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  • 少しすると、打ち上げ花火が何発か上がり始めた。光には花火はどうでもよかった。また周りの女の子ばかりを眺めてしつこく声をかけていた。
    光「ねえねえ、ちょっと君。」
    山中「おい光、何やってんだ!」
    急に現れたのは担任の山中だった。何故かジョギング用の深緑色の上下ジャージ姿で、まるで生徒たちを監視するために来たようにも見えた。
    光「うーわ!ここまでオレたちを追いかけてきたのかよ。」
    吉永「まさかそれはないでしょ。」
    山中「何言ってんだか、オレの家はこの近所なんだよ。」
    吉永「うわ、最悪・・・」
    山中「吉永何か言ったか?」
    吉永「いえ別に・・・」
    2人は担任から離れるべくさっさと群衆の中に消えて行った。
    この様子をうかがっていたマキと昌子も、
    マキ「うちの担任じゃん・・・」
    昌子「ほんと世間は狭いもんだね。さ、行こう行こう・・・」
    この2人も担任から離れるようにさっさと縁日の方に消えて行った。一方1人で来ていた夏美に綿菓子の店でマキたちに偶然出会った。
    マキ「あ、夏美。」
    夏美「あ、マキ。」
    2人は目を合わせた。
    マキ「1人なの?」
    夏美「うん。」
    マキは心配そうにして、
    マキ「一緒に回ろうよ。」
    夏美「いいの?」
    マキは昌子に夏美を紹介した。
    マキ「私のクラスの夏美。」
    昌子「バレー部の?」
    マキ「そう。」
    昌子「よろしくお願いします。」
    夏美「こちらこそよろしくね。」
    こうして3人は歩き出した。が、急に・・・
    夏美「あ、あれ、あれれ?」
    マキ「どうしたの夏美?」
    夏美は自分の紺色のブラウスの腰の辺りを両手で触っていた。
    夏美「ないわ、ポーチ。」
    マキ「ああ、あのショッキングピンクのウエストポーチね。」
    夏美「そ、そうなんだけど・・・」
    マキ「え?もしかしてサイフ・・・」
    夏美「そうなのよ。」
    マキ「それは大変だわ。」
    マキと夏美が今歩いてきた道を少し戻りながら夏美のポーチを探し始めた。

  • さてこちらは光と吉永の2人。
    縁日のお面の店にいた。
    光「お前、似合うよなあ。」
    吉永「それはひどいよ。じゃあ、これ付けてみてよ。」
    光がひょっとこのお面を被った。
    吉永「ほら、似合うじゃないかオレよりか。」
    それを聞いて調子に乗った光が踊り出した。周りの客が変な顔で見ていた。
    光「なんだかなあ、今ひとつ盛り上がらないけどなあ。」
    吉永「踊り方が変なんだよきっと。」
    光「そうかなあ?」
    そして2人が少し歩き出した時、
    吉永「ん?」
    吉永は足に何かが当たった気がした。そして、下を見渡した。すると、そこに小さなポーチが落ちていた。
    吉永「これは?」
    光「おいおい、女もんのサイフかな?」
    吉永が拾い上げて中を確認してみると、プリクラ写真が入っていた。
    吉永「誰だこれ?」
    光「もっと明るい所に行かないとわからないよ。」
    2人は明るい商店街の方に出た。吉永はもう一度そのプリクラ写真を見た。
    吉永「あ、これはなっちゃん。」
    光「は?なっちゃ・・・」
    吉永「うちのクラスの夏美さんだ。」
    光「あーあいつかぁ・・、じゃいらないからもらっとけ。」
    吉永「そう言う問題じゃないだろう。同じクラスだし。」
    吉永は光をちょっとにらみ付ける様な表情をした。
    この後光は吉永に説得されて、夏美を一緒に捜すことにした。
    吉永「いないなあ・・・」
    光「任せろ。女を捜すのは得意だ。」
    吉永「どんな性格???」
    呆れる吉永だった。
    >>私も呆れる
    やがて光が3人組を見つけた。
    光「やっほ~い!」
    夏美「何何、気持ち悪い奴。」
    光「失礼だよな。せっかく会えたのに・・」
    夏美「それがキモイって言ってるのよ。」
    >>やはり声はでかい!
    吉永「夏美さん。」
    吉永はそう言って、ポーチを夏美に見せた。
    夏美「あ!!それ!」
    夏美は非常に驚いて一瞬固まってしまったが、
    夏美「え、どこにあったの?」
    吉永「縁日の端っこかな?落ちてたよ。」
    夏美「あ、ありがとう・・・」
    吉永が夏美にポーチを手渡した。
    このときだけは、周りがシーンとしていた。
    マキ「夏美よかったじゃない。」
    光「よし、じゃあみんなで花火を見るか。」
    3人組はそんな気分ではなかったのだが、夏美のポーチが見つかったことから、仕方なく光に合わせる事にした。

