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【USD】新築住宅販売件数の掲示板

OPECプラス、5月以降段階的に協調減産縮小 米が働きかけか

 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国でつくるOPECプラスは1日の閣僚会合で、原油の協調減産を5月から7月にかけて段階的に縮小することで一致した。3カ月で縮小する減産量は日量約110万バレル。新型コロナウイルス禍にあっても需要は回復し、価格が上昇基調にあることを踏まえた。

 サウジアラビアが2月から自主的に始めた日量100万バレルの追加減産に関しても、規模を段階的に縮小して7月までに終える。OPECプラスの協調減産は、4月も小幅に緩和することで一致していた。

 4月に日量690万バレルとしているOPECプラスの減産目標について、5月に655万バレル、6月に620万バレル、7月に575・9万バレルに縮小する。サウジアラビアは生産量を5月に25万バレル、6月は更に35万バレル増やして、7月に自主減産はゼロにする。

 国際エネルギー機関(IEA)は、2021年の原油需要(日量)が前年比550万バレル増の9650万バレルまで回復すると見込む。ただ、足元では変異株の感染拡大などコロナ禍の影響を見通しにくく、サウジアラビアを中心に減産規模を維持する意向が強かった。

 ところが会合直前の3月31日、米国のグランホルム・エネルギー長官がサウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相と電話協議をしたことで、風向きが変わった。原油生産国と同時に消費国でもある米国にとって、価格上昇は自国経済の回復の足かせとなりかねず、価格が安定するよう念押しした模様だ。

 バイデン政権発足以降、米国がOPECに働きかけるような動きを見せたのは初めて。アブドルアジズ氏はOPECプラス会合後の記者会見で「今日の決定に米国との話は影響していない」としたが、米国がロシアなど生産増を進めたいOPECプラスのメンバーを後押しする格好になった。

 1日のニューヨーク原油先物相場の米国産標準油種(WTI)5月渡しは、前日比2・29ドル高の1バレル=61・45ドルで取引を終えた。【ロンドン横山三加子】