ここから本文です
投稿一覧に戻る

【USD】雇用統計の掲示板

日本経済新聞によると、米労働省が7日発表した2021年12月の雇用統計によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は前月比19万9000人増えた。わずかに上方修正された11月(24万9000人増)から伸びが鈍化した。高賃金を求める離職者が増えるなど労働需給は逼迫が目立つ。オミクロン型の新型コロナウイルスの急拡大で人手不足に拍車がかかる可能性もある。

就業者数の増加幅は、ダウ・ジョーンズがまとめた市場予測(42万人程度)を下回った。運送・倉庫業が1万8700人増となるなど伸び悩んだ。失業率は11月の4.2%から3.9%に改善した。

もっとも雇用の回復は道半ばだ。非農業部門の就業者数はコロナ前の20年2月をなお360万人下回る。
就業者の伸びを抑えているのが深刻な人手不足だ。企業の採用意欲は旺盛だが、働き手がなかなか見つからない。労働市場では「大離職」と呼ばれる潮流が鮮明だ。
11月の自発的な離職者は452万7000人と過去最多を記録した。娯楽・接客業(100万人)や小売り(69万人)、医療(60万人)など、感染リスクが比較的高い分野で著しい。

景気の回復を背景に、賃金が高くて条件のよい仕事を求める動きが広がる。11月の求人数は同月の失業者(688万人)を大きく上回っており、仕事を見つけやすくなっている。12月の平均時給は4.7%上昇した。

FRBは早期の利上げを探る。5日公表した21年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、3月にも利上げを始め、保有資産の縮小にも早期に取りかかる構えだ。
利上げを始める条件として注視するのが「最大雇用」の達成だ。最大雇用を判断する指標となる失業率は目安とする4%を下回った。ただ必ずしも雇用動向の実態を反映していない可能性もある。職場復帰を諦めた人は失業者に数えられず、失業率が下がりやすくなる。

構造的な理由で労働参加率がコロナ前に戻らないとの見方もある。失業手当の特別加算が21年9月に打ち切られた後も、職場に戻る動きは限定的だ。オミクロン型の影響も見通せない。雇用情勢の見極めは一段と難しくなっている。