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ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ【ZM】の掲示板 2021/03/11〜2021/03/23

【過去の経験則を冷静に鑑みれば問題なし(その1)】

【米10年債利回りの上昇は米国の景気が好調の顕われ】

2021年3月4日東京マーケットワイド
小高貴久(野村證券投資情報部エクイティコンテンツ課長)
過去に長期金利の上昇が株式市場に波乱要因をもたらしたことでよく引き合いに出されるのは、アメリカが景気回復が進む中で2013年5月22日、当時FRB議長であったバーナンキが「量的緩和を縮小しても大丈夫ではないか」と発言したことで、世界的な株価急落と米国10年債利回りの上昇を引き起こしたバーナンキショック。しかし、その後の株価の推移を見れば、米日ともに上下動しながら、結局は企業業績を折り込む形で、上昇に戻していった。米10年債利回りが1%上昇すれば、実質GDP成長率は、当年-0.2%、翌年-0.4%。野村証券は、米国の巨額の財政出動を見込んでいるので、今年の米国の経済成長率を5.6%とかなり高い経済成長率を見込んでいる。米国の実力ベースの成長率が2%弱の中で5.6%であるからかなり高い予想になっている。1%程度の金利上昇でこの程度でこの程度の影響であれば実質GDPに与える影響は軽微。また、米10年債利回りが1%上昇すれば、S&P500の指数EPS(1株当たり利益)は、当年-0.26%であるが、市場コンセンサスではEPSは2割強を見込んでいるのでこちらも金利上昇の影響は軽微である。米国の景気実態も堅調である。特に個人消費を中心に景気が加速していて、2021年1月の米国の電子取引等の小売売上高は前年比+28.7%、小売売上高(除く食品、自動車)は前年度比+10.9%である。これは1月に1人当たり600ドルの現金給付が行われた効果が大きいとみられるが、今米国の議会では1人当たり1400ドルを現金給付すると言う議論があるので、これが実行されればさらに米国の景気を押し上げる。景気拡大で金利が上昇するのは当たり前なので足元でパウエルFRB議長を含む多くの中央銀行の高官が「金利上昇は景気回復対する市場の顕われである」と述べているのだから米国の景気を心配する必要はない。

【総括】
米10年債利回りが1%上昇すれば、実質GDP成長率は当年-0.2%、翌年-0.4%。米国の自然成長率は2%であるから、金利が1%上昇したところで、今年の米国の高い経済成長率5.6%に何ら問題を及ぼさない。