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パーティには抽選で選ばれた大勢のアサイー好きの人たちが集い、 日本ではまだ広く知られていない現地でのアサイーの食べ方を体験したり、セミナーでは、アサイーの産業化に日本人移民が果たした貢献や、果実を生産する農業組合が取り組んでいる持続可能な農法について学ぶなどして、日系人とアサイーに対する見識を深めた。
ブラジルのアサイーの名産地パラー州では、2017年に、州の記念日として9月5日を「アサイーの日」に制定している。 9月16日が日本における「アサイーの日」に制定されたのは、 アサイーの生産に貢献して産業を支え続けている日系移民に敬意を表して、第一回移民船がアマゾン地方に到着したのが1929年9月16日だったことに因る。
エドゥアルド・パエス・サボイア駐日ブラジル大使閣下が祝辞を述べられたあと、アサイーの産地トメアスーの移民や農業の歴史が紹介された。
セミナーに続いて開催された試食会では、パラー州で広く親しまれているアサイーの食べ方が、レシピと共に紹介された。
来場者たちは、ペースト状にした味付けをしていないアサイーにファリーニャをまぶし、小エビのソテーや白身魚にフリット、軽く茹でた豚肉などをつけて食したほか、アサイーを使ったドレッシングをかけたサラダや、ライムの代わりにアサイーを使ったアサイーカイピリーニャなどを楽しんだ。
来場者の中からは「ダイエット食や健康食としてアサイーに興味を持っていたので、糖分を使わない食べ方を知ることができてうれしい」という声も上がっていた。
(文/麻生雅人)

アマゾン地域への日本人移民90周年を祝して制定される
9月16日が、日本記念日協会が認定する「アサイーの日」として登録されたことを受け、9月12日、アサイーの生産国であるブラジル大使館で同記念日の制定の発表と、これを祝う祝賀会が行われた。

同日が「アサイーの日」に制定されたのは、 アサイーの生産に貢献して産業を支え続けている日系移民に敬意を表して、第一回移民船がアマゾン地方に到着したのが1929年9月16日だったことに因る。

エドゥアルド・パエス・サボイア駐日ブラジル大使閣下は、日本人移民の存在はアマゾン地域の歴史の重要な一部となっていると語った。

「1929年9月16日 、蒸気船モンテビオ丸に乗って43世帯の日本人がパラー州に到着したことから始まります。今年はアマゾン地域への日本人移民90周年を記念して、多くのイベントがブラジルで予定されています」( エドゥアルド・パエス・サボイア駐日ブラジル大使閣下)

大使閣下は、 アサイーの産地であるパラー州ではすでに州の記念日として「アサイーの日」が存在するが、 日本とのアサイーにおける人的交流の重要性を鑑みて、9月16日を日本における「アサイーの日」に制定する取り組みを支援することにしたと語った。

「日本における『アサイーの日』は、より大きな意味を持つこととなります。それはアサイーだけを特定して支援するだけでなく、アマゾン地域へ移住され、ブラジルにおいてその地域の開発に貢献されたすべての日本人移民への敬意の表われとなるからです」 ( エドゥアルド・パエス・サボイア駐日ブラジル大使閣下)

「アサイーの日」 記念日登録証を紹介する、株式会社フルッタフルッタの徳島一孝取締役
株式会社フルッタフルッタの徳島一孝取締役により「アサイーの日」 記念日登録証が紹介された後、小林雅彦・元ベレン領事事務所所長が、アマゾン地域の環境や同地における日系移民の歴史を紹介した。

ブラジルへの公式な日本人の移民がはじまったのは1908年で、アマゾン地域へは1929年の第一次トメアスー移住で同地へ渡った43家族189名が公式な移民の最初だったという。現在、日本をはじめ世界中にアサイーを届けている農業協同組合はこのトメアスーにある。

小林雅彦・元ベレン領事事務所所長によると、この移住事業はパラー州政府が日本国政府に対し同地の開拓を依頼して行われたもので、100万ヘクタールの土地が提供されたという。

熱帯雨林にある原生林の開拓は困難を極め、マラリアで倒れる犠牲者も少なくなかったという。また、トメアスーにおける胡椒栽培の隆盛と衰退、その後にトメアスーでアグロフォレストリーと呼ばれる持続可能な混作農法が推進されていることなどを紹介した。

1933年、当時移民監督官を務めていた臼井牧之助氏がシンガポールから胡椒の苗木を20本、トメアスーに持ち込み、そのうち2本が根付いたことから同地で胡椒栽培が発展。1950年代前半には、それまで胡椒の主要生産地だったインドネシアでの生産量が落ちたことも影響して、トメアスーの胡椒は輸出産業として隆盛を極めたといわれている。

「胡椒御殿はどんどん立つし、ブラジルの輸出の4割を占めるという実績もあったのですが、単一栽培で胡椒を大規模にに栽培したため病害が発生して、胡椒産業は打撃をこうむりました。しかし、この失敗がきっけとなって、単一栽培から混作農法に切り替えられて、森林を再生させながら生産性を上げていくというアグロフォレストリーがはじまりました」( 小林雅彦・元ベレン領事事務所所長 )

トメアスーで取り組まれている混作農法の畑からは、アサイーだけでなく胡椒、カカオ、パッションフルーツ、クプアス、アセロラなど多様な産物が生産され、国内外で消費されている。同地のカカオは、日本の有名なチョコレートブランドにも使用されている。

「現在この農法は、JICAや東京農工大の協力を得て近隣の日系以外の農家にも伝授されています。中には日系農家より収入を得ている農家も出て地域の活性化にも貢献しています」 ( 小林雅彦・元ベレン領事事務所所長 )

(文/麻生雅人)