ここから本文です

投稿コメント一覧 (97コメント)

  • サンタクロースになった少年

    フィンランドで製作された作品、絵本を原作としている。
    寒村で誕生したニコラス少年は、幼くして両親を事故で亡くして村人に養われるが不漁と不作で養い先を失う。そこで家具職人に引き取られ厳しい指導の中で一人前に育つ。

    クリスマスイヴには、幼少の頃から子供たちに手作り玩具を配る習慣があり、老齢になっても続けている。
    併しそれも終わりの時を迎えて来た、親しくしていた人からはニコラスが空をそりに乗って行く姿を捉える。

    絵本を原作としているだけに宗教色は一切なく、フィンランドのファンタジックなお話となっている。
    善人だけの登場でサンタクロースのイメージを連想させる物語で、地元フィンランドでは語り継がれているのかも知れない。

  • マイ・サンシャイン
    ロサンゼルスで1992年に起きた暴動を背景にしたドラマ。
    トルコ出身の女性監督に依るもので、黒人に対する様々な行動を取り上げている。
    米国での黒人差別ドラマは今まで数々映画化されていたが、この作品は暴動の内容をかなり突っ込んで表現している。
    4人の警察官に依る黒人男性への暴行事件は裁判の結果無罪となり、それが引き金になり暴動を引き起こして多くの犠牲者を出し社会問題化された。
    又数日後に起きた韓国女性に依る黒人女子への射殺事件も、輪をかけて拍車をかけた。

    この作品はその現象を生々しく捉え、実像も加えて迫力を増している。
    不幸な子供等を引き取り面倒を見ている女性の生活は穏やかであったが、この事件を契機に乱されてしまう。
    併し必死に子供を守り抜く姿勢を強調して描いている。女性監督ならではの演出と思う。カメラ描写もドキュメンタリータッチで迫力を感じさせる。

    差別に対する問題提起ではないが、弱者に対する課題を投げかけていると思う。
    オスカー俳優ハル・ペリー、007のダニエル・クレイグ共演で見ごたえある。

  • ヒンデンブルグ

    ナチ・ドイツが誇った飛行船の物語。
    1937年にドイツからアメリカに向かう大型飛行船は、世界中の注目の的となる出来事であった。ナチドイツの威信を高める機会でもあった。
    ドイツでは飛行船を数多く所有しており戦力として誇示していた。

    多くの客を乗せて飛行したが、米国ニュージャージー州で爆発事故を起こしてしまう。
    死傷者もかなりの数に及び、タイタニックの事故と同様二十世紀の大事件として扱われている。

    原因は不明で水素ガスに静電気が引火したのとされているが、本作品ではテロ説でナチ体制批判から来たものとしている。
    米国作品でその予測をしているが、ヒトラーは当時それを否定し更に飛行船の製作を以後禁止している。飛行船の終焉である。

    アカデミー賞・監督賞二度受賞のロバート・ワイズ監督、ジョージ・スコット主演。
    ラストの爆破シーンは当時実際に撮影されたもので迫るものがある。
    この様な作品はそれ以後観る事は出来ない。

  • 学校
    山田洋次監督作品は数多く観ているが、この作品には感動を覚えた。
    長年構想を温めていた様で、旧作ではあるが今でも違和感は感じられない。
    監督の代表作と言っても過言ではないと思う。

    幸福、教育と言った事を台詞の中に織り込み、社会風刺をも感じさせる。
    西田敏行教師を通して監督の思想が言葉になっているのを強く感じた。

    二文字の作品、家族、故郷、息子などに描かれている思想はこの作品に共通するもので、地方離れ、親子の乖離、教育現場などを痛感した。

    出演者も自然のままで演じているのが印象深い、西田、田中両者は特徴を生かした個性ある好演と言える。

  • 否定と肯定
    ナチによるホロコースト(ユダヤ人大量殺戮)は周知の事実として語り継がれている。
    英国歴史学者がその事件を否定した事で、米国歴史学者がそれを批判し法廷論争に持ち込まれる。否定論者は米国学者から名誉棄損されたとして法廷に持ち込み、英国で裁判が行われる。

    英国での裁判は、米国と異なり証拠固めを重点として証人喚問を行わない事から主人公の女性学者と英国弁護士とで内部対立する。
    論争は長引き判決までに途中経過で一喜一憂する。
    結末は否定側の証拠、論拠不十分として肯定側の勝訴となる。

    この様な裁判が行われた事は、日本での報道では余り見られず認識していなかった。
    フェイクニュースが話題となる現実からこの種の題材には興味を引かれる。
    原告・被告の対立、被告側(肯定者)内部の意見対立による不信感がクローズアップされる。