  • そしてこの日だけは夜遅くまで花火の音が東中野の町全体に響いていた。
    やがて5人組が解散する時、
    マキ「もしかして夏美は何か運命の糸に・・・」
    夏美「やめてよ!」
    >>相変わらず大きな声ですね。


    ----------- 第3話 終わり ---------------------------

  • 第4話

    ある日ここは夏美の家。週末は家族3人で自宅で食事をする事が度々あった。
    母「あんた、早く食べてくださいね。」
    父はいつもになく食事が遅かった。
    夏美「父さん、どうかしたの?」
    父「別に・・・」
    母「何よ、あんた!そんな言い方ないでしょ!」
    >>お母さんも大きな声です。
    母は冷やかな父の返事が気に入らなかったのだ。
    夏美「別に私気にしてないよ。」
    その場の雰囲気が気に入らなかったのか、
    父「外へ出てくる。」
    そう言って父は家を出て行った。
    夏美「お母さん。」
    母「あの人は昔からあんな感じなんだよ。ほっといていいよ。」
    夏美は玄関の方をしばらくじっと見つめていた。
    母「どうせ2、3時間もしたら帰って来るんだから。」
    母はそう言うと、父が飲み残したビールのグラスを手に持って一気に飲み干した。
    母「夏美も気をつけるんだよ。あんな男に捕まらないように。」
    夏美「別に父さん、普通じゃん。」
    不思議そうに話す夏美。
    母「何、結婚する前とは全然別人だよ。性格まるっきり変わってしまってさ。昔は随分優しい言葉を使いまくって話していたけど、今やもう帰って来ても2、3言しか喋らない。あーあ、情けない。もっといい男がいっぱいいるってのにね。」
    夏美はそんな母の愚痴をずーと聞いていた。
    夏美「だいたい結婚なんか、私はまだまだだよ。」
    母「何言ってんのよ。夏美はもう17でしょ。結婚できるんだよ、もう大人なの。」
    夏美「でもさ・・・」
    母「母さん知ってるよ。私の口紅少し使ったでしょ。」
    夏美は突然の言葉にびっくりして、少しはっとなった。事実中学校の時何度か好奇心で黙って触っていた事があったのだった。
    母「ちゃんとわかってるんだよ。でも、いいよそれで。だってもう子供じゃないんだからね。これからは大人の扱いをしなきゃね。」
    夏美「お母さん、知ってたんだ。」
    母「親と言うのは知らないようで、実は我が子の事を一番良く知っているんだよ。」
    夏美はこの時から、少し自分が大人になったような気がしたのであった。
    2人が寝た後玄関で物音がするのが聞こえた。父が帰宅したのである。

  • 次の日の夜。夏美の母がお風呂に入っている間、夏美と父が居間にいた。
    夏美「父さん、昨日どこに行ってたの?」
    父「昨日、寿司屋に行ってた。」
    夏美「寿司屋。私も連れてって。」
    父「いいよ。今度母さんが居ない時に。」
    夏美「何で・・・3人で行けばいいじゃん。」
    父「鮨が不味くなる。」
    夏美「父さん、お母さんが嫌いなの?」
    父「そうじゃないけど・・・昔はもっと可愛かったけどなあ。まあ女って言うのは年と共に変ってしまうもんだよ。」
    夏美「そうなんだ。でもさ、お母さんも同じ事を言ってたよ。父さんが変ったってさ。」
    父「よく言うよ。父さんは昔とちっとも変っちゃいないよ。」
    夏美「ふう~ん。そうなのかぁ。」
    やがて母が風呂から出てきて、今度は父が風呂に入っていった。その間、夏美と母の2人が居間にいた。少しの間母はヘアドライヤーをかけていた。
    夏美「お母さん。」
    母「何?」
    夏美「父さんね、お母さん昔とだいぶ変ったって言ってたよ。」
    母「はあ??私は昔のままよ。性格まったく変らず。まあ美貌は年と共に衰えていってるけど。まあだから化粧するんだけどね。」
    夏美はこの時両親が同じような事を思い、同じような事を考えているんだと気づいたのであった。

  • 数日後、夏美が西中野にある江戸前の寿司屋へ家族で食べに行った日のことである。この寿司屋の店はけっこう古く、建物の外観といい、店の中の造りといいいたるところが昔ながらの材質で造られ、窓や中の柱などは際立った墨のような黒をイメージした店であることが町中で知られていた。レトロな暖簾をくぐった3人は、店の中に入って行った。そしてそこに若い高校生が働いているのが目に入った。
    夏美「え!吉永君・・・何?何?」
    信じられない表情の夏美だった。
    吉永「ここオレのじいちゃんの店なんだ。たまに忙しい時は手伝ってんだ。」
    夏美「そうだったの。」
    夏美の家族3人はカウンターに座った。少しして、
    父「大将、イキのいい奴を頼むよ。」
    大将「よっしゃあ。」
    声ははっきりしてややでかかった。夏美にはそれが普段の吉永のそれとオーバーラップして感じとれたのだった。
    母「夏美、お友だちなの?」
    夏美「同級生。」
    母「へえー、えらいわねぇ。」
    大将「私のせがれ(長男)が漁師をしておりまして、こいつは次男の子ですわ。まあ、そんなこんなで時々この孫が手伝ってくれてます。」
    こうして夏美以外の家族は満足して店を出た。

