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街中の貴金属買い取り商でも金とプラチナの価格は提示しても、パラジウムの価格を提示している所は殆どなく、パラジウムの宝飾品を持っている人も意識していないことの方が多いかもしれない。

今や「4つの貴金属で最も高額なのがパラジウム」という時代が近づきつつある。

冒頭の問い掛けであれば、現時点では金を選択するのが正解である。しかし、ドル高の影響で金価格の低迷状態が続く一方、パラジウム価格の高騰が続く中、もしかしたら2019年中にもパラジウムを選択するのが正解になりそうな状況になっている。

■供給不足が深刻化しているパラジウム

円相場の影響を受けないNYパラジウム先物相場でみると、11月15日の取引で過去最高値を更新している。米中貿易戦争の影響もあって8月16日には1オンス=815.20ドルまで値下がりしていたのが、11月15日には一時1,161.50ドルまで値上がりしている。

背景にあるのは、需給ひっ迫化に対する極めて高いレベルの警戒感である。世界的に自動車排ガス規制の強化が進み、しかもディーゼル車の不正問題でプラチナよりパラジウムへの依存度の高いガソリン車のシェアが回復する中、パラジウムの需要は急増している。今年は1,029.7万オンスが予想されているが、これは5年前の2013年の908.9万オンスと比較すると13.3%の急増である。

一方、その間に鉱山生産は646.8万オンスから665.3万オンスまで2.9%しか増加していない。スクラップ供給が増えているため、総供給量だと823.8万オンスから896.9万オンスまで8.9%増加しているが、需要の伸びに対応しきれていない。もはや供給不足状態が当たり前の状態になっている。

本来であれば大規模な増産を進めるべきだが、パラジウムと同時に産出されるプラチナや非鉄金属相場などの低迷もあって、パラジウム相場が高騰してもなかなか増産圧力が強まらない。一方、世界経済の成長と連動して需要は着実に伸びており、来年、再来年と供給不足の量は逆に拡大する見通しになっている。

しかも、近年は米国とロシアとの関係悪化でロシアからの供給が大きく落ち込む可能性まで警戒されており、パラジウムの現物調達が難しくなっている。米国がロシアに対する制裁をちらつかせただけでアルミとパラジウムが急騰した例もある。