各銘柄の業績や動向を当サービスが募集したユーザーが分析した記事を表示しています。詳細はこちら Switch2発売で青天井の任天堂の株価、懸念点は? 2 1 2025/05/28 17:04 rss ★ ツイート 1 Ko-haku 5月19日 10:00 ■任天堂の強みはどこにあるのか 近年、任天堂の株価は高値を更新し続けており、まさに「青天井」とも言える勢いである。これは短期的な目線では、今年6月5日にNintendo Switch2(以下Switch2)がいよいよ発売されることへの期待の表れであるのは間違いないが、これほどまで投資家に評価されているのはどうしてだろうか。 1)ターゲットの幅広さ 任天堂の強さとは何だろうか。まず挙げられるのはターゲットの幅広さだ。ゲーム好きはもちろん、ライトユーザーやファミリー層にも支持されている。その理由は、説明書を読まなくても直感的に操作が分かるゲームが多く、子どもからお年寄りまでみんなで気軽に楽しむことができるからだ。一方でコアゲーマー向けのラインナップも充実しており、ファン層の広さは任天堂の強みの一つと言えるだろう。 2)魅力的な多数のIP(知的財産) 多くの人が楽しむためには、たくさんのソフトを提供する必要がある。その点、任天堂は、マリオやポケモン、ゼルダなど多数の魅力的なIP(知的財産)を保有しており、多種多様なソフトを展開することができる。また、最近は映画やテーマパーク、グッズショップやミュージアムなどを通じて、任天堂のコンテンツに興味を持つきっかけが多様化している。様々な形で戦略的にIPに触れる機会を増やし、ゲーム人口を拡大させているのだ。 ■任天堂の懸念点 Wii Uの悪夢再び? 1)Wii Uはなぜ失敗したか そんな圧倒的なブランド力を誇る任天堂であるが、直近の株価にはSwitch2への期待が十二分に織り込まれていることは間違いない。裏を返せば、Switch2が想定したほど売れなければ株価は大きく下落する可能性が高い。そこで思い出されるのはWii Uの失敗である。2012年、Wii Uはテレビとゲームパッドの2画面で楽しむ新しいハードとして売り出されたが、発売初期に魅力的な自社ソフトを生み出すことができなかった。その結果、他社のソフトメーカーの参入を促すことができず、圧倒的にソフトの数が不足してしまった。多種多様なソフトがなければ幅広いターゲットの需要を満たすことはできないのである。 2)Wii、Nintendo Switchとの比較 ソフトの少なさが大きな原因となり、Wii Uは1,356万台しか売れなかった。これは前モデルのWiiが1億163万台、Nintendo Switch(以下Switch)が1億5086万台売れたことを考えると失敗だったと言わざるを得ない。実際、任天堂は2011年度から2013年度にかけて3期連続の営業赤字となり、株価も低迷の一途をたどった。WiiやSwitchを革新的なハードとして売り出すことに成功し、数多くのソフトを展開したことと対照的である。ソフトが売れなければハードは売れず、ハードが売れなければソフトは売れないという厳しい現実があるのだ。 ■Switch2成功のカギは 1)新作ソフトの重要性 Wii Uの二の舞を避けるためには、体験会や各種メディアを通して、ハードの魅力を存分にアピールし、初期段階で販売台数を伸ばすことが極めて重要である。自社ソフトでしっかりと売り上げを伸ばすことで「Switch2でソフトを出せば間違いなく売れる」という安心感を他社のソフトメーカーにも与え、参入を促す。それによって数多くのソフトを展開することで、さらなる購入を促すというポジティブなサイクルを生み出すのだ。Wii Uの歴史を踏まえるとスタートダッシュが肝心であることは明らかである。すでに新作ソフトとして、シリーズ最多の24人対戦ができる「マリオカート ワールド」や3Dアクションの完全新作「ドンキーコング バナンザ」などが発表されているが、これらにSwitch2の命運がかかっているといっても過言ではない。 2)新しいゲーム体験 Switchは携帯型と据え置き型のハイブリッドという点が画期的であったが、Switch2ではどれだけ新しい体験価値を提供できるかが成功のカギとなるだろう。新機能「ゲームチャット」では、本体内蔵のマイクによりボイスチャットが可能となり、離れた場所にいてもまるで同じ部屋にいるかのようにプレイできる。他にもJoy-Con2ではマウス操作でより細かい動きが実現可能となり、通常のコントローラーとは異なる楽しみ方も示唆されている。ゲーム好きは間違いなく購入するだろうが、Switchをすでに持っているライトユーザーや購入を迷っている人でも、Switch2を購入したくなるような動機づけとなるかがポイントである。 ■まとめ 以上のように、任天堂にはファン層の広さや豊富なI Pといった圧倒的な強みがあるものの、直近の株価にはSwitch2への期待が十二分に織り込まれており、Switch2の売り上げが伸び悩むとWii Uの時のように株価が低迷する可能性は高い。 WiiからWii Uへの移行には失敗してしまったが、SwitchからSwitch2は果たしてどうか。答えは「天」のみぞ知るということだろう。 返信する 投資の参考になりましたか? はい71 開く お気に入りユーザーに登録する この記事にコメントする 掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、 当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。 件の新着コメントを表示 2(最新) 151***** 5月28日 17:04 誰もコメントしてくれないの? 返信する 投資の参考になりましたか? はい10 いいえ3 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する 読み込みエラーが発生しました 再読み込み お客様の環境ではJavascriptが有効になっていないため、次ページを読み込むことができません。 次ページ以降のコメントを参照したい場合は、Javascriptを有効にしてください。