    クラブ活動の下校時間。夏美は夏休みの宿題だった数学の問題集の答えをコピーして吉永の下駄箱に入れておいた。おかげで9月初日、大嫌いな数学の宿題を提出した吉永の姿を、クラスの皆(1人を除いてだが)が不思議がっていたのだった。
    翌日の昼休みのことである。吉永が夏美の席に行った。
    吉永「夏美、ありがとう。」
    夏美「何?」
    吉永「数学の答え。」
    吉永はまわりに聞こえないような小さな声で言った。
    夏美「何で私ってわかったの?」
    吉永「字でわかるからさ。」
    夏美「ふうん?」
    吉永「でも、どうしてオレに?」
    夏美「サイフ拾ってくれたお礼。」
    吉永「そっか・・・」
    吉永は急に納得したようだ。

    --------- 第4話 終わり ------------

  • 第5話

    さて秋の芸術祭の行事のために美術部が中心となって夏休み頃から準備の計画を進めていた。A2の昌子とA1のマキはいっしょに組んで大きなアートを校門前に完成させるという計画だった。材料は廃材中心で、発泡スチロールを土台にして、お菓子の包装袋とか、食品のパックとか、プラスチックやアルミなどさまざまなものを使ってコラージュを貼り付けるという計画だった。昌子とマキは家が近いこともあって、それぞれの家にこもって作品をいっしょに考えたりしていた。そのためか夏休みが終わる頃には親密な仲になり、お互いの家に泊まることもあったのだが、ともにそれぞれの両親は納得了解していた。昌子の家は「ルミ美容室」で母親が経営していたが夏休み以降マキとマキの母はこの店を毎回利用するようになった。

    西中野地区に新しいカフェ『リラックス11』がオープンした。
    店員「いらっしゃいませ。」
    礼子「やっぱり新しい店はいいわね。」
    マチコ「礼子、あそこなんかいいんじゃないの?」
    礼子「そうね、そうしよう。」
    2人は背丈2メートル50程もある観葉植物が置かれた角のテーブルについた。
    礼子「なかなか造りもシャレてるわね。」
    マチコ「ほらあそこの壁さ、とってもクラシックじゃない。」
    礼子「ほんとね。ローマ建築に近い物があるね。」
    2人は内装のシャレたデザインをいろいろ観察して楽しんでいた。
    店員「いらっしゃいませ。」
    マキ「ほら、あそこがいいと思う。」
    昌子「よし、あそこだ。」
    2人は入るや否や、場所取りでもするかのように急ぎ足でテーブルについた。
    昌子「すっごいね。何か見た事のないデザインの壁。」
    マキ「ほんとだ。天井の形も変わってるよ。何だか古代のヨーロッパみたいな。」
    昌子「あっ、そう言えばそんな気がする。」
    マキ「今度のイラストの背景に使ってみようかな。」
    昌子「私も同じ事を考えてた。」
    昌子とマキは芸術祭に向けていろいろアイディアを出し合うために、時々変わった店や新しい店を見つけては立ち寄っていたのである。

