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個人、最高値でも金投資 安全資産として長期保有
株式投資からの裾野も拡大

金に対する個人投資家の購入姿勢が変化している。小売価格は現在1グラム約6900円(税込み)と過去最高値圏。これまで個人は金を安値で買って高値で売る傾向が目立ったが、今回は買いが衰えない。短期の値上がり益よりも安全資産として長期で保有する意識が強い。株式などに投資してきた人が買い始めるなど裾野も広がる。

「将来のインフレリスクをより肌身に感じるようになった」。2年前に初めて金の地金を購入した医師の池田良一さん(56)は今年に入り、金を買い増した。新型コロナウイルスを受け世界の中銀は金融緩和を拡大し、通貨を大量に供給している。池田さんは「長期的には通貨の価値が低下するリスクが拭えない」と金の保有を増やす。

国内地金商最大手の田中貴金属工業の加藤英一郎貴金属リテール部長は「従来は金価格が上昇する局面で売却する人が大半だった」と話す。

例えば2007年8月から08年9月のリーマン・ショックまでの約1年間、円建ての金価格は最大約28%上昇した。同じ期間の同社の個人の金買いの比率は約3割にとどまり、約7割が売りに回った。今回の上昇局面では「高値での売却もあるが、半数が新たな購入」という。

純金積み立てなど、初心者でも比較的投資しやすい商品も伸びが顕著だ。三菱マテリアルの酒井建貴金属部長は「純金積み立ての新規会員数が3~6月は前年比4~5倍に膨らんだ」と話す。

株式を中心に投資していた人が金を始めるケースもある。「金なら安心して持っていられる」。会社員の鷲巣大輔さん(47)は3月、上場投資信託(ETF)を通じて金を購入。その後毎月金の持ち高を増やした。「新型コロナの影響で企業業績が悪化するにもかかわらず、上がり続ける株価への違和感」が金に投資する一因だという。

日本貴金属マーケット協会の池水雄一氏は「新規の投資家にとっては金と他の商品との相対的な位置づけがより重要で、過去の価格との対比はあまり意味がない」と話す。個人投資家層の今後の株や通貨への警戒の度合いによって、金の買われ方も左右されそうだ。

08311128 - MHAM金先物ファンド 個人、最高値でも金投資 安全資産として長期保有   株式投資からの裾野も拡大   金に対する個人投資