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英、「拘束力ある修正」をEUに要求へ アイルランド問題打開図る
離脱協定の書き換えも

メイ英首相は7日、ブリュッセルの欧州連合(EU)本部でユンケル欧州委員長と会談し、EU離脱問題の打開策を協議する。会談でメイ首相は離脱協定に盛り込まれたアイルランドの国境問題への対応策について、協定そのものの書き換えを含めた「法的拘束力のある変更」を求める方針だ。

英・EUは過去の紛争の再発を避けるために、離脱後も英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間に、物理的な国境を置かない方針で合意済みだ。ただ離脱協定にはその具体策が見つかるまで、英国全土を関税同盟に残すなどの「安全策」が盛り込まれている。これに対し「EUルールに縛られ続ける」との反発が強く、英議会は1月29日に協定の修正を求める動議を賛成多数で可決した。

これを受けメイ首相は議員の不安を和らげるために、ユンケル委員長に「英国がずっと安全策に陥るわけではないという保証が欠かせない」と主張する見通し。そのうえで「それを法的拘束力のある形で明確にし、離脱協定を書き換える必要がある」と訴える方針だ。

メイ政権はその具体策として安全策の発動に期限を設けたり、英国から一方的に安全策を打ち切れるようにしたりする修正を念頭に置いているもようだ。ただいずれの案もすでにEU側に打診し断られた経緯がある。

EUは2018年12月の首脳会議で「安全策は一時的である」という首脳文書をまとめたが、これに条約や協定のような法的拘束力はない。英国はさらに実効性のある約束や具体策をEUから引き出したい考えだが、EUは簡単には応じない構え。英の要求には新味があるとはいえず、局面打開につながる見通しは立っていない。