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  • 大丈夫です。私も見てますよ~♪

  • >>No. 2878

    1月18日。今のところ未定ですが、来年からはけっこう参加する予定をたてています。

    来年もよろしくね。。

  • 生涯の仕事として、ライブラリを作っていますが、オデオンレーベルの試作ができました。
    今度、DIVAに寄ったとき、お店に置いておきます。
    また、機会があれば見てください。

       by みっちー

  • どうも、今年もよろしく。18は無理ですが、また必ず行きますよ!

  • 第1巻

    第1話

    ここは東京近郊のとある高級住宅地の一つにほぼ近いところである。そしてここは風光明媚なことでとりわけ人気の高い駿河台地区。北には小高い自然の山々が一望でき、またその周辺には新緑に満ち溢れた大小さまざな木々があちこちに見え隠れ、東から西へと目を動かすに従ってなだらかなスロープのある道路の白いガードレールがわずかに見ることもできる、そんなとても自然環境の良い、その上景観もみごとな場所である。そして地区のほぼ中央に位置するのがヨーロッパから取り入れ近代風に設計された駿河台公園。そしてそのすぐ前には6階建ての豪華な高層マンションが一際目立っている。そうこのマンションは周りの景観からみてもかなり異様なほど目立っているのだ。ここに母親と2人で住んでいるのが明星商事(株)の御曹司明星光である。顔は2枚目まではいかないが、そこそこモテるのは間違いなかった。そして今月から祖父が経営する花園学園大附属高校に入学することになったのである。

    今日は晴天に恵まれた清々しいそんな日和の入学式の当日、高校の門を次々とくぐる親子や教職員を気にもせずに1台のダークブルーのベンツが割り込むようにして入ってきた。やがてベンツは1階入り口の駐車場にゆっくりと止まり、そこから光と母親が召使2人に続いて車から降りてきた。母親はかなりの有名女優でこの近所でも知らない人はまずいないだろう。周りの人たちは一斉に彼女に注目する。勿論彼女の衣装はこの日だけの特注、年齢には似ても似つかぬピンクのワンピースにフリルが付いていてさらにサマンサタバサのラメの入った少し大きめのバッグ、グッチのブレスには何なのかわからないがとにかく宝石がちりばめられている。説明しだしたらきりが無いがその他いろいろなブランドに全身が包まれていた。そして母親は気取りながら会場となる講堂に向かってゆっくりとまるでお姫様のように歩いていた。その後を蝶ネクタイに紺のブレザー、少し大きめのスラックスを身にまとった光が周りを気にしながら、自らは全身固まりながらついて行く。さらに付き人が2人、左右にぴたりとくっ付いて歩いていたのである。

