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>>955

だが時間的猶予は日に日に失われている。JDIの現預金は18年12月末時点で543億円。今期に550億円を調達したが、18年3月末に比べて265億円減った。スマホの年末商戦に向けた需要期に備え、6月ごろまでに数百億円規模の部材調達費が必要とみられる。各国の独禁法審査などの手続きをそれまでに終えて資金を確保するには、中台の企業連合との年度内の合意がめどとなる。

だが中台連合との交渉は険しい道のりだ。出資額などの条件や出資後の事業計画はなお隔たりがあるもようで調整が続いている。JDIは年度内の合意を目指すが破談しかねない。韓国に続き中国のメーカーも有機ELパネルの量産を進めており、「量産実績のないJDIに技術の優位性は薄い」(ディスプレー業界アナリスト)と厳しい見方もある。

米中が貿易戦争を繰り広げるなか、当事者同士が合意しても実現に至らない可能性もある。16年には中国投資会社による独半導体装置メーカーの買収が対米外国投資委員会(CFIUS)の反対で断念に追い込まれた。

厳しい資金繰りを考えれば、今回の交渉はJDIにとって「最後のチャンス」となりかねない。筆頭株主の官民ファンドINCJ(旧産業革新機構)や日本政府の意向次第で「法的整理というシナリオも否定できない」(関係者)との声までささやかれ始めた。JDIは「INCJとも連携しながら複数社と交渉を継続している」(月崎社長)とするが、「日の丸液晶」の先行きは混迷の様相を深めている。