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市場経済化が進む北朝鮮では、国営企業がファングムポル(黄金原)商店というチェーン店形式のコンビニを展開する一方で、個人が国営企業の名義と路上のプレハブを借りて営業するものもあれば、自宅の一部を改造して開業する「家売台」(チンメデ)に至るまで、様々な形の「コンビニ」が存在する。

そんなコンビニが教化所(刑務所)の中にもオープンしたが、他のコンビニと違って利用者から反発を招いていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)教化所には、元々小規模な売店が存在したが、昨年末に大規模なコンビニに生まれ変わった。犯罪の増加に伴い、教化所に収監される人が増えたことを受けてのことだ。

ところが、このコンビニは「面会に来た家族を圧迫し、カネを搾り取る手段として利用されている」という(現地の情報筋)のだ。

北朝鮮の教化所は、受刑者に対する暴行、劣悪な環境など人権侵害の温床になっているが、ひどいのはそれだけではない。食糧事情も劣悪で、最も少ない受刑者には1日100グラムにも満たないトウモロコシ飯しか出されない。

教化所で飢え死にせず生きて出所するには外部からの差し入れが欠かせないが、受刑者の家族はその食べ物や生活必需品をすべて教化所内のコンビニで買うように強いられる。例えば、水を混ぜてこねるとお団子になる「ポンポンイ粉」というトウモロコシ粉は、命をつなぐ大切な食べ物だが、教化所内のコンビニで買ったものしか差し入れが認められない。ちなみに、コンビニの店員は全員が教化所幹部の家族だ。

幹部に渡すタバコや酒などのワイロもここで買うことを強いられる。もちろん、市場より値段が高いが文句は言えない。下手に抗議などすると受刑者がどんな目に遭わされるかわからないからだ。

そればかりか、教化所で使う事務用品などの差し入れも強要される。

「教化所の幹部は、受刑者が面会室に行く前にかならず『宿題』を出す。教化所で共同で使うとの名目で、ソーラーパネル、レーザー、A4用紙などを買うことを強いられる。『宿題』は、面会室で家族に頼み、コンビニで買って渡す。できなければ昼食の時間にひどい暴行を受ける」(情報筋)

これはまさに「恐喝」である。