■任天堂の強みはどこにあるのか
近年、任天堂の株価は高値を更新し続けており、まさに「青天井」とも言える勢いである。これは短期的な目線では、今年6月5日にNintendo Switch2(以下Switch2)がいよいよ発売されることへの期待の表れであるのは間違いないが、これほどまで投資家に評価されているのはどうしてだろうか。
1)ターゲットの幅広さ
任天堂の強さとは何だろうか。まず挙げられるのはターゲットの幅広さだ。ゲーム好きはもちろん、ライトユーザーやファミリー層にも支持されている。その理由は、説明書を読まなくても直感的に操作が分かるゲームが多く、子どもからお年寄りまでみんなで気軽に楽しむことができるからだ。一方でコアゲーマー向けのラインナップも充実しており、ファン層の広さは任天堂の強みの一つと言えるだろう。
2)魅力的な多数のIP(知的財産)
多くの人が楽しむためには、たくさんのソフトを提供する必要がある。その点、任天堂は、マリオやポケモン、ゼルダなど多数の魅力的なIP(知的財産)を保有しており、多種多様なソフトを展開することができる。また、最近は映画やテーマパーク、グッズショップやミュージアムなどを通じて、任天堂のコンテンツに興味を持つきっかけが多様化している。様々な形で戦略的にIPに触れる機会を増やし、ゲーム人口を拡大させているのだ。
■任天堂の懸念点 Wii Uの悪夢再び?
1)Wii Uはなぜ失敗したか
そんな圧倒的なブランド力を誇る任天堂であるが、直近の株価にはSwitch2への期待が十二分に織り込まれていることは間違いない。裏を返せば、Switch2が想定したほど売れなければ株価は大きく下落する可能性が高い。そこで思い出されるのはWii Uの失敗である。2012年、Wii Uはテレビとゲームパッドの2画面で楽しむ新しいハードとして売り出されたが、発売初期に魅力的な自社ソフトを生み出すことができなかった。その結果、他社のソフトメーカーの参入を促すことができず、圧倒的にソフトの数が不足してしまった。多種多様なソフトがなければ幅広いターゲットの需要を満たすことはできないのである。
2)Wii、Nintendo Switchとの比較
ソフトの少なさが大きな原因となり、Wii Uは1,356万台しか売れなかった。これは前モデルのWiiが1億163万台、Nintendo Switch(以下Switch)が1億5086万台売れたことを考えると失敗だったと言わざるを得ない。実際、任天堂は2011年度から2013年度にかけて3期連続の営業赤字となり、株価も低迷の一途をたどった。WiiやSwitchを革新的なハードとして売り出すことに成功し、数多くのソフトを展開したことと対照的である。ソフトが売れなければハードは売れず、ハードが売れなければソフトは売れないという厳しい現実があるのだ。
■Switch2成功のカギは
1)新作ソフトの重要性
Wii Uの二の舞を避けるためには、体験会や各種メディアを通して、ハードの魅力を存分にアピールし、初期段階で販売台数を伸ばすことが極めて重要である。自社ソフトでしっかりと売り上げを伸ばすことで「Switch2でソフトを出せば間違いなく売れる」という安心感を他社のソフトメーカーにも与え、参入を促す。それによって数多くのソフトを展開することで、さらなる購入を促すというポジティブなサイクルを生み出すのだ。Wii Uの歴史を踏まえるとスタートダッシュが肝心であることは明らかである。すでに新作ソフトとして、シリーズ最多の24人対戦ができる「マリオカート ワールド」や3Dアクションの完全新作「ドンキーコング バナンザ」などが発表されているが、これらにSwitch2の命運がかかっているといっても過言ではない。
2)新しいゲーム体験
Switchは携帯型と据え置き型のハイブリッドという点が画期的であったが、Switch2ではどれだけ新しい体験価値を提供できるかが成功のカギとなるだろう。新機能「ゲームチャット」では、本体内蔵のマイクによりボイスチャットが可能となり、離れた場所にいてもまるで同じ部屋にいるかのようにプレイできる。他にもJoy-Con2ではマウス操作でより細かい動きが実現可能となり、通常のコントローラーとは異なる楽しみ方も示唆されている。ゲーム好きは間違いなく購入するだろうが、Switchをすでに持っているライトユーザーや購入を迷っている人でも、Switch2を購入したくなるような動機づけとなるかがポイントである。
■まとめ
以上のように、任天堂にはファン層の広さや豊富なI Pといった圧倒的な強みがあるものの、直近の株価にはSwitch2への期待が十二分に織り込まれており、Switch2の売り上げが伸び悩むとWii Uの時のように株価が低迷する可能性は高い。
WiiからWii Uへの移行には失敗してしまったが、SwitchからSwitch2は果たしてどうか。答えは「天」のみぞ知るということだろう。
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