-
No.167
映し出されたものに
2012/11/29 20:46
>>No. 1
時折吹く風がある
風景は心優しくその周りにあり
私はそれを見ていた
それは
セピア色に変わるには
まだ日が浅くて
温みさえ語れる位鮮やかだ
朝露が渇く前の道端で
何一つ動かない時の中で
決めなければならないことを見ていた
凝視しても見えない一点を朝陽は照らし
時は忙しなく廻りはじめる
懐かしい絵に巡り合わせてくれるのは
今、抜けて行った風かもしれない
杏さん、懐かしい映像でしたね^^
昔のアルバムを見せても、
息子は茶化すだけですが、
確かに自分はそうだったのだと背景が語ります^^;
戻れないから今があるのだと、
歩いて来たからだと^^
色あせることはないですね^^
星(☆ -
No.169
銀座
2012/12/09 22:10
>>No. 1
あまりにも眩しい道をわざとゆっくりと
歩いていた
このかけがえのない綺麗な時代を大切に誇りたい
君が言った
まるで人生の長尺を行き着いて戻って来たような君が、
大人に見えた
私はどうだったのか
恐らく臆病にそろりそろりと階段を降りるように、
歩いていたのではないか
かけ上がる君の下で
銀座の和光で大人びたバックを買った
今、それが似合う人になっているのだろうか
大好きな色は茶
思いもよらない変化が、
錆びもせず長い時間を撫でながら生まれて行く
それは
実は心地好い移ろいである
君はどうしていますか?
杏さん、長く銀座には行っていませんね。
大人の街で眩しい限りでした^^
星(☆ -
No.257
《あるひとつの形》前
2012/12/25 01:30
>>No. 1
まだきちんとした形も創れず、さ迷っていた。
彼女はあの頃、ある一人の女性の形のない自由の後を追った。
その人には、デザイナー仲間が沢山いて、休日にはアウトドアやスポーツにいそしむ時間を持ち、
週末は、集う店があった。
お酒も飲めないのに、大人びた会話を彼女は好んで聴く。
そこには愚痴もなく、
道を説くものもない。
彼等は、日常の一時の瞬間を共にしていた。
そして、良い表情で酒を飲んでいた。
群れではなく、人が行き交う場に、
流れる空気を吸いにくる人の時間だった。
それぞれの背負う荷物をそっと置き、
その荷物の重さを知る人達が、
互いに量りもせず、
流れの一時に身を置く。
それを何と呼ぶのか、
解りもしないまま、
彼女は優しい人達の流れにいたのだ。 -
No.258
《あるひとつの形》後
2012/12/25 01:54
>>No. 1
あの日、何時ものように彼女はその人に連れられて、
彼等の仲間の流れに紛れていた。
男性が店の包丁を砥ぎ出し、
誰もがその音を聞いていた時、
その人はそっと彼女に呟いた。
「ね、この人こういうことしている時、本当に良い顔するでしょ?」
砥いでいる人は、新聞社の気難しい記者だった。
少なくとも、彼女にはそんな顔を見せていた。
勿論、昼間に見せる表情だが。
その人の言葉通り、彼は何とも穏やかな良い表情で砥でいた。
荷物を置いた場所に思いも馳せず、
この瞬間を悠々と泳いでいるような、
そんな顔だった。
人の形とは、こんなこんなふうに作られて行くのだろう。
狭いカウンターだけの店で、
彼女もまた、一時の流れを気持ち良く泳いでいた。 -
No.173
凍らない雫
2012/12/29 01:13
>>No. 1
凍らない冷たい河を、流れて行く木の葉を見つけた。
冬は好きだ。
甘えたようなこの地でも、
崖道に挑むように強ばった頬の朝もあった。
遠ざかる傷みは、
その色を深く染めていくね。
でも、綺麗だと思う。
枯れいくもの達を撫でながら、
芽吹く命を抱きしめれば良いと、
凍らない雨が君に落ちる。
冷たい朝、君の音にならない言葉が、
白くなり慌てて消えた。
隣には私が確かにいて、
君の消えた息を忘れないと、そう思えた朝だった。
杏さん、こちらこそ本当にありがとうございました( v^-゚)♪
良いお年をお迎え下さいね♪
そして、新しい年もよろしくお願いしますm(__)m。
星(☆ -
No.175
旅立ち
2013/01/02 14:24
>>No. 1
戻るところをまだ失っていない君が旅立つのはいつだろう?
