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インドなどの現物需要に代わり、足元で高値を支えているのは金価格に連動した上場投資信託(ETF)を通じたマネーの流入だ。国際的な調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のまとめによれば、金ETF市場は今年に入って一貫して資金流入が続いている。5月までの累計は現物の金に換算して約624トン(流出分を引いたネット)、金額で337億ドル(約3兆6000億円)に達し、年間で最高を記録した16年の240億ドルを超えている。国別で見ると米国(5月までに368トンの流入超)や英国(145トン)、フランス(28トン)、ドイツ(26トン)といった欧米での増加が目立つ。「先進国の投資拡大」というゴールドマンの指摘と合致する。

背景にあるのは根強い経済不安と超低金利の継続だ。米連邦準備理事会(FRB)は6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で22年末まで現状のゼロ金利政策を続ける方針を示した。金利を生まない金にとってみれば、少なくともあと2年半は利上げという最大の下げ材料が出て来ないことを意味する。分散投資を進める機関投資家や富裕層にとっても、株価などと相関性の低い金を資産に組み込みやすい環境になっている。

新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた経済が回復に向かうとの期待感から米国を中心に株価は上昇し、商品市場でも銅などの相場が上向いている。それでも実体経済を映す商品相場は株式市場のように強気にはなれない。その証拠に、同じ貴金属でもマネーの顔を持つ金と自動車など工業需要が多いプラチナの価格は史上最大規模の差がついたままだ。

金とプラチナの価格は本来、年間の鉱山生産が金より1桁少なく、生産コストも高いとされるプラチナが高いのが正常な姿だ。しかし価格の逆転が顕著になった15年から差は広がるばかり。実体経済の先行き不安が年々強まり、金市場に長期にわたってマネーが滞留していることを物語る。

金はニューヨーク市場の先物で11年9月に1911ドル台(期近)、ロンドン市場の現物取引(値決め)で1896ドル台の史上最高値を記録した。先物で高値更新にはあと約150ドルの上昇が必要だ。金価格が下がりにくい環境が続く可能性は高い。ただし、強気に支配された時が天井という経験則も市場にはある。

08311128 - MHAM金先物ファンド インドなどの現物需要に代わり、足元で高値を支えているのは金価格に連動した上場投資信託(ETF)を通じ