    事実に対する否定と肯定の難しさを痛感する。

  • ヒトラーに屈しなかった国王
    北欧の小国ノルウエーが舞台で実話に即した内容。

    二次大戦時ノルウエーはナチ・ドイツに侵攻され窮地に陥る。
    その過程でヒトラーはノルウエーに降伏を迫る、然も国王に直接交渉するように公使に命じる。
    決断までの3日間の状況、国王の心理状態を描いている。

    ノルウエーの国王はデンマーク皇室から招いており、国民総意で決めていた。
    国王の決断は、国の将来は国民総意で決める事であり密室で決まる事ではない、と独・公使に降伏を断る。
    例え国民の犠牲が伴なっても、民主主義を重んじる国の姿勢に力点が置かれたいる。

    製作国ノルウエーでは空前の興行成績を収めた様で、アカデミー賞外国語部門でノルウエー代表に選ばれている。
    二次大戦時のヨーロッパでは小国の恐怖は常にあり、デンマークでは草々にナチ・ドイツに降伏している。
    日常では政治に関係のない皇室が、窮地で表舞台に立たされたのであった。

  • クレオパトラ
    63年米国映画全盛時代の作品で、スペクタル巨編と言える。
    4時間に及ぶ長編で公開時には3時間に短縮されていた様である。

    歴史上興味のある所で改めて観賞したが、やはり間延びした感は否めずストーリーの平板さが戦闘シーンでカバーされている印象を受ける。
    製作費の巨額の割には興行成績も振るわず、当時失敗作と言われた様だ。
    20世紀フォックス社は経営危機と言われたが、「サウンドオブミュージック」の成績に助けられたと述懐している。

    俳優陣は、エリザベス・テーラー、リチャード・バートン、レックス・ハリソン他豪華な顔ぶれであるが総花的の感が否めない。
    マンキーウイッツ監督は数々の名作を残しているが、本作品は脚本も兼ねて力を入れていた様である。

    総じて感じたことは長すぎる程のストーリーではなくテンポも緩い、戦闘シーンは贅沢な印象を受けるが迫力に欠ける。
    映画製作に巨費をかけられる贅沢な時代であった。

  • 追伸
    題名は、「15時17分、パリ行き」と訂正します。

  • 15時17品、パリ行き
    2015年に実際に起きたテロ事件を題材にしている。
    列車内で乱射事件が起き乗り合わせたアメリカ青年3人が犯人を取り押さえ、被害の拡大を防いだ。
    名匠クリント・イーストウッド監督が、この一時の出来事をどの様に表現するかに興味を持った。
    何と、主人公の3人は俳優を使わずに本人達に出演させると言う快挙に出た。これはイーストウッドならではの才を見せた。
    観ている方もさして違和感はなく自然に観れたが、事件までの展開は盛り上がりもなく本人達が観光に費やす淡々とした内容で少々間延びを感じた。
    併し監督の狙いはここにあり、幼少の頃の駄目人間、平凡な目立たない人物描写をしてラスト近くの事件に遭遇させる。

    この時に取った彼ら3人の行動は勇気あるもので協力して犯人に立ち向かう姿勢が強調されている。
    誰でもこの様な事件に遭遇したらどうするかを問うている様に思える。
    テロ事件が各地で見られる現状を踏まえて、イーストウッドは製作に踏み切る決断をしたのであろう。
    老いても尚健在と言え喜ばしいことである。

  • ワーテルロー
    ベルギーにあるワーテルローで、ナポレオンと英国ウエリントン卿とが戦った事で有名である。ナポレオン最後の戦争であり、連合国が侵略を防いだ砦として語り継がれている。本作品は戦闘シーンが主体であり70年公開であるが、当時はCGもなく生の映像が楽しめる。 旧ソ連軍の協力で20万と言われる軍隊が双方の軍に分かれてエキストラ出演している。
    現代の戦闘シーンと異なる印象は絵画的なところにあり、残虐性はなく色彩の美しさに惹かれる。

    ナポレオンは皇帝となり数々の戦歴があるが、その後に敗戦を味わう事になり島流しの刑を受ける。併し脱出に成功しパリに凱旋帰還する。
    周辺諸国は反ナポレオンで結集しており、遂にワーテルローでの決戦となる。
    英国軍には勝利するが連合国プロイセンに敗れその命運は絶たれる。

    ロッド・スタイガー、クリストファー・プラマー他多国の俳優が出演している。
    イタリア、ソ連の合作作品。

  • リバー・ランズ・スルー・イット A river runs through iti
    ロバート・レッドフォード監督作品、原題そのままで公開されている。
    監督として「普通の人々」でアカデミー監督賞を受賞した後の作品で、自伝小説を基に映画化されている。

