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MHAM金先物ファンドの掲示板

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金、透ける景気減速への不安 銅に対する割高感鮮明に

金価格が底堅く推移している。17日に英国政府と欧州連合(EU)が離脱条件で合意した。米中も通商問題で部分合意に達し、金融市場の過度な混乱を警戒するムードはひとまず和らぐ。ただ米中両国を中心に、世界の景気が減速するとの不安感は拭えない。経済活動の先行きを示す銅は上値が重い。安全資産とされる金を手放せない投資家の心理が透ける。

国際指標のニューヨーク先物は日本時間18日夕の時間外取引で、1トロイオンス1490ドル台で推移する。英政府とEUが合意案をまとめた17日の取引で一時1487ドルまで下げたあと、すぐに買われ値を戻した。

金は9月、米国の利下げ観測や米中対立の激化を背景に一時1560ドルまで上昇。ファンドなど投資家は買いを積み上げ、買い越し幅は約3年ぶりの高水準に達した。9月下旬以降、米中の通商協議の進展への期待などから手じまいとみられる売りが出た。

ただ心理的な節目となる1トロイオンス1500ドルは割り込んだものの、10月以降は1480ドルに近づくと反発する動きが目立つ。現物市場でも金を買う動きが続く。金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のまとめでは9月末時点の金ETF(上場投資信託)残高は2808トン。過去最高だった2012年末の水準を超えた。英リフィニティブによると10月に入り8トン分の新たな購入があった。

投資家が依然として金を手放さない最大の要因は、米中をはじめとする景況感の悪化だ。景気動向は銅の国際価格に敏感に反映される。

特に先物の銅価格を金で割った「金銅比率」は、景気の体温とされる米長期金利との相関が高いとされる。景況感が悪化すると、投資資金は安全資産とされる米国債に流れ金利は下がる。銅消費の落ち込みを予想して銅が安くなり、金と銅の価格比率も低下する。

金銅比率は17年を天井に低下が続く。住友商事グローバルリサーチの本間隆行経済部長は「景気低迷で設備投資やインフラ投資が増えず、銅需要は鈍い。低金利を背景にした金需要の増加を示している」と分析する。08年のリーマン・ショックや、チャイナ・ショックで景気減速の懸念が強かった16年にも米金利に先行し大きく下落した経緯がある。