  • 翌日の授業初日。開始時間直前にイタリア製のグレーのブレザーを着た光がA1クラスにゆっくりと近づいていった。そして教室の扉をさーっと開けてみんなに向かって一言、
    光「よ!」
    本人はポーズも決まったと思ったようだ。が、一瞬クラスの生徒は彼を見たのだが、すぐに元の状態に戻り誰も彼の方を見ようとしなかった。同じクラスの生徒はまだそれぞれ名前も知らないはずだったが、光だけは皆に知られていた。
    夏美「おはよう光。」
    元気のいい声は黒木夏美だった。夏美はけっこうグラマーで将来モデルになりたいと思っていた。光は右手を上げながら、
    光「おお。」
    大きく返事をした。彼はやっとほっとした様子だった。夏美と同じ西園山中学の同級生軽辺マキが、
    マキ「夏美、光さんって超キザじゃない。」
    夏美「ほんと、調子乗ってんじゃないわよね。」
    2人がこそこそ話し出した。そこへ光が急に割り込んで来て、
    光「何々??何のお話かな?」
    2人はその場を察知して急に黙ってしまい、すぐにそれぞれ自分の席に戻った。しばらくざわついていた教室だったが、担任の教師が時間に10分ばかり遅れてようやく教室に入ってきた。するとすぐに教室の中は一転して静まりかえった。彼は真ん中の教壇に立つと、
    教師「おっほん・・・」
    彼は1、2度ばかり咳き込んでから、
    教師「えー今日からこのA1クラスの担任になった・・・」
    教師が黒板の中央に大きく名前を縦に書きながら、
    教師「山中良男です。」
    山中は右手で敬礼をするようなスタイルで挨拶をした。地味なダークグレーの背広に紺色の斜めの縞が入ったネクタイさらには黒の皮ベルト、かなり流行遅れのスタイルだった。
    山中「まだみんな顔も名前もわからないと思うので、昨日の入学式のときに撮ったクラスの集合写真をそこの横の壁に貼っておきますので、休み時間を使って、みんな早く覚えましょう。」
    そう言って山中は壁際にゆっくりと歩いて、そしてB4サイズの大きなクラスの集合写真を壁になじむようにしっかりと貼った。やがて教壇に戻った山中は両手を教壇の前側の左右の淵にそれぞれ置いて、それから自分の経歴やら、過去の担任したクラスの思い出やら長々と語り始めた。その話がようやく終わったのが40分後だった。
    山中「さて今日は教科書をもらって帰ってもらいます。まず受け取ったら全ての本に名前を記入してください。」

  • こうして教科書の配布が始まった。生徒は1人ずつ順番に前に来て1つの束になった教科書を勝手に受け取ってまた席に戻って行った。その間山中は教室の窓から外をじっと眺めていた。するとそこに高速で紙飛行機が矢のように飛んできて、山中の後頭部に直撃した。
    山中「いて!」
    クラスの皆は大爆笑した。紙飛行機は山中の真下に落ちた。彼はその紙飛行機を拾って、
    山中「おい、誰だこの紙飛行機を飛ばした奴は!!」
    教室の中が一瞬静まり返ったがやがて、
    吉永「オレだよ。」
    教室の一番後ろの席に座っていた吉永が答えた。吉永は右足を机に乗せてその足に右ひじを付きながら、さらに右の人差し指で耳の穴をいじりながら、山中の方を見ていた。
    山中は教壇に戻るとやがて、
    山中「君名前は?」
    吉永「吉永だよ、へっ!」
    このあとどうなるのか・・・まわりの生徒は皆吉永の様子をじっと伺っていた。
    山中「えー今からクラスの委員長を決めようかと思っていましたが、もう決まりました。吉永!。君だ!」
    吉永はすぐに席を立って、山中にすこしにらみをかける素振りで、
    吉永「おいおいおい。」
    山中「吉永、オレは『おいおい』じゃないぞ。ちゃんと名前がある。どこやらのスーパー丸井といっしょにしないでくれ。」
    数人の女子生徒が笑った。
    吉永「山中。」
    山中「呼び捨て・・・」
    吉永「なんでオレがよ、委員長をしなけりゃいけないんだよ。」
    吉永は目を光らせて言った。
    山中「その答えは、クラスの皆が一番先に君の名前を覚えたからだよ。」
    周りの生徒が笑い始めて少しざわついた。
    吉永「ふざけんなよ!」
    吉永は少し怒らしげに強く言い切ったのだが、山中はまったく気にせず、
    山中「はい、吉永を委員長に決めようと思うが、賛成の者は拍手で。」
    しばらくクラス中に拍手が大きく鳴り響いた。マキは自分の斜め前に座っていた光を見て、
    マキ「あれ?光さん教科書はないの?」
    光が振り返りながら、
    光「あ、オレんとこ今頃家に直接宅配で届いているよ。持って帰るのが面倒なんで。」
    夏美「信じられない・・・」
    マキと夏美は呆れていた。
    山中「あと、クラブを決めてもらうためにクラブ紹介のパンフレットを配ります。今日から以降昼休みや放課後などを利用していろいろ見学して、自分の希望するクラブを決めたら、そのクラブに1つ入ってください。なお入部に締め切りはありません。」

