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過去記事だけど知らない方の為に…
さーおやすみなさい!!

在宅・遠隔医療モニタリング機器(網膜疾患)
在宅・遠隔医療モニタリング機器となるPBOSは、2018年10月にプロトタイプ機の臨床試験を完了し、主要評価項目を達成したことを発表している。本臨床試験では米国内の1施設において、12人の健常者と20人のウェット型加齢黄斑変性や糖尿病黄班浮腫等の網膜疾患の患者を対象に、PBOSで網膜の状態を測定し、その精度と解像度について、医療機関等で実際に使われているOCT(光干渉断層計)との比較評価を行った。その結果、網膜の「厚みの計測における再現性」「厚みの変化を捉える性能」及び「医療機関等で使用されているOCTで撮影した画像との相関性」のすべての評価ポイントにおいて、良好な結果が得られたとしている。

同結果を受けて、今後はモバイルタイプの超小型量産機の開発に着手し、2019年内に米国での評価を実施、医療機器としての承認を目指し、2019-2020年に量産体制の確立を目指していく計画となっている。

PBOSが製品化されれば、患者自身が自宅で網膜の状態を測定し、そのデータをインターネット経由で担当の医師が遠隔診断するため、最適なタイミングで治療を行うことが可能となる。特に、患者数が多い加齢黄斑変性に関しては1~2ヶ月おきに治療薬(抗VEGF薬)の投与が必要だが、適切な投与タイミングは個々の患者によって異なり、網膜の状態をタイムリーに観察する必要性があるのに対して、患者の経済的な負担や自覚症状がない場合もあり、適切なタイミングでの通院検査や投薬が見過ごされることが少なくない。結果的に適切な薬剤投与を行えず、症状を悪化させてしまうケースも多い。

PBOSにより自宅で網膜の状態を測定し、遠隔診断できるシステムが確立されれば、適切な治療を受けることが可能となり、症状を悪化させる患者が減少するメリットが期待できる。また、多くの患者から送られてきた画像データを蓄積し、AI技術を使うことで医者の読影に頼らず、コンピュータが自動的に網膜の状況を判断し、結果を通知するといったサービスも将来的に実現する可能性がある。

今後はビジネスモデルをどのように設定するかが課題で、現在検討を重ねている段階にある。国によって医療行政や保険の仕組みが異なるためで、それぞれの地域に合わせた販売方法やサービス内容、マネタイズの方法などを考えていく必要がある。例えば、PBOSの販売に当たっては販売ネットワークを持つ企業とのパートナー契約を進めていく可能性が考えられる。対象となるのは、眼科向け医療機器メーカーや卸商社のほか、製薬企業も対象となる。PBOSの普及が進むことで、結果的に抗VEGF薬の投与回数が増え、販売量が伸びる可能性もあるためだ。PBOSの販売価格はスマートフォン等と同等の価格帯と既存の医療施設に設置してあるOCT(1千万円以上)と比較して大幅な低価格が実現できる見通しとなっている。このため、医療施設が購入するケースのほか、個人で購入するケースも考えられる。遠隔診断については可能な国とまだ規制でできない国があるため、個別で検討していくことになる。

同社の開発パイプラインの中ではPBOSが最も早く商用化される可能性が高い。網膜疾患の患者数は全世界で1億人以上いると言われ、潜在需要も大きいだけに今後の動向が注目される。