  • 芸術祭の当日。今年のテーマは『友情』だった。校門の前には美術部が全員で創り上げた大きなコラージュアートの張りぼてが展示されていた。そして講堂ではかなりやかましい騒音とも十分とれるくらいの高校生バンドの生演奏が休むことなく午後3時頃まで校内中に響いていた。ボーカル担当の菊池令はけっこう丈の短いピンクのワンピースと真っ赤なスカーフにポニーテール姿で、黒のキラキラ光るラメの入ったベルトをしていた。
    令「おーい!みんな、のってるかー!!」
    観客「はーい!!」
    令「よっしや、次いくぜ~ぃ!!」
    観客「はーい!!」
    そして再び演奏が始まった。
    菊池令は女性だがとにかく男勝りでグループの中心だった。同じ軽音楽部のサークル活動でいっしょになった同学年の男子を3人引き連れて入学以来早くからバンドをやっていたのだった。一方美術室では美術部の個人作品や共同作品の展示物が所狭しと数多く張巡らされたり、並べられたりしていた。窓もきれいに装飾され、いたるところにポップアートのようなポスターや、ステンドガラスに似せた額の絵など、さまざまな作品が貼られており、教室全体を作品で覆いつくしていたのであった。ところで花園学園は私立だったので、他校の生徒や一般の大人もこの日だけは特別に許可無く入場できた。
    礼子「毎年見に来るけど、なかなか感動する作品ってないなあ。」
    マチコ「ふうん・・・私にはすごい作品に思うけどね。」
    礼子「大学の方がレベルも高いしやはり専門的でおもしろいわ。」
    マチコ「礼子は美大だからね。私とは全然見る目が違うから・・・」
    礼子「まあ美大と言えど、好きで入ったような・・・親の後を追っかけてるような・・・」
    この美術部の展示には数人の女子生徒と一般の女性しか見に来ないのが通例だったが、何故かこの年はめずらしく西城が1人で見に来ていた。
    マキ「西城君。」
    呼ばれた西城はマキの方を軽く見て、
    西城「ん?」
    マキ「来てくれてありがとう。」
    マキはにっこりして答えた。
    西城「ああ、ん・・・」
    西城は小さな声で曖昧な返事をしていた。そして作品をじっと覗き込むように見て、時々あごに手を当てたりした。マキはそんな西城がとてもカッコよく見えた。しかし西城は意外と早く美術室から出て行ったのであった。

  • さて今度は教室の外を見てみよう。グラウンドの一角には各運動部のバザーのブースが点在して不自然に並んでいた。ここはバレー部のブースである。
    めぐが手を強く叩きながら、
    めぐ「はいはいはい、よかったらクレープどうですか!クレープどうですか!」
    そこへ猟犬のようなすばしっこい駆け足で光がやって来て、
    光「やっほー!」
    めぐ「何光君、邪魔しに来たの?」
    光「まさか、食べに来たんですよお。」
    光はニコニコして答えた。
    夏美「ちょっと、自分のブースはほっといていいの?」
    そこに割り込んだのは夏美だった。
    光「大丈夫大丈夫V!!オレピザがいいな。」
    夏美「ここはクレープだけよ!」
    夏美がテーブルを叩きながら言った。
    光「じゃ、もんじゃ焼き!」
    夏美「ふざけてんの。商店街にあるでしょ、そこに行ったら・・・」
    光「じゃ、お好み焼き!」
    めぐ「だからここはクレープだけだと言っとるんじゃああああああああああ!!!!!!!!」
    光「ひぇー・・・こわ・・・」
    さすがにめぐの張り裂ける声にはかなわなかったようだ。
    そこに3人組の女の子たちのお客さんが来た。
    めぐ「いらっしゃいませ。いかがですか?」
    客1「私バナナにしようかな?」
    光「あ、それおいしいですよ~♪」
    夏美「光!邪魔邪魔!」
    夏美はとうとう腕ずくで光をブースから離れさせた。光はついに追い出された。
    客2「私チョコで。」
    客3「私も同じ・・・」
    この日ばかりは学校内は年に一度の生徒たちの活躍で大盛況だった。やがて時も夕方4時をまわり、バザーのブースでは完売した店から次々とぼちぼち片付けに入るブースも出てきた。それにつれて人だかりも徐々に減っていき、そしてブースの周りの掛け声もそれと共に減っていった。

  • 芸術祭が終わった後、それぞれの持ち場にいた多くの生徒は芸術祭の打ち上げをするために、スーパー「ゲキヤス」の向かいにある「リトル・キッチン」に集まっていた。そして彼らは窓際の一角を堂々と占拠していた。
    講堂で演奏をしていたバンドのメンバーのテーブルでは、
    令「秀樹、今日はなかなか調子良かったじゃん。」
    野口はニコニコしながら、
    野口「なんとか上手くいったよ。」
    令「来週もしっかりね。」
    野口はカロリーゼロのコーラを飲みながら、
    野口「うん、頑張るよ。」
    令はビーフオムライスを食べていた。
    実は次の週末に地元のライヴがあって、菊池令らが参加することになっていたのだ。隣のちょっと静かで暗いイメージを感じるテーブルでは、
    マキ「なんだか今ひとつだったよね。」
    昌子「先輩の話だと毎年こんな感じだって話していたよ。」
    マキ「そうか、それで打ち上げもしないのかあ。」
    美術部は毎年打ち上げはしていなかった。
    昌子「そう言ってた。おもしろくないって。うちの学校は美的感覚がまずないらしい。」
    マキ「そうそう、それ思った。うちの生徒が見に来るってまずなかったもんね。作品は悪くないと思うけどなあ。」
    >>それってマキだけだと思います。
    昌子「あ、そういえば西城君。」
    マキ「そ、それだよ。彼来てくれてた。めっちゃ嬉しかった。」
    昌子「美術に興味あんのかなあ?」
    首をかしげる昌子だった。
    マキ「そんな風には見えないけど・・・で何頼むの?」
    ちょうどいいタイミングでそこに店員が席に来た。
    昌子「お子様セット。」
    >>普通は頼まないでしょ!
    マキは想像もしなかった突然のメニューに驚いて、
    マキ「え!」
    さらに隣の目立ち過ぎてやかましいテーブルでは右手のこぶしを上げながら、
    光「イエ~イ!!」
    光はテーブルソファの背もたれの上部分に腰をかけて叫んでいた。
    西城「お前ほんとうるさいなぁ・・・ほんとに。」
    光「いいじゃん、この日こそはしゃがなきゃいつはしゃぐんだぁ・・・」
    急に店員がやってきて、
    店員「お客さん、そこから降りてください。ちゃんと座ってください。」
    しかたなく座る光だった。
    西城「お前授業中いっつもはしゃいでるじゃん。」
    光「そうかなあ、いつも大人しいけど。」
    >>完全に呆れる西城。