  • その後2限目はホームルームの時間になり、1人ずつ自己紹介をしていた。
    光「えーと、オレは明星光。趣味は芸術鑑賞・・・」
    吉永「どうせ裸婦専門じゃないの?」
    みんなが爆笑した。
    光「身長180センチ、靴のサイズは26、スポーツ万能、特に嫌いな科目はなし!以上!」
    >>靴のサイズいるかあ?
    マキが小声で夏美に、
    マキ「とんでもなく超キザだよね・・・」
    夏美「ほんと・・・」
    西城「僕は西城五郎。中学の時はバスケットボール部でした。好きな科目は数学と理科。保健と家庭科は嫌いです。」
    吉永「オレは吉永幸夫。勉強と先生は大嫌い。スポーツできない。好きなのはゲームと飯を食うことだけ。」
    夏美「私は黒木夏美です。中学の時はバレー部だったので高校もバレー部に入ります。好きな科目は体育と保健と家庭科です。」
    マキ「私は軽辺マキです。趣味はイラストを描くことです。嫌いな科目は体育です。高校では美術部に入ろうと思います。姓が呼びにくいのでマキって呼んでください。」
    ・・・・・・・
    そしてこの日の授業は終わった。生徒は皆蜘蛛の子を散らすような速さで帰って行ったのだった。

  • 翌日(授業2日目)のA1クラスの朝礼でクラスの副委員長にジャンケンで負けた夏美が決まった。
    夏美「あーあ、やってらんないわもう・・・」
    夏美は落ち着きがなく教室にいる間はずっとイライラしていた。
    マキ「ほんとよね、あいつとなんてまっぴらごめんよね。わかるわその気持ち。」
    確かに2人が嫌がるのは間違ってはいなかった。授業中はガムを噛みながら、そして教科書はまず開かない。掃除の時間には掃除もせずどこかに隠れてしまって現れない。クラスのほとんどがそんな吉永を嫌っていた。当然のことだが吉永が委員長の仕事をやることはなかった。夏美が1人でその全てをやっていた。そして放課後のお昼のことだった。たまたま放送室で夏美が資料の整理をしていたところに急に暇そうにしていた吉永が入ってきた。吉永は何も言わずにただ椅子にズッドンと腰掛けた。そしてしばらくそこにじっとしていた。そんな吉永を見ていた夏美は、
    夏美「ねえ、吉永君。」
    吉永「・・・」
    微動だともしない吉永。
    夏美「いいかげん委員長なんだから仕事してよね。」
    吉永「いいじゃねえか、夏美が全部やれるんだから。」
    夏美はムッとして、
    夏美「何で私だけやらないといけないのよ。少しぐらい手伝ってもいいんじゃないの。」
    吉永はまったく聞く耳をもたず上の空だった。
    夏美「それと呼び捨ては止めてよ。」
    夏美は強い口調で言った。
    吉永「じゃ何て呼べやいいんだ。」
    吉永も負けずと強い口調で返答した。
    夏美「・・・なっちゃんとか・・・」
    このとき夏美が横を向いたまま話したので、まさか自分の手が放送マイクのスイッチに触れていることにさえ気が付かなかった。
    吉永「なっちゃん!」
    吉永の声は普段からかなり大きめだった。よってマイクを通してその大きい声が校内放送で校庭中の隅々に響いた。
    夏美「そうよ。」
    吉永「なっちゃん~!!!」
    夏美「うるさいわよ!」
    夏美のボルテージは上がった。校庭ではあちこちで生徒たちの笑いが起こっていた。
    吉永「で今から何をするんだ?」
    夏美「この下を拭くから、この資料持っててよ。はい。」
    夏美は10センチくらいの厚みになっている資料を吉永に渡した。おもしろくなかったのか吉永は机の下にもぐって拭いている夏美のおしりに右足を少し当てた。
    夏美「きゃー!!!何すんのよエッチ!!」

