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■最近のエボラブルアジアの収益の柱は投資事業である。2018年9月期に会計基準を変更し、有報によると日本基準では連結の経常利益が605百万円の赤字だったものが、国際会計基準の適用により営業利益1,229百万円と大幅に黒字化している。同期はオンライン旅行事業やITオフショアなど従前の事業による収益だけでは赤字だが、有価証券の評価益1,288百万円や負ののれん発生益371百万円が加わり、営業利益を黒字にした。2019年9月期第3四半期も投資損益166百万円が加わることで営業利益の黒字を維持した。
■エボラブルアジアが投資事業やM&Aに傾注しはじめたのは17年9月期第3四半期頃である。同期第2四半期時点では流動資産に計上されている投資有価証券は109百万円、のれんは89百万円であったが、その後徐々に残高を増やし、19年9月期第3四半期には投資有価証券を含む「その他の金融資産」は4,649百万円、のれん及び無形資産は5,451百万円に増加している。
■こうしたM&A等の原資は借入で調達されている。エボラブルアジアは17年7月にクレディ・スイス証券、18年9月にメリルリンチ日本証券に対して資金調達を試みているが、株価の低迷などにより思うようにいかず、借入によりM&Aを推し進めた。17年9月期第2四半期の連結有利子負債は332百万円だったが、2019年9月期第3四半期までに11,673百万円までに増加している。この中には買収したDeNAトラベル(現・エアトリ)の既存の借入約50億円も含まれるので、実際の増加額は約50億円程度であると思われる。
■エボラブルアジアは国際会計基準を適用しているのでのれんの定期償却がなく、のれん残高の多い同社の業績を後押ししている。しかし、減損が認識されると一括償却となるため、ひとたび業績悪化となれば巨額損失を結果するリスクがある。