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6月下旬以降、株式会社メタプラネットの株価はどう動くか?

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  • 2025/06/23 08:17
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  • ◾️はじめに
     2024年に開始された新NISA制度は、2025年も引き続き投資家の関心を集めています。その新NISA(成長投資枠)では、2024年と同様に、全世界株式(オール・カントリー)と米国株式(S&P500)といった安定して値上がりが期待されるインデックス型の投資信託が人気を博しています。
     そのような中で、株式会社メタプラネット(以下「メタプラ」)は、SBI証券の新NISA(成長投資枠)週間買付金額(国内株式)で1位になることが何度かありました。これは、多くの株主がメタプラの株価上昇に期待を寄せている表れと言えるでしょう。
     メタプラは、6月16日、ビットコインの総保有数が10,000に達したという発表をしました。また、2027年までに210,000BTCを取得するという目標を策定し、ビットコイントレジャリー企業としての知名度をますます高めています。
     一方で、その株価は大きく急騰しているため、すでにピークをつけ、これからは下落していくのではないかという意見も少なくありません。また、メタプラの株価の重要指標といってもよいビットコインについても、6月中旬以降では軟調な相場が続いています。
     そこで、6月下旬以降は、メタプラの株価がどう動くかという点について、ビットコインのファンダメンタルズ(暗号資産市場・関税政策・金融政策・地政学リスク)の観点から整理していきたいと思います。
     なお、本稿で触れている情報は、執筆後の状況変化により、現状と乖離している可能性があるため、この点ご留意ください。

    ◾️ビットコインのファンダメンタルズについて
    1)暗号資産市場
     現在、暗号資産市場に関する法整備が進んでいるとともに、ビットコインを財務戦略として採用している企業が増えつつあります。
     6月17日、アメリカ議会の上院でステーブルコインを規制するGENIUS法案が可決され、今後数か月以内に法律として成立することが確実視されています。このように、法整備が進んでいけば、暗号資産への信頼性は高まり、より多くの機関投資家や企業がビットコインを含む暗号資産市場に参入してくることが予想されます。
     そして、世界では、ビットコインを資産として保有することを宣言する企業が増えています。日本でも、最近は、株式会社エス・サイエンス、株式会社ANAPホールディングス、株式会社マックハウスなどが保有計画を発表し、これらの株価が跳ねがったという現象が起こりました。
     このように、暗号資産市場としては法整備が進み、また、依然として活況を呈しており、これからも発展が見込まれています。

    2)関税政策
     関税政策の不確実性は、ビットコインなどのリスク資産にとってマイナスに働きます。
     トランプ米大統領は、4月9日に多くの国に対し、相互関税を90日間停止しました。この後、イギリス以外の国とは貿易交渉は続いており、状況は芳しくありません。
     ただし、6月12日、スコット・ベッセント米財務長官は「90日間の停止期間で合意に至らなかった場合、延長する用意ある」旨を述べているため、当分の間、この不確実性の市場に対する影響は限定的であると思われます。

    3)金融政策
     アメリカの政策金利が引き下げられれば、リスク資産への投資が促進されるため、ビットコインの価格上昇が期待されます。
     日本時間では6月19日未明に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利は予想通り据え置きとなりました。
     ジェローム・パウエル議長は、「利下げが適切になる状況に到達する可能性は高い」、「利上げが基本シナリオではないことに間違いはない」という発言もありましたが、「関税引き上げは物価上昇につながる可能性が高い」、「今後数か月で相当なインフレが到来すると予想している」と述べるなど、利下げについては引き続き慎重な姿勢を維持しています。
     このため、今後も金融政策の動向、特にCPI(消費者物価指数)、PCE(個人消費支出)デフレータといった経済指標の数値によって、ビットコインの価格が大きく変動すると考えられます。

    4)地政学リスク
     ビットコインを含む暗号資産は、戦争などの地政学リスクに非常に敏感であり、特に紛争の初期段階においては価格が下落する可能性があります。
     6月13日、イスラエルは、イランの核関連施設を破壊したことを機に、両国間では継続的にミサイル攻撃が繰り広げられています。このことは、攻撃の限定的で被害が軽微であった過去の紛争とは異なる状況です。
     また、アメリカがイランに対し、無条件降伏を要求していますが、イランの最高指導者ハメネイ師はこれを拒否しているため、アメリカが軍事的に介入する可能性があるなど緊張が高まっています。
     執筆時点において、今後どのように発展するかは不透明であり、これが6月中旬以降のビットコインの軟調な相場と主な原因であると考えられます。

    ◾️さいごに
     ビットコインを含む暗号資産市場という点においては、法整備の進展や企業による財務戦略の導入など、好材料が多く、今後の発展が期待されています。
     他方で、中東情勢における地政学リスクという点においては、今後の展開が予想しづらく、これが6月中旬におけるビットコインの軟調な相場の原因となっています。
     そのため、6月下旬のビットコインの値動きについては、主に中東情勢の動向次第と言えるでしょう。
     そして、メタプラの株価の値動きは、ビットコインのセンチメントが大きな影響を与えることになると思われます。

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