  • 夏美の発狂は最高点に達した。これを聴いた教師3人が急いで放送室へ走って行った。そしてこの日から吉永と夏美の妙なうわさが学校中に広がっていったのである。

    翌日(授業3日目)のA1クラス。授業が始まる前、マキは昨日の放課後の事件を気にして夏美の席にやってきた。
    マキ「ちょっと夏美。」
    急いで来たマキの方に夏美は振り返って、
    夏美「何?」
    マキ「昨日の放課後のことさ、学校中に知れ渡っているよ。」
    夏美「いいのよもう。別に変な関係じゃないし。」
    夏美は大きくため息をついた。
    マキ「それが変な関係にとられているらしいよ。」
    夏美「あいつが私のおしりを触るからいけないのよ。」
    夏美の声が少し大きくなった。まわりのざわめきが急におさまった。そしてクラスの生徒たちが夏美に注目した。
    マキ「周りの男子の話では触ってない、足が当たっただけだって・・・」
    夏美「誰よそんな事言ってるのは?」
    光「オレ。」
    光が急に割り込んできた。
    夏美「光・・・」
    光は椅子に逆座りしながら、
    光「吉永本人がそう言ってるからさ。」
    夏美「いや、あれは絶対触った!」
    光「でも触った瞬間を見てないだろう。」
    夏美「後ろから触ったのよ。」
    光は首を左手でかく様にしながら、
    光「だからさ、後ろからだと触ったのか、当たったのかわからないじゃん。」
    マキ「確かに・・・」
    夏美「いや絶対触った!」
    夏美の声はさらに大きくなった。
    光「まったく頑固ババア。」
    夏美「何よ失礼ね!」
    光「声もでかいよ。」
    夏美「余計なお世話よ!」
    マキがやっぱりかと言わんばかりに途方にくれていた。このとき当事者の吉永の方はまったく気にせず週刊誌のコミックを読んでいた。それからというもの授業中でも吉永と夏美はちょいちょい目を合わせることが多くなったのだった。それからやたら休憩時間に光は隣のA2クラスに行く事が多かった。

  • 翌日(授業4日目)、夏美は普段自転車で通学していた。この日家を出る時は晴天だったが、途中東中野商店街を抜けて国道に差し掛かる頃急に雨が降ってきた。
    夏美「やばいよ。」
    夏美は今さら家まで戻りたくなかったので、そのままダッシュして国道を走っていた。そこに同じく傘をさして自転車で通りかかった吉永が、夏美を追い越して行った。追い越した吉永は100メートルほど先のところで傘を開いたまま後ろに投げて、さらに猛ダッシュで走っていった。
    夏美「ちょっと傘!!」
    夏美の声は雨の音に完全に消されていた。夏美は吉永の落とした傘をさして学校に向かった。そのおかげでたいして濡れることは無かった。
    Aクラスの1限目の授業が始まる直前に吉永が白の体操着で入ってきた。
    光「なんだあ?、吉永。体育は午後からだぜ。」
    吉永「別にいいじゃん。」
    吉永は光に軽く返事してさほど気にすることもなくさっさと自分の席に着いた。夏美は吉永の方をしばらく見ていたが、吉永はまったく見向きもせず雨の降る窓の外を眺めていた。
    放課後には雨がしっかり上がっていた。吉永は早く帰ろうと下駄箱に急いで行った。すると自分の傘が下駄箱横の傘置き場に見えた。そこでその傘を取ろうとした。傘は閉じてあったが、何か白いメモ紙がはさんであった。なんとなく吉永はそのメモを開いた。
    ―― ありがとう ――
    何の装飾もないノートのきれっ端の紙の中央にその一言が黒のゲルインクで書かれていただけだった。吉永はそのメモを丸めるや近くのゴミ箱に軽く投げ入れた。