  • 西城「それとうちのバザーもっと手伝えよ。焼きそば食ってばっかりで、お前作ったことあんのか?」
    西城の鋭い言葉が手裏剣のように光の喉に突き刺さった。
    光「焼きそばくらい、作れますよ。・・・じゃ、来年はオレが焼きます!」
    まったく西城の手裏剣に動じない光。その上光は自分の胸を左手の拳で軽く叩きながら自信有り気に言った。
    西城「その言葉忘れんなよ。」
    光「モチ!!」
    光はしっかり西城にピースサインをしていた。
    >>ここでピースサインですか??
    光はバスケ部の他の先輩が打ち上げに参加しない理由がまったくわかっていなかった。西城は仕方なしに光に付き合っていたのだった。で、翌週のクラブ活動の時間に西城が先輩から聞いた話なのだが、どうやらバスケ部の先輩たちは別の店で打ち上げをしていたらしい。
    こちらはバレー部の打ち上げ。学校に近いカラオケ店でやっていた。
    めぐ「ファミレスはうるさすぎるからね。あんなところでよくやるよ、まったく・・・」
    夏美「ほんとですよね、ほとんど1人がはしゃいでるみたいで。」
    バレー部は一度リトル・キッチンには行ったのだが、うるさすぎるバスケ部の声に、場所を変えてカラオケ店にしたのであった。

    秋にドームで4人組のアーチスト『スランプ』のライブがあった。数年前からかなりのファンであるマキは、ドームまで彼らを見に行った。そして、そこには同じ高校のバンドメンバーの1人でもある菊池令も見に来ていたのだった。

  • クリスマスに少し離れた南高針地区を流れる高針川の河川敷で今年からイルミネーションが見られることを知った夏美はマキと見に行くことにした。
    マキ「わあーすごいわぁ・・・予想以上。」
    夏美「ほんとだ。綺麗だよね。」
    向こうの方から2人組が近づいてきた。夏美はちょっとうつになって、
    夏美「マキ、ごめん。じつはね。」
    2人は向かい合わせになった。
    夏美「今日、光と西城君に誘われて来たの。」
    マキ「そうだったの。」
    マキは一瞬躊躇ったが、
    マキ「いいよ、全然気にならないからね。西城君でしょ。」
    夏美「ありがとう。」
    光と西城の2人が近づいてきた。
    光「やっほ~い!」
    夏美「相変わらずのワンパターンってやつですか・・・」
    河川敷に4人が座ることにした。しばらくイルミネーションを見ていた光が、夏美の肩に手をそおっと置いた。
    夏美「しっしっし!!」
    夏美はその手を払った。光は四六時中落ち着きがなかったのだが、西城はずっとおとなしくイルミネーションを見ていた。
    マキはイルミネーションが時と共に変わってゆく色と形の変化に感動していた。そのあと夏美を気にしてか光を呼んで、
    マキ「光さん、少しこっちに座りましょ。」
    光は言われるままにマキと2人、少しだけ夏美と西城から離れて座った。
    光「やっぱオレの方がいいのかな?」
    マキ「何言ってんのよ。夏美のことを考えてした事よ。勘違いしないで!」
    マキが隣の2人に気づかれないように、小さな声でつぶやいた。
    夏美「西城君、初詣一緒に行きませんか?」
    西城「いいけど、光はかなりうるさいよ。」
    夏美「いえ、光さんはいい。西城君だけで。」
    その時西城は少し不思議そうな顔つきになっていた。
    夏美「あ、そうそう。マキも連れてきます。3人で。」
    西城「わかった。」
    西城は軽くうなずいた。
    こうして4人組はそれぞれ生まれて初めてのイルミネーションを思い思いに楽しんでいた。さらに川面にも色取り取りのイルミネーションが美しくしとやかに、ときに鮮やかに時間と共に写って、まるで大きなキャンバスに描かれた動画のようだった。

