益が増えてしまい、もうどうしても処分できないとなつたら、そこで配当を増やして貰えばいいと思います。

  • OSをUNIXにすることで、ソフトの蓄積が可能になり、そのためソフトが資産化し、収益環境が良くなり、ソフト開発とサポートの期間が長くなり、ソフトが飽きられることが少なくなります。

    すなわちソフトの使い捨てがなくなり、ソフトは長期にわたり使われ収益を生み出す、仮想世界での不動産的な位置を獲得します。

    そしてその下の地面を構成するものは、世界に分散するUNIX OSが相互に通信で結合した仮想空間というものになります。

    その仮想空間の密度というか、面積というか、体積というか、そのようなものは、消費電力が同じであっても、毎年、二割とか三割とかいう割合で、増加します。

    その利用は半導体の微細化が進み、同じ消費電力で動作させられるトランジスタの数が増加するからです。

    このトランジスタの増加が、楽しさの増加に繋がり、利用者を飽きさせることがないのです。

    またこのトランジスタの一部は、OSの高度な機能を維持するためにも使われ、OS環境の寿命を永久化させています。

  • ソフトの飽きの問題は、ソフト開発への開発資金の継続的な供給により、ソフト空間を充実させ続けることで解決します。

    要するにソフト開発には、最初の立ち上がりまでの開発費と、その後の拡充を含むメンテナンスコストがかかり、その回収も、初期売上と、継続売り上げという、スタイルの異なる営業があるということです。

    任天堂のピークアウトが疑われる背後には、この継続的なソフトシステム運営をする能力が任天堂にあるのかという疑問があります。

    しかしこの数年の任天堂の仕事を見ると、その能力は十分にあることが、あつ森のサポとなどからもわかります。また、過去のソフトをスイッチに移植していることもその証拠となります。さらに、これから出る、スイッでの2周めとなる、スプラ3や次期ゼルダの結果を見るとそのことはさらによくわかるでしょう。

    すなわち、スイッチなって、任天堂のソフトは、それまでの消費形のスタイルから、蓄積型のスタイルに、その姿を大きく変化させました。任天堂のソフトの完成系に到達したということです。

    この蓄積の効果はとても大きく、これから5年後、10年後、20年後、30年後と、ソフトの蓄積はとても大きな資産となり、30年後で、世代を一回りして、今度は親子で過去のソフトを楽しむサイクルが完成することになります。

    もちろんそれからもソフトの蓄積は続き、それこと100年後でもまだソフトは蓄積され、しかもその時にも、あつ森やゼルダBotWやマリオはまだ楽しまれている可能性があります。

    これがスイッチが任天堂にもたらす、ソフトのストック化の効果であり、そのあと元には、UNIX環境があり、その足元には、UNX環境がもたらしたネットワーク環境があり、その上で形成されている開発者の自由コミュニティーがあり、その中で自発的に形成されたコンピュータ言語の自然維持原理が機能しています。

    そんなもので、その上の大きな文化や価値が維持できるのかということですが、それはソフトの特性によるものであり、優れたオリジナルが一つできると、それが瞬時に無数のクローンが世界のコンピュータに自動で配布され活動します。その活動が、無数に重層して機能しているのが今のUNIX系の世界であり、ネットワークソフトの世界です。

    その基礎機能の上に仮想世界は広がっています。

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