    ----- 第1話  おわり -----

  • さしぶでございます。
    今月は駄目ですが近いうちに参加させていただきます。

    みっちー♪

  • 今回も
    新曲を持って行きます♪
    よろしく。
    と言っても今月じゃないんです。
    笑笑

  • 第2話

    翌週(授業5日目)のA1クラス。
    1限目は美術だった。生徒は全員美術室に移動して講義を受けていた。美術の講師は非常勤の鳥畑先生。
    小柄な体だが声はかなりでかい。黒のジャケットにグレーのズボンと何故か薄い紫の蝶ネクタイだが、何故か妙に似合っていた。
    鳥畑「始めまして、私が美術担当の鳥畑元気です。」
    光「なんだよ大声で・・・」
    鳥畑「そこの君、何か言ったか?」
    鳥畑は声のする光の方を指差した。
    光「いえ別になんでもありません。」
    鳥畑「今日はさっそくデッサンを皆に描いてもらいます。」
    鳥畑はケント紙を1人に1枚ずつ配って回った。そして題材を言ってからさっさと教室を出て行った。外から爽やかな風が少し吹いて教室の中に流れてきているのが、女子生徒の髪が時々ゆれるので感じ取れた。やがて30分程して鳥畑は教室に戻ってきた。
    鳥畑「どうかな、進んでいるかな・・・」
    そう言いながら教室の中をゆっくりと回って生徒のできばえを見て歩いた。やがて吉永の前に来たところで急に立ち止まった。吉永は絵を描くことが大嫌いだった。
    鳥畑「なんだ君は、全然描いてないね。」
    吉永「今考え中です。」
    他の生徒たちが急に笑い始めた。鳥畑は教壇の真横にある椅子に戻って座った。時の流れと共にしばらく沈黙が続き、結局吉永は何も描かず窓の外で鉄棒をやっているB2クラスの女生徒ばかり見ていた。やがて授業終了のチャイムが鳴り始めた。
    鳥畑「はい今日はここまで。なおできなかった者は宿題です。来週持って来て下さい。」
    やっぱり予想したとおり吉永だけが宿題になったのであった。

  • 2限目は権藤教師の数学だった。A2クラス担任の権藤博文教師は中肉中背の紺のスーツが似合うもっと若ければけっこうイケメンの紳士だった。
    権藤「では・・・教科書の16ページを開いてください。」
    生徒はそれぞれ教科書を開いた。
    権藤「今日は関数とグラフについてやります。君たちは中学で座標を勉強したと思いますが・・・」
    権藤が黒板に書き始めた。
    権藤「これがx、y座標ですね。」
    吉永「ちぇ、こんなもん将来何の役に立つんだぁ・・・」
    権藤「はい、そこの君!」
    権藤は吉永を指差して、
    吉永「何だあ・・・」
    権藤「何か言いましたね。あまり教師が聞きたくないような台詞を。」
    吉永「はあ・・・?知らんなあ・・・」
    数人の生徒が笑った。
    光「オレも思うよ。先生、こんな座標なんか将来何の役に立つんですか?」
    権藤「ま、どうだろ・・・この学校の生徒の1%も必要ないかなあ。」
    光「やっぱりね。じゃこんな授業意味無いじゃん。」
    吉永「そうだそうだ、意味のない事やって何になるんだあ・・・」
    権藤「まあ興味がないなら、別に真剣に授業を受けてもらわなくてもいいけど。」
    夏美「えー、先生。そんなんでいいんですか?」
    権藤「私が言いたい事は、座標の話を聞いて面白いって思う人はまずいないでしょう。興味の無いことは何でも面白くないものです。」
    吉永「ほうら、先生。わかってるじゃん。」
    権藤「じゃ、何故、教えているのかという疑問です。皆不思議に思いませんか?いろいろな科目がありますよね。ほとんど興味のない科目が多いと思いますが。」
    吉永「オレ全部だ。」
    生徒が皆笑った。
    夏美「先生、それだったらどうして必要の無い事を学校で教えるんですか?」
    権藤「うん、それは良い質問だ。」
    光「はあ~?」
    権藤「まあその説明をし始めると40分では足りないなあ。」
    生徒「聞きた~い!!」
    権藤「じゃ、次回に説明します。」
    生徒「えー、ずるいー!」

