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(株)フィックスターズ【3687】の掲示板 〜2015/04/15

NAND型フラッシュメモリの問題を解決する多層化

この問題を解決する手段として最有力視されているのが、これまで1層の二次元的な回路配置であったシリコンチップ上に何層もの半導体回路層を重ねて形成する、多層化技術による三次元NAND型フラッシュメモリへの移行です。
これ以上の平面的な密度向上がデータ保存の信頼性や読み書きの安定性を損ねるのならば、平面的な密度を十分信頼できるレベルに留めておいて、これを多層化することで結果として1チップあたりの容量を増大させよう、というのです。
この三次元NAND型フラッシュメモリの開発自体は結構前から始まっていて、例えば東芝は2007年には既にこの方式のフラッシュメモリに必要となる技術を開発したことを公表していました。
この時期には従来通りの二次元配置のNAND型フラッシュメモリでも十分経済的なレベルで製造プロセスのシュリンクが進んでいて、コスト的に高くつく三次元NAND型フラッシュメモリは、各社で研究そのものは続けられていたものの製品化は行われませんでした。
実際の三次元NAND型フラッシュメモリの製品化では、2013年の韓国サムスン電子がV-NANDと銘打って製品化した物が先陣を切る形になりました。
このサムスン電子による三次元NAND型フラッシュメモリはなかなか層数の増加や製造歩留まりの改善が進まないらしく、爆発的な普及を見るには至っていません。
そんな状況下、このほど東芝・SanDiskとIntel・MicronのNAND型フラッシュメモリメーカー大手2陣営が、相次いで三次元NAND型フラッシュメモリの製品化(サンプル出荷)を開始したことを発表しました。
今回はこの2グループの製品を中心に、三次元NAND型フラッシュメモリについて考えてみたいと思います。
東芝・SanDiskとIntel・Micronの新チップ概要
東芝・SanDiskとIntel・Micronの発表した三次元NAND型フラッシュメモリは、それぞれ以下のような特徴を備えています。
○東芝・SanDisk
 方式:MLC(2値/セル)
 層数:48
 容量:16GB(128ギガビット)
○Intel・Micron
 方式:MLC(2値/セル)/TLC(3値/セル)
 層数:32
 容量:32GB(256ギガビット:MLC)/48GB(384ギガビット:TLC)