    --------- 第5話 終わり ------------

  • 第6話

    翌年の1月2日。約束どおりに、夏美たち3人が電車を利用して浅草寺まで初詣に行った。この日の夏美は普通ではなかった。最初からずっとそわそわしてばかりで、それがマキには何となく恋と感じ取れたのだったが、まあ西城にはそんなことはまったく気づかず周りの景色を一つ又一つと観賞していたのだった。
    夏美「すっごい大きいね、この提灯。」
    マキ「ほんとウワサには聞いていたけどね。」
    夏美「人が多すぎて迷子になりそうだわ。」
    マキ「夏美離れないでね。私困るよ。」
    夏美「大丈夫大丈夫、西城君がいるから。」
    マキ「そう言う事じゃあないんだけど・・・」
    マキは少し呆れた様子で人ごみを避けるようにしてゆっくりと歩いていた。やがてお参りを終えた3人は近くの公園に足を運んだ。
    マキ「あれ?けっこう綺麗な公園だね。」
    夏美「ほんとだ。・・・ん?」
    夏美は公園の端に小さな温室のドームを見つけた。
    夏美「ちょっと行ってみようか?」
    マキ「そうだね。」
    夏美「西城君、立ち寄ってもいいかな?」
    西城「いいよ。」
    3人はその温室に近づいて行った。
    夏美「あっ!植物園だって!」
    マキ「へえ・・・こんなところにあるんだあ・・・」
    おもわず関心するマキだった。
    3人は中に入って行った。けっこうたくさんの種類の変わった植物が栽培されていた。
    マキ「すごいね。」
    夏美「ほんとだ。知らない花だらけだ。」
    マキが笑っていた。
    3人はドームの中を道順どおりに進んでいた。途中でマキがトイレに行った。当然マキの親切心がそうさせたのだろう。
    夏美「西城君、花なんか興味ないですよね?」
    西城「いや、好きだよ。家に観葉植物があるよ。母親が好きだから。」
    夏美「へえ・・・そうなんだ。」
    西城「だから小さい頃から植物の中で育ったようなもんだな。」
    夏美「これなんか、ハーブの種類かな・・・」
    夏美は指差しながらそう言って、普段に無い笑顔を振舞っていた。
    西城「そうそう、家はいろんなハーブがあった。名前は良く知らないけどね。」
    夏美「そうなんだ・・・」

  • しばらくしてマキが戻ってきた。そして3人は植物園を後にした。再び電車に乗って西中野まで戻ってきた3人はファミレス「リトル・キッチン」に入った。
    夏美「あらあ・・・けっこう混んでるのね。」
    マキ「あ、あそこが空いているわ。」
    夏美「店員の案内がいないし、座っちゃえ。」
    そう言って3人は奥のだた1つ空いていた角の席に着いた。ランチをしながら夏美が中心になってよく喋っていた。
    夏美「しかし、何あの店員・・・全然動かないじゃん。」
    確かに1人うろうろしている店員がいた。
    マキ「まだ見習いなのかな?」
    夏美「見習いは、胸にそのバッジを付けてるから、違うんじゃないかな・・・」
    >>見習いなんだけど、胸のバッジを忘れてきたらしいです。
    3人はまったく要領の悪そうな店員をまじまじと見ながら、ランチの後もそれをツマミにしてそれぞれのお茶をしていたのであった。

    2月。今日は13日。スーパー「ゲキヤス」には多くの女性が新設のコーナーを占拠していた。勿論目当てはチョコ。とくに女子高校生の集まりは多く、押し合いもみ合いながらまるでそこは戦場になっていた。その人数は特売日か年末の人手のようになっていたのだ。
    マキ「すっごいね、人だらけ。」
    昌子「ほんとだ。」
    マキ「あーあーうちの生徒が多すぎるわ。」
    昌子「ほんと、みんな渡す相手同じじゃない。きっと・・・」
    マキ「やはり・・・」

    昌子の言ったセリフは大当たりだった。翌日の放課後、西城の下駄箱の中にはたくさんのチョコが押し込んであった。光と西城が下駄箱にやって来た。
    光「おいおい何これ。」
    西城「まったく・・・」
    光「いいよな、もらえるんだから。」
    光は心の底から欲しそうな表情をしていた。
    西城「やるよ。」
    西城はそう言うとチョコのほとんどを光に渡した。
    光「おお、サンキュウー・・・。あ、それも。」
    光は西城の持っていた3つばかりのチョコも結局横取りした。
    西城「しょうがねえなぁ。」
    西城は完全に呆れてしまった。光は楽しそうに足早に1人で帰って行った。ちょうど同じ時間にいたマキはその2人の会話をずっと反対側の下駄箱で聞いていた。