  • 3限目は小袋教師の社会だった。
    小袋「はい今日は2回目なので地図の見方を勉強しましょう。地図帳を開いてください。それと教科書も見てくださいね。」
    光「先生、前回もそう言いながら一度も教科書見なかったんですけど。」
    小袋「そうだったの?じゃあいいです。」
    夏美「なんだそれ・・・」
    夏美は小さな声でつぶやいた。
    小袋「えーと、この地図帳の真ん中の2つの地図ですが・・・あーと、ちょっと小さくて見にくいかな?」
    授業が始まり生徒はそれぞれ地図を探していた。
    西城「先生、教科書に同じ地図ありますよ。」
    小袋「え?どれどれ・・・あー、ほんとですね。教科書の方が大きいですね。」
    光「どっち見るんですか?」
    小袋「教科書の方がベターやね。」
    夏美「ベター??英語・・・」
    数人の笑い声がした。

    翌日(授業6日目)のA1クラス。1限目は権藤教師の数学だった。権藤は昨日と同じ紺のスーツで登場した。
    権藤「今日は昨日の続きをします。」
    そう言うと、教壇の上で教科書を開いて二、三度じっと眺めると、黒板に話しながら書き始めた。
    権藤は淡々と授業を進めてあっという間に授業が終わったのである。
    夏美「この授業いつも早く終わる気がする。」
    マキ「ほんと。まあ昨日は余興もあったけどね。」
    夏美とマキは向かい合わせになりながらニコニコしていた。
    光「先生、昨日の続きは?」
    権藤「続き・・・あ、ああ。君よく覚えていたね。」
    光「昨日の事ですよ。」
    権藤「今日朝のことすら忘れる人がいますから。」
    夏美「はあ??」
    マキ「私の事かな・・・」
    マキが小声でつぶやいた。
    権藤「今日は残念ながら時間がないので、また次回に説明しましょう。」
    光「またかい・・・」
    権藤が教壇に立って、生徒たちを一通り眺めた。
    権藤「最後に連絡です。来週は校内の競技大会があります。そのためいつものカリキュラムを少し変更して、しばらく体育が増えます。」
    吉永「やったあ!!」
    吉永の大きな叫び声が教室いっぱいに響いた。

  • その後吉永だけでなく他の生徒も似たような表情でそれぞれ小さく叫んでいた。それと同時に拍手があちこちで起こった。この日は2限目が体育の予定だったが、急遽2~4限目が体育に変更となった。体育は隣のA2クラスと合同になり、男子と女子が別れて授業を受けることになっていた。夏美とマキが女子更衣室に入っていった。
    夏美「マキは種目何にするの?」
    マキ「夏美は?」
    夏美「私は中学がバレーボール部だったから、バレーボールにする。」
    マキ「私バレーは下手だからなあ。」
    夏美「他に卓球、テニス、バスケットか。4種目から選ぶんだ。」
    マキ「やっぱ卓球が無難かなあ。」
    夏美「うんうん。私もそう思うけど。」
    夏美が軽くうなずいて言った。
    マキ「じゃ夏美、クラブもバレーに入るの?・・・あ!そう言えば自己紹介・・・」
    マキはこのとき自己紹介の日のことを思い出した。
    夏美「うん、そうしようかと考えてる。マキは?」
    マキ「私は美術部にする。」
    夏美「昨日の美術のデッサン、上手かったよね。」
    マキ「ほんとはイラストがいいんだ。アニメとかのさ。」
    夏美「へえー。」
    マキ「中学の時、けっこう描いていたから。」
    話ばかりしていた二人はようやく着替え始めた。
    夏美「3年からしか話したことなかったよね。」
    マキ「3年からは勉強に集中してたからね。いっしょに宿題やったよね。」
    夏美「そっか。じゃ、けっこう前から描いてたんだ。」
    マキ「うん、4、5冊あるよ。」
    夏美「今度見せてね。」
    マキ「いいよ。」
    体操服に着替えていたマキの腕が反対隣の女子生徒の腰に当たった。
    マキ「あっ、ごめんね。」
    麗子「いいよ。」
    しばらくはマキは麗子をじっと見ていた。けっこう美人でロンゲの鳥飼麗子だった。
    夏美とマキは更衣室を出て行った。
    マキ「あのさっきの子、けっこう綺麗ね。」
    夏美「うちのクラスじゃないからA2だよね。」
    マキ「かなり特徴のある顔だったわ。」
    夏美「確かに。」