生を送り出したという不遜はなく、
君が私の傍らに仔犬のように横たわった瞬間に、
私は涙した。
涙の意味は重なり、
ありがとうと眠る君に伝えた日々。
君は私を母と呼び、
何も責めず私と歩む。
私を見下ろす君の瞳は、
あの日の君のそれではなく、
綺麗に開かれている。
間もなく旅立ち、
それぞれの生を生きるのだろう。
君にまた伝えたくなった。
更に重ねられた言葉を。
杏さん、こちらこそ今年もよろしくお願いしますm(__)m
お正月って、良いですね。
ラグビーを見ながら暫しのんびりしていますよ^^
星(☆ -
No.259
《年の始めに届く文》
2013/01/05 15:17
>>No. 1
慌ただしい年の瀬に、年明けが重ねられた。
もう何年も繰返される。
夜、郵便受けを開けて文の束を手に家に入る。
文…薄い葉書ではあるが、時の流れと、
そこに留まったままの過去がある。
もう長年逢わない時を各々重ね、
量れない出来事を踏みながら、
人は繋がって行けるのだろう。
齢八十になりました…そうしたためてくださったのは、
かつての上司だ。
退官前の新入社員を忘れもせずに、
欠かさず届く文。
繋がりは逢わずとも、
こんな形で粛々と続く。 -
No.177
ふと雪かと…
2013/01/13 21:20
>>No. 1
アオサギの羽根に似た空を見上げ
雪?と君が呟いた
今年は風に乗ったすすきのような雪を、
確か一度見たきりだ
首もとが寂しくなる秋口から、
君がこうして雪を待つ
何時からだ?
多分、本当の寂しさを伝える人がいなくなってからだろう
寂しさを抱える君の癖は、
もう誰も知らない
本当の雪が音を止めて、
君が身じろぎもせず立ち尽くしても、
君が雪に語る胸の内側を、
僕は聴くことは出来ない
静かな悲しみが降る場所で、
君は少しだけ笑って見せるのかな
時の狭間に隠れて泣きながら
杏さん、出来れば何時も笑っていたいですね。
人の前では…そうありたいと思います。
星(☆ -
No.260
《どんな形にも変われる水》
2013/01/13 21:58
>>No. 1
手に掬い、こぼれる水を見ている
こんなに綺麗で、
緻密な粒子が繋がり、
そして離れながら、
流れていける自由を手に、
その形は一時も定まらず、
貴女の身体に留まった。
知らなかった。
水を欲するという病を。
貴女は随分と明るくなって、
杖すらつかずに歩けるようになっていたから。
気付けもしなかった。
貴女の血が薄くなって、
貴女を蝕んでいることを、
私は見ることも出来ずに、
横たわる貴女を見ている。
貴女も見ていないのね。
貴女をそんなに苦しめるものの姿を。
だからこそ、こんなに清らかな水を欲して、
貴女を満たしたかったのでしょう。
大丈夫、貴女を満たすものは他に見つけましょう。
きっと、見つかるから。
星(☆ -
No.179
雪のない冬に
2013/01/23 23:16
>>No. 1
寒々とした空はグレーで、所々に青が慰める。
泣きたいのに泣けない女の子が、
玄関の扉を開ける前に、
少し笑って見せる。
そんな健気さに似て、その肩を抱いてあげたくなる。
そんな鉛色の空を見上げながら、
日本海は今朝も畝っているのだろうか?
波の角を立てながら、
思いきり泣けているだろうか?