  • 一方西城の家では2つ上の姉が玄関のポストを見ていた。
    姉「また今日もいっぱい着ているわ。」
    ポストにはぎゅうぎゅう詰めになったいろんな形の小包が無理やりに押し込まれていた。その全てを姉が家の中の自分の部屋に持って行った。
    姉「あれれ?」
    おかしなことに1枚の観葉植物の絵葉書が入っていた。
    姉「何これ?バレンタインにハガキ1枚??それも観葉植物・・・」
    姉が裏を見てみると、そこには黒木夏美としっかり書かれていた。表はバレンタインとは描かれてはいるものの、ただのマジックの寄せ書きに過ぎなかった。姉は気にせずそれをゴミ箱に投げ入れた。けっきょくこのハガキは西城の手に届かないところで葬られてしまったのであった。

  • 春休みにマキは中学時代に雑誌の投稿で知り合ったイラストの友達と『フェルメール展』を観に国立博物館に行くことになった。当日その入り口で待ち合わせていたマキは3人と合流した。
    マキ「待った?」
    友1「全然。」
    さすがに仲良しだけあって、入る前から話は弾んでいた。
    友2「サークルの同人誌まとめるの、今回はマキの番だよ。」
    マキ「そうだね。みんな原画持ってきたの?」
    3人「もちろん!」
    マキ「じゃ、頑張るわ。」
    友3「よろしくね。」
    そう言って3人はそれぞれ持ってきていた薄い原画を入れたファイルをマキに渡した。マキは用意周到で、しっかりそれらを入れるファイル専用のバッグを持参していたのだった。4人はまだ同人誌を発行した経験がなかったのだが、とにかくやってみようとここ数ヶ月試行錯誤していたのである。
    友1「じゃ、中に入ろう!」
    4人は博物館の中に並んで入って行った。
    しばらく順路を進んだ所で、何やら変な青年を見つけた。その青年は絵画を観るのではなく建物の柱を1つ1つジロジロ見回し、さらに各コーナーに配置されていた案内係の女性のスタッフをちょいちょい眺めていた。
    友2「なんか、あの子キモイね・・・」
    友3「ほんと・・・」
    その時マキは大変な事に気づいてしまった。
    マキ「あ、あれ、あれだわ・・・」
    かなり呆れた様子のマキに3人がびっくりした。
    友1「どうしたの。・・・マキ。」
    マキ「あー、できたら素通りできないかなあ・・・」
    友2「なんで??」
    しかしすでに3人はその青年のそばまで近づいていた。そして事態は急変したのだった。マキを見つけたその青年は、
    青年「やっほ~い!」
    マキ「や、やめてくれぃ・・・」
    そんなマキの最悪なるシナリオのつぶやきが聞こえる訳はなかった。

  • 青年「やーやー、こんな所で会うなんて・・・奇遇ですね。」
    友1「えー、マキの知り合い??」
    青年「あらあ、みなさんお揃いで。けっこう決まってますねえ。いいですよ流行の先端いってます。」
    青年は3人のスタイルを縦横にじっと眺めていた。
    マキ「何でこんな所にいるの?」
    青年「何でとは失礼な。」
    友2「マキ、紹介してよ。」
    3人はけっこう青年のルックスが気に入ったみたいだった。
    マキ「うちの高校の同級生。」
    光「は~い!光君です~!」
    光は急にテンションが変わった。
    友2「テンション高・・・」
    友3「まあ顔は並より少し上ってとこか・・・」
    マキにとってはどうでもよかった。とにかくこの場を離れたい気持ちが強かったのだ。
    マキ「さ、行こ行こ。」
    そう言って、なるべく光から遠ざかるようにマキは移動し始めた。一度は監視の警備スタッフが近寄ってきたが、すぐにまた元の位置に戻った。
    友3「何で?いいじゃん、一緒で。」
    友1「そうね。同じクラスなんでしょ。」
    マキ「ま、まあそうだけど・・・(^^;)」
    返事の苦しそうなマキであった。しかし光の実態を知らない3人にとっては、好奇心だらけでもあったのだ。
    こうして想像もしていなかった5人の絵画鑑賞ツアーに結局はなってしまったのであった。
    やがて出口の休憩室で、マキが光に、
    マキ「何でここにいるの?それも1人で・・・」
    光「おいおい。オレが絵を鑑賞するのはいけないのかァ・・・」
    マキ「う~ん。理解に苦しむわ。」
    光「はあ・・・?オレだってこれくらいの価値はわかるんだよ。」
    マキ「どこがよ?」
    >>どこがよ?
    光は目の前にあったお土産コーナーにある絵画のポスターを指差しながら、
    光「これなんか1億はするだろう。こっちは2億くらいかな?」
    >>相変わらず適当なやつ。
    マキ「あー、まったくわかってないわ・・・」
    そこに友だち3人がやってきた。マキはすぐに光から離れて3人の傍に寄った。
    友1「しかし、あの人何でここにいるの?」