  • 校内の競技大会の当日。空はけっこう晴れ渡って風もなく穏やかだった。生徒たちは全員グラウンドに集合していた。
    夏美「あー気持ち良い日。」
    夏美は大きく背伸びをして深呼吸をした。
    マキ「ほんと。」
    すると光がどこから来たのか急に割り込んできて、
    光「ほーんと。」
    夏美「何よ!」
    光「そんな大きな声を出さなくても・・・」
    夏美「あっちに行ってよ!」
    光は笑いながらスキップをして別の女子のグループの方へ去って行った。
    マキ「しかしここの高校って、男子のレベル低いよね。」
    夏美「これは裏情報だけどさ。内緒ね。」
    夏美が急に小さな声で話した。マキが夏美の顔にくっついた。
    夏美「ここの男子は寄付で入ってくるのが多いのよ。顔よりお金よ。」
    マキ「なるほどね。」
    マキは大きくため息をついた。

    夏美はバレーボールの試合に参加した。しかしA1クラスはチームワークがまるでなくレシーブもガタガタで呆気なく1回戦で敗退した。トーナメント方式だったのでその後はA1クラスは試合の参加が無くなってしまった。そこで多くの女子は男子のバレーボールを観戦することにした。一方球技が苦手なマキも1回戦で負けて、その後夏美のいるバレーボール観戦に加わった。各クラスのミニ応援団たちが威勢良く太鼓と笛で応援合戦をしていた。

    マキ「夏美。」
    夏美「あ、マキ。」
    マキ「あれぇ?、もう負けちゃったの。」
    夏美「だって、誰もレシーブに走らないしさ、顔を見せっこばかりしてさ、まるで他人事よ・・・、まったくチームワークさえないわ・・(^^;;)」
    マキ「私も1回戦でコールド負けしちゃった。」
    夏美「卓球はシングルなんだよね。」
    マキ「うん、でもやっぱ球技は苦手だわ。」
    夏美「観てるほうが楽でいいよね。」
    マキ「ほんとほんと。」
    2人は白熱する男子バレーを観ていた。

  • A1男子にはバレーボールの上手な背の高い西城がいた。
    マキ「ねえねえ、西城君。頑張っているじゃん。」
    夏美「ほんとだ。これはけっこういいところまでいくかもね。」
    マキはちょっと首をかしげるようにして、
    マキ「でもさ、彼って確かバスケ部だよね。」
    夏美「きっとスポーツ万能ってやつですか・・・」
    2人は試合が終わるまで周りの女子同様ずっとずっと西城を見続けていた。
    マキ「そうだ、友達から聞いたんだけどさ。西城君と光って仲が悪いみたいよ。」
    夏美「へえーそうなんだ。」
    マキ「光さんはあのとおりチョーキザでしょ、西城君は真面目だからさ。性格がまるっきり違うんだよね。」
    夏美「何となくわかる気がする。」
    マキ「でしょ。」
    A1クラスの男子バレーチームは2年のB1、B3クラスにもけっこう余裕で勝ち、3年のC1クラスとは最後まで接戦したが負けてしまった。といってもC1クラスにはバレー部が3人いたから負けても不思議ではなかったのだが。ついでだがバスケットボールの試合の方は光が参加したが、光のクラスはボールのパスもうまくいかず他のメンバーがまったく俊敏に動かなかったために相手にすぐボールを取られ、1点も取れずに1回戦でボロボロに負けてしまったのであった。

