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日経平均株価【998407】の掲示板 2018/12/11

中国がカギを握るパラジウムとプラチナ
 世界全体に占める中国のパラジウム消費量は26.3%、プラチナ消費量は25.8%です(2017年時点)。
 パラジウムもプラチナも、世界消費の4分の1以上を中国が占めていることになります。このため、中国の消費動向が非常に需要になってきます。中国では、自動車排ガス浄化装置向けでパラジウムの消費が増加傾向、宝飾品向けのプラチナ消費が減少傾向にあります。

 中国におけるプラチナの宝飾品向け消費はこの5年間で23.1トン減少しましたが、これは2017年の全体の消費量のおよそ1割に相当します。逆にパラジウムは21.2トン増加しました。
 この点は、最近の価格動向における「弱いプラチナ、強いパラジウム」の動向と合致します。
 また、欧州の自動車排ガス浄化装置向けのプラチナ消費の動向もたびたび話題になります。

出所:JM社のデータより
浄化装置向けのプラチナ消費は頭打ち状態にあり、また、JM社の見通しによれば、2018年に増加傾向にあるパラジウムの消費量を下回るとされています。この点も「強いパラジウム、弱いプラチナ」に関わる重要な点です。
プラチナは、排ガスを浄化する触媒作用ある、化学的に安定している、融点が高いなどの特徴をもっているすぐれた貴金属です。そのため、宝飾品だけでなく、自動車、電子部品や化学、医療など、幅広い分野で使われ、21世紀の産業に欠かせない貴金属と言われています。

 ただ、中国での宝飾向け消費が減少していることは、プラチナ全体の消費減少、価格低迷の大きな要因になっているとみられます(パラジウムのように自動車や工業向けがメインであれば、このような事態は防げたのかもしれません……)。宝飾品にも工業品にも用いられる万能選手だからこそ、悩める事態になっていると言えます。

 欧州での自動車排ガス浄化装置向け、そして中国での宝飾品向け消費の復活が、弱いプラチナにおいて望まれるところですw