    モンタナの自然がアカデミー撮影賞を受賞した程の美しさとなって背景を支えている。
    フライフィッシングと言う釣りの手法が自然美と調和しており、親子の対話もその中で絆として描かれている。

    兄弟は性格も異なり成長した後それぞれの道を歩むが、お互いを見つめた生活を送っている。兄弟愛と言ったものが自然に溶け込んでいる。
    ストーリーとしては平板だが、家族の繋がりをテーマにした内容となっている。
    この様な作品は少ないが、観る方にとっては安らぎを与えてくれるものと思う。
    川は時が変わっても流れは何時もの如くに流れると言う題名だろう。

    ブラッド・ピットがこの作品で認められスターへの道を歩む事になる、みずみずしさを感じさせる。

  • ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書
    米国国防省の機密文書を巡ってのメディアとニクソン政権との確執が中心になっている。 スティーブン・スピルバーグ監督、メリル・ストリーブ、トム・ハンクス主演。

    機密文書は時のマクナマラ国防長官が後世の参考にする為、ベトナム戦争に関し4代に亘る大統領政権時の記録を纏めさせた。機密文書として保管されていたもの。
    それが記録関係者からニューヨークタイムスに漏洩され掲載された。ライバルのワシントンポストは先を越された事で入手に焦る。

    ポストは社長の急死により夫人(ストリープ)が後を継いでいるが、役員からは軽視されている。編集長(ハンクス)は夫人とのコミュニケーションはあるが、意見の違いがある。
    タイムスはニクソン政権からの提訴で地裁から掲載禁止令を受けている、これは米国近代史上初めての事の様だ。
    ポストはその後機密文書を入手、掲載に踏み切るか決断の時が来る。掲載すればタイムスの二の舞になり、法律違反として会社は存亡に係わる可能性がある。
    ストリープは自身の立場を決断し、掲載に踏み切る決済を下す。最高裁で政権との法廷闘争に踏み切る。

    結局最高裁の判決は、6対3でメディア(ポスト、タイムス)の勝訴になる。
    判事の言、「自由で抑制のないプレスのみが政府の欺瞞を暴露出来る」。
    現在米国でのフェイク騒動、国内での森友文書、日報問題など身近に感じられる。

    ストリープの感情変化の演技は流石で、ハンクスの編集長振りも熱のこもった演技でオスカー俳優の実力振りを見せる。スピルバーグ監督の冴えも随所に見られる。
    ラストのウオーターゲート事件を思わせる幕切れが暗示的である。

  • ユダヤ人を救った動物園、アントニーナが愛した命
    二次大戦下ナチに占領され迫害されたポーランドでの実話。
    ナチからユダヤ人を救う為に身を盾にして実行し、動物園経営の夫婦が300人の命を助けた実話に基づく。

    占領下の動物園は希少動物以外は全て殺される惨状にあった。
    動物園を経営する夫婦は、ユダヤ人を救う為に地下室を隠れ場所としてゲットーにいるユダヤ人を運び出す。その方法は養豚の餌用の生ごみに人を匿い、動物園まで輸送すると言う危険な行為であった。
    万が一露見すると殺害されるのは明らかで、その網を上手く逃れて来たと思う。

    主人公の夫人は動物を愛する優しい性格で、救われたユダヤ人達の後日談もその印象が強かったと言われている。
    ナチに関する後日談、隠された逸話が多くあるが、当事者の勇気には感動を覚える。

    戦時下で上野動物園も、動物たちの殺害を余儀なくさせられた当事者の苦痛を思い起こしてしまう。
    首都ワルシャワでは動物園が現存している。

  • 北の桜守
    吉永小百合120本目の記念作品。
    「北の零年」「北のカナリアたち」と三部作と言われている。
    戦時の樺太から北海道への苦難の道筋を辿って来た親子の物語で、吉永の演技を中心に
    展開される。
    老年に至り認知症を患い、事業で成功を収めた息子・堺雅人との対話が後半主体を占める。回想シーンを混じえがら戦後の生活の厳しさを描いている。

    北の生活の過酷さが繰り返し強調され、実感として迫るものがある。
    只気になるのは、途中の寸劇によりそれまでの印象が覚めるのは残念である。
    ストーリーの展開に必要な要素であったのか。