    さてバスケットボール部にはA1クラスから光と西城が入部していた。しかし西城は、キザで態度がでかい光が大嫌いだった。
    ところで光は高校では運動神経の良さを生かしてバスケットボール部に入ったのだが、もともと運動神経を良くしたのは小学校時代から通っているフィットネスジム、・・・もちろんこれも明星商事の経営だが・・・、ここで基礎トレーニングと水泳を毎週2回やっていたからであった。夏美は中学時代にバレーボール部に入っていたので、やはりバレーボール部に入部した。マキは美術部に入った。余計な事かもしれないのだが、吉永は応援団部に入った。


    第2話 終わり

  • 第3話

    夏には毎年恒例の花火大会が東中野商店街近くにある中野北公園で行われた。公園だけでは場所が狭いので、近くの中野神社の境内や広場も縁日や櫓に利用されていた。また公園がさほど広くなかったために、花火の打ち上げ場所は公園から北に2キロほど山よりにいったところで準備された。
    マキは同じ美術部でA2クラスの小柳昌子といっしょに最近流行のカラフルな浴衣姿で花火を見に来ていた。
    昌子「マキその浴衣可愛いね。」
    マキ「昌子も可愛いよ。来年は浴衣お揃いにしようか?」
    昌子「それもいいね。」
    マキ「ここは毎年人が増えていくように思うよね。ここ数年何かといろんなところでこの街の宣伝するようになってからなのかな?、そのせいで有名になったからだろうかな?」
    昌子「ほんと私もそう思うけど。中学違っていたから気づいてないけど、もしかして毎年ここで私たち出会っていたかもねきっと。」
    マキは内輪をゆっくりとあおりながら、
    マキ「そうだよね、世間は狭いもんだよね。」
    急に何やらやかましい一団がマキたちの近くにゆっくりと近づいていた。
    光「いえーい!いえーい!いえーい!おー!おー!おーーー!!」
    叫んでいるのは光だけだったが、あまりの大声だったので一緒に来ていた吉永にとっては迷惑千万だったようだ。
    吉永「お前と来るんじゃなかったよ、まったくもう・・・。」
    そんな吉永の言葉さえ気にしない光は、通り過ぎる女子中学生や高校生を見つけるたびに話しかけていた。
    光「ねえねえ、ちょっとそこのおねえさーん、可愛いねぇ。どこから来たのかな?」
    由紀子は急に鳥肌が立ったようで身震いしながら、
    由紀子「きゃー!きもい・・・」
    光「何それ、オレお化けじゃないよ。」
    >>お化けの方がましかも・・・
    由紀子のすぐ後ろの方から、
    めぐ「ちょっと、何カモってんのよ。私の妹よ!」
    光「ひやー!これはこれは・・・」
    そこにいたのは同じ高校のバレー部の2年生柏木めぐだった。
    めぐ「相手間違えてるんじゃないの?」
    光「失礼しました!」
    柏木姉妹は関わりたくなかったのでさっさと消えて行った。呆れているのは一緒に来た吉永だった。大好きな1リットル入りコーラをまた一気に飲み干していた。
    吉永「まったく・・・」
    そう言って、近くのゴミ箱にペットボトルを投げ捨てた。

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