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「資金調達や特別目的会社(SPC)の立ち上げで5年、調査・設計に5年、建設に10年程度は必要だろう」と栗田副会長はみる。
■北海道経済連合会でも検討開始
第2青函トンネルの構想は、既に次のステージに移っている。北海道経済連合会が、道内における将来の物流の最適化を図るため、18年10月から青函物流プロジェクトチームを立ち上げた。そこで、第2青函の実現可能性についての議論が始まっている。
「今後、第2青函トンネルの建設コストをさらに詳細に検討したい」。プロジェクトチームの一員でもある栗田副会長はこう意気込む。
第2青函の建設の意義は、青函トンネルでの共用走行問題とも絡んでくる。青函トンネルは貨物列車と新幹線の共用走行で、新幹線が低速走行を余儀なくされており、現在、国で将来の速度向上を目指して貨物新幹線などを検討している。長期的な解決策として、第2青函を造る案も挙がっている。
その他、道内だけでなく本州への経済効果も期待される。道内の新鮮な食料が今よりも安い値段で大量に本州へ行き届くようになる可能性が高い。さらに本州―北海道の災害派遣にも役立つ。東日本大震災では、北海道から東北地方へ自衛隊で最大数の部隊を送り込んだ。ただし、輸送には民間のフェリー会社の力に頼らざるを得ず、迅速な対応が取れたとは言い難い。
北海道と本州間の海上輸送には、昔から輸送コスト高や輸送時間の自由度制限がつきまとっていた。その呪縛からの解放は、第2青函の建設にかかっている。
(日経 xTECH/日経コンストラクション 真鍋政彦、夏目貴之)
[日経コンストラクション 2019年1月28日号の記事を再構成]