  • 友2「そうよね、絵を観に来た感じはしないよね。」
    マキにもその疑問がすぐに理解できた。光がマキたちの傍に来た。
    マキ「光さん、わざわざフェルメールを観に来たの?」
    光「え?フェルメール?何だそれ?・・・オレんちは毎回美術館の入場券がタダでもらえるから、使っただけなんだけど。」
    マキ「どーいう人格なんだァ・・・(^^;)」
    さすがにこのときは他の3人組も呆れてしまったようだ。光と別れた4人は博物館を後にして、やがて駅で別れることになった。ちょうどその時どこからか音楽が流れてきた。
    マキ「あ、これこれこれだわ!」
    急にマキが叫んだ。
    友1「何何??」
    マキ「この曲さ、『I can't stop loving you』って言うのよ。」
    友2「へえー誰の曲?」
    マキ「『ブラックアポロ』っていうバンド。」
    >>オリジナルはレイ・チャールズだったかな?
    友3「マキさ、『スランプ』じゃなかったの?」
    マキ「ああ、あれかあ・・・もう卒業しちゃった。」
    マキはにっこりとして答えた。

    --------------- 第6話 終わり -------------------------

  • 第7話

    光は2年になってA1クラスからB1クラスに移った。この高校は1年A1~A4、2年B1~B4、3年C1~C4というようにクラスが分かれていて3年間クラス替えがなかった。2年以上の女子の楽しみと言えば新しく入ってくる新入生だった。やがてそれぞれのクラブに新入生が入部していった。
    女子バレー部部室にて。キャプテンの3年C3クラスのめぐと2年夏美の他12~3人の先輩たちと、新入生の7名が集まっていた。
    夏美「めぐさん、新入生を紹介します。」
    めぐ「はいどうぞ。」
    ・・・・・・・
    新入生の中にはめぐの妹由紀子もいた。

    ある日の放課後のバレー部練習日。この日は男子と女子が合同で今年初めて基礎練をしていた。夏美は1年男子の中に豊の姿を見つけた。
    夏美「豊じゃない!」
    豊「やあ。」
    豊は爽やかな表情で答えた。
    夏美「同じ高校になるとは知らなかったわ。」
    豊「以後よろしく。」
    豊はジャニーズ風の可愛い小柄な好青年だった。
    夏美「中学の時と全然変わってないね。」
    豊「夏美はけっこう変わったみたいだ。」
    豊が直球で話しかけてきた。夏美も負けていない。
    夏美「うん、心も体も・・・」
    豊「そうか・・・」

    実はこの2人、中学生時代に付き合っていて1度は別れたのだが、夏美は豊が気になって、5月から再び付き合い始めることになる。

  • 夏美はまたしても西城とデートを計画した。昨年だけでなく、なんとしても今年も今のまま続けていきたかったからだ。豊は年下だし、まだ彼が自分よりもかなり幼く思えてしまって、彼女にとって満足のいく交際相手ではなかったようだ。今回はマキがジブリの映画が好きだったことを利用して、4月に映画館でたまたまジブリの映画を見つけ、このときとばかりマキに相談して、オッケーをもらったのであった。
    3人が映画館の前で待ち合わせた。
    マキ「夏美、ここだよ。」
    夏美「待った?」
    マキ「全然。」
    夏美「西城君はまだだね。」
    マキ「だってまだ約束の時間まで時間あるからね。」
    夏美「あ、そうかぁ・・・」
    マキ「待ち合わせの時間までまだ1時間弱あるよ。」
    夏美「じゃマキ、すっごく早かったんだね。」
    マキ「そうでもないよ。」
    夏美「じゃ、そこのベンチで待っていようか?」
    マキ「そうだね。」
    2人は映画館の横に設置されていたベンチに座って西城を待つことにした。やがて西城が上下ブルーのジーンズでやって来た。そのかっこいい姿が2人にはとても印象的だった。夏美は一瞬自分を失ったかのようになってしまった。
    西城「あれ、もう時間だったかな?」
    夏美「ち、違うわ、私たちが早過ぎただけよ。」
    西城「そうだったの。」
    西城はなんとか納得した様子だった。そして3人は映画館に入って行った。
    やがて3時間ほど時間が流れた。映画館からゾロゾロと蟻の行列のように観客が出て来た。
    マキ「良かったね。」
    夏美「ほんと、感動したわ。」
    そのときマキは知らずにハンカチーフを落としたらしい。西城がそれに気が付いて、
    西城「軽辺さん。」
    マキ「え?」
    マキは西城が話しかけたことにまず驚いた。彼は滅多と女性に声をかけないからだ。
    西城「ハンカチ落としましたよ。」
    そう言ってマキのハンカチーフを拾い上げた。マキはすぐにそれを受け取って、
    マキ「ありがとう。」
    このとき夏美は西城が自分には見せたことの無い表情をわずかながらも横目で感じとったのであった。

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