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【USD】個人消費支出の掲示板

 NYタイム発表の米マクロ経済デ−タは、為替の動意につながりにくいとみる。一方、3月16−17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、その内容を追認したり、補完したりするような発言が想定できる複数の米地区連銀総裁講演への反応に注意したい。
 タカ派な内容に敏感な市場を考慮して、成長がかなりしっかりした軌道を描いて相応の水準に定着するまで、十分に緩和的な金融政策を続ける姿勢が改めて示されるだろう。今年のFOMC投票権を持ち、発言内容が注目となるシカゴ連銀のエバンス総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁もインフレ高進への懸念が低いことを理由に、経済支援的な政策を早急に後退させる見解は述べないだろう。
 ただ、かつて2013年にバーナンキ元FRB議長が量的緩和の縮小の可能性に言及して金融市場の混乱を招いたいわゆるテーパー・タントラム(緩和縮小・かんしゃく)への懸念や思惑を抱く投資家や投機筋が、発言の強めな部分に神経質に反応するリスクには注意したい。
 エバンス総裁はFOMC後の講演で、「一時的な物価上昇を予想も、2022年の2%インフレ達成は困難に」としつつも、「経済がより早く回復すれば、FRBも早期の利上げが可能」としていた。デイリー総裁は「今すぐインフレについて懸念すべきではない」と述べていたが、経済の回復状況や物価の上昇の可能性に一段と踏み込んだ発言がないか警戒される。
 米金融政策の見方に関する方向性と、リスクセンチメントを方向づける一要素である原油相場のトレンドが短期的にせよ一致した場合は、為替を含めた市場の振れを大きくするかもしれない。そのため今夜の米エネルギー省(EIA)による週間石油在庫統計にも一応注意は必要か。しかし、上値を切り下げており59ドル台へ下押したNY原油先物が、61ドル目前まで上振れた昨日高値水準を抜けて大きく上昇するイメージは強くない。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは昨日6日高値110.55円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは3月24日高値108.96円。