    吉永小百合映画の印象で、他の出演者(贅沢な)の印象はさほど感じられない。
    製作意図もその辺にあったのかも知れない。

  • 早春
    小津安二郎は日本映画界を代表する監督で特徴として俳優の常連があるが、本作品には原節子が出演していない稀なケースと言える。
    テーマガ従来の小津調と違う所からの選択かも知れない。

    戦後11年に製作され当時のサラリーマンの悲哀さを描いているが、その中で主人公の不倫も取り上げている。併し女性サイドの心理描写は充分とは言えないが、これが小津調なのかも知れない。

    高度成長期に入る前の停滞期にある世相が背景で、やるせない感情がサラリーマン達を通して描かれている。
    戦友達の懇親の場面での会話も切ない気分を感じさせ、小津自身経験からの投影であろう。

    ストーリーは、子供を幼くして病気で亡くした夫婦の倦怠期が主体で、夫の女性との過ちから来る危機をどう乗り越えるかに焦点が絞られて来る。「会社は頼りにならないが妻は唯一頼りになる存在」と先輩から言われ解決の糸口となる。夫婦の和解から再出発を転任先の岡山・三石で誓い合う。 小津監督らしい結末と言える。

    池辺良、岸恵子は小津作品初出演・唯一の作品でもある。淡島千景、笠智衆、高橋貞二、杉村春子など常連も出揃っている。

    三石の工場は仕事の関係で懐かしく思い出されます。

  • 天国と地獄
    黒澤作品で後期に当たるもので、誘拐事件を題材に推理劇の仕立てとなっている。
    この作品の興行成績は良かったが、上映後誘拐事件が度々あり上映を一時見合わせる事も当時あった様だ。

    俯瞰と仰角と言う構図から犯罪の動機を設定してテーマに繋げている。誘拐されたのは高台に住居を構える経営者の息子でなく、間違えて運転手の息子と言う設定が経営者主人公の心理的葛藤に繋げている。

    身代金の受け渡し場所が電車の窓からと言うアイデアも面白い、事前に電車の関係者にヒヤリングを重ねていて一時スタッフが誤解されたと言う逸話もある。

    前半は三船扮する経営者の置かれた環境、葛藤が主体で、後半は仲代達矢扮する警部の推理追跡劇が主体になって行く。

    現在は刑事もの、推理ものが映画テレビで満杯状態だが、上映当時はそれ程でなく観客層の関心も強かった。併し構成は見事でさすが黒澤と思わせる。
    ラストの面会室のシャッターの降ろし方は暗示的で余韻を与えている。
    製作の動機は誘拐罪の刑の軽さを批判して、と黒澤は述べている、

    三船、仲代、山崎三者の演技が抜きん出ているが、脇役は見事な顔ぶれで邦画の一時代を作った方々である。

  • 昨年末の監督契約更新3年が効いてるね、向こう2年はこのままが続くと言う事。傍観するしかない。

  • 最下位でもお客さん多いね、昔は成績が悪く秋になると外野は閑古鳥だった。今のファンを大事にしないとね、球団各位!

  • 阪神ファンの懐の広さを感じる、甲子園何時も満席。

  • 隠し砦の三悪人
    黒澤作品の娯楽時代劇ではスリル、サスペンス、ユーモアを盛り込んだ傑作と言える。
    何度見ても飽きない作品はあるが、これはまさにその一つと言える。

    エピソードが多いのは黒澤作品の特徴であるが、ジョージ・ルーカスの「スターウオーズ」での主人公は、この作品の百姓二人をモデルにしている。
    撮影日数は200日と現在では考えられない期間を使っている、黒澤でなくては出来ない事であった。製作責任者は辞表を書いたと言う話もある。
    姫役・上原美佐はずぶの素人でスタッフがスカウトしたが、4000人もの応募があっても合格者がいなかったと言うから驚きである。黒澤自身が演技指導をした様だ。

    舞台は戦国の世で、領地を追われた姫と侍大将が財宝を守り同盟の地へ逃れる経緯で、百姓二人がユーモラスにその役割を果たす。
    窮地に何度も遭遇するが、見事に策をもって逃れるアイデアは面白い。

    三船の勇壮さは馬上で刀を両手に構えて敵を追うシーンで、後の語り草になったと聞く、スタント・マンを使わずに本人自身が行った迫力を感じる。
    藤田進は要所のシーンで登場し存在感を示したいる、黒澤処女作「姿三四郎」主役を務めた間柄だ。
    藤原鎌足、千秋実は黒澤一家の名優で、この作品でも得難い演技ぶりを見せる。

    四人の有名脚本家の共作で、良き時代の映画製作を思わせる。
    名作には時は関係ないと言うことを痛感する。

本文はここまでです このページの先頭へ