荒々しくも、思いの丈を表しながら。
羨ましさを隠し持ち、
穏やかに凪いでいる瀬戸内の海を見る。
春の気配がほんの少ししたようで、
空と海の境目をぼんやり見つめた。
杏さん、素敵な詩を紹介して下さって有難うございます。
こちらは雪が積りませんね、風花が舞うくらいです、少し淋しい…が本音ですね^^
星(☆ -
No.261
《ランナ-ズハイ》
2013/01/27 12:56
>>No. 1
「なぜ走るの?」
彼女が聞く。
「走らないと、忘れ物をしたようで。」
朝4時家の玄関を出る。
勿論ひとり、暗闇に人通りはない。
その人は駆けていく。
その人は家で仕事をしていた。
朝、主人を送り出し、子供達が学校に行く。
自分の時間を組み立てながら、
何時も完璧に見えた。
走り始め、
その人の世界は広くなって行く。
「朝、家族が出ていくと帰るまで誰とも話していないことに気付くの。」
そう呟いた。
自宅で巧みに時間を交錯させながら、
ひとりだった。
走るのもまたひとりだ。
しかし、外に向かうその人が輝く。
朝陽がまだ眠っている町で、そこだけが暖かい。
彼女はそんな朝を目を閉じて見ていた。 -
No.181
まだ硬い 間もなくやっ…
2013/02/02 10:40
>>No. 1
まだ硬い
間もなくやって来る春の陽を
心躍らせ待ちながら
じっと閉じる
いつしか和らいだ外を感じ
そっと開く
それは驚くほどゆっくりとはにかみながら、
しかし渾身の勇気を携えて現れるのだろう
薄い薄い花びらは融けてしまいそうに光を浴びる
眩しくて、嬉しくて、
力が充ちて一気に開く
輝きはその花びらを捉え
輪郭さえもとろけるひかりの世界が
あなたを包む
短くも清らかなあなたの生を
あなたは生きる
私は目眩を覚えながら、
あなたに見いる
杏さん、こちらは暖かい日が続きますが朝夕は冷えます。
ご自愛下さいますように♪
星(☆ -
No.14530
こんばんは(☆∀☆)
2013/02/03 20:57
>>No. 1
沙羅人さん、咲沙さん、ふねさん、皆さん今晩は。
>掘り返し隠露なる生を啄みし鳥の営み四季折々に
沙羅人さん、またまたお詫び致します。
露なる(あらわなる)と記したつもりでした;
あらわなる…これも可笑しな表現でしたね;
掘り返し陽に晒された生啄みし鳥たちもまた命繋げし
沙羅人さんの、腸という表現は目から鱗が落ちる思いでした。
晒された簾の色や昼下り春待つ我にひかり溢して
星
名前をひとつに致しました。m(__)m
星(☆ -
No.394
二月
2013/02/03 22:05
-
No.14535
こんばんは(☆∀☆)
2013/02/04 22:21
>>No. 1
沙羅人さん、咲沙さん、ふねさん、皆さん今晩は。
沙羅人さん、ご指摘ありがとうございます。
溢れて…です;
こちらは、ノロウィルスは治まり、インフルエンザが流行っています。
加湿器が欠かせないのですよ;
どうか、ご自愛下さいますように。
枇杷の花ほっこり咲きし雨の朝水仙の香を足元に敷き
星
ふねさん、ブログの更新が出来ずにおります;
ご訪問いただきまして恐縮致します。
星(☆ -
No.4809
冬の海
2013/02/04 22:29

《キッチンに溢れる陽の中で》
2012/11/25 09:23
ひとは食べたもので出来ている
そのとおりだ
大根を切る
瑞々しく白さを誇るこの食材が
魔法のように美味しくなっていく過程を見る
「何が出来るの?」
「まぁ見てて」
そんな母の声がした
それは、たくさんの涙を隠しもせずに、私が彼女の前で流した朝であったりした
魚の背に卵黄を刷毛で塗りながら
または合わせ酢を作りながら
うどんを打ちながら
彼女の悲しい涙を見たことがなかった
私は時々泣いたというのに
おさげ髪をエプロンの肩に垂らして
彼女は台所に立つ
子を産み
彼女の包丁の音は更にリズミカルになる
そんな日にも
泣きたい夜にも
蛇口からは澄んだ水が迸り落ちたのだろう
星(☆