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今後、株式会社メタプラネットの株価上昇はあるのか?(前編)

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  • 2025/06/03 16:11
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  • ◾️はじめに
     株式会社メタプラネット(以下「メタプラ」という。)は、昨年からその株価急騰で多くの投資家から注目されています。このメタプラの主な事業は、ビットコイントレジャリー事業です。ビットコイントレジャリー事業というのは、資産の一部または大部分をビットコインで保有し、長期で資産価値の向上を目指す事業です。2025年3月31日時点で、メタプラは、3350ビットコインを保有し、世界でも有数のビットコイン保有企業になり、その後も数量は増加しています。
     そのため、メタプラの株価は、ビットコインの価格と強い相関関係にあります。メタプラの株価上昇の鍵は、このビットコインの価格上昇と言ってもよいでしょう。メタプラの株主は、ビットコインの動向について注目しておく必要があると思います。
     そこで、メタプラの株価の重要指標とも言えるビットコインに関し、前編では2025年第1四半期における動向をまとめ、後編では、第2四半期以降の価格上昇のシナリオについて考えていきたいと思います。
    なお、本稿で触れている情報は、執筆後の状況変化により、現状と乖離している可能性があるため、この点ご留意ください。

    ◾️2025年第1四半期におけるビットコインについて
    1)下落の主な要因はトランプ政権の関税政策
     2025年第1四半期では、ビットコインの下落に影響を与えた出来事がいくつもありました。
     まず、2月には、世界的な暗号資産取引所であるBybitで大規模なハッキング被害がありました。この事件では、盗まれた資産はビットコインではなく、イーサリアムでしたが、ビットコインを含む暗号資産全体の価格が軒並み下落しました。また、1月から3月にかけては、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢に関し、米国の仲介による解決の期待もありましたが、結果として進展は芳しくありませんでした。確かに、こうしたハッキング事件、地政学リスクは、ビットコインの下落に一定の影響を与えていると思います。
     しかし、ビットコインの主な下落要因は、やはり米国のトランプ政権による関税政策であると言えるでしょう。関税の強化はただでさえ、物価の上昇を引き起こし、景気後退の懸念が高まるため、多くの投資家がビットコイン等リスクの高い資産から資金を引き上げてしまいます。特に、トランプ政権では、交渉戦略のためなのか、関税措置を突然予告し、発動においても内容を変更・撤回することがありました。さらには、他国間での報復関税が想定され、貿易戦争が激化する可能性があるなど今後の予測は非常に困難になりました。
     こうした関税政策の不確実性は、多くの投資家から嫌気され、リスクの高い資産の代表であるビットコインから資金が大量に流出されてしまいました。なお、トランプ大統領がカナダ、メキシコ、中国に対し、関税措置を行なったのは2月1日です。そして、添付画像のとおり総ビットコイン現物ETFフローは2月以降流出が多くなっています。

    2)ビットコインの潜在的価値の向上
     価格は大きく下落したビットコインですが、その潜在的な価値は高まり続けていると思います。
     トランプ政権では、3月に戦略的ビットコイン準備を創設し、世界第一の大国である米国がビットコインの価値にお墨付きを与えました。この戦略的ビットコイン準備では、犯罪等で没収した約20万ビットコインが長期的に保有をされる方針です。また、公式な見解はありませんが、米国は保有する金を売却し、代わりにビットコインを購入するのではないかとも言われており、ビットコインの買い圧力増加が期待されています。さらに、多くの州政府が国に追随し、ビットコイン関連法案の提出をしています。そのうえ、ビットコインを購入する企業が増え続けていることからも、需要はますます増大し、長期的にはビットコインの価格は上昇していくと予想されています。

    ◾️最後に
    1)前編のまとめ
     メタプラの株価は、ビットコインの価格に大きく左右されています。そのため、メタプラの株主は、ビットコインの動向について常に注視しておくことが大切です。
     2025年第1四半期におけるビットコインの主な下落要因は、米国の関税政策の不確実性であり、多くの投資家が嫌気し、資金の流出がありました。他方で、ビットコインの潜在的価値は高まっており、長期的にはビットコインの価格が上昇していくことが予想されています。

    2)後編について
     後編では、前編の内容を踏まえ、ビットコインの価格が今後上昇するシナリオとして、①関税政策の不確実性の解消、②FRB(連邦準備制度理事会)による政策金利の利下げ、について考えていきたいと思います。

    (添付画像)ビットコイン現物ETFフロー(2025年1月1日から3月31日まで)
     (上に伸びた棒グラフは流入、下に伸びた棒グラフは流出を表す)
    (参考:SoSoValue 総ビットコイン現物ETF純流入 https://sosovalue.com/ja/assets/etf/Total_Crypto_Spot_ETF_Fund_Flow?page=usBTC

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