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attentionの掲示板

2022-01-24 21:33
見通し
今週の為替はFOMCにらみ、波乱余地の一方で不安材料の一旦の出尽くしも焦点

今週の為替相場で注目されるのは、25−26日に予定される米FRBのFOMCだ。前週までには利上げ開始の3月への前倒しや、3月の0.5%大幅利上げ、来年にかけての利上げペース加速と利上げ回数の増加、FRBによる資産圧縮(量的引き締め)前倒しなどが警戒され、米国株などの世界株安とリスク回避の円高が後押しされた。

FRBの金融政策については前週末、米金融大手ゴールドマン・サックスのエコノミストが顧客向けリポートで、「今年の金融引き締めは、ウォール街(米金融業界)の現時点の予想よりも積極的なものになるリスクがある」という警告を発した。そのうえで現時点では、「3月と6月、9月、12月の利上げに加え、7月に資産圧縮の開始があると見込んでいる」と指摘している。

26日のFOMC声明や総裁会見で実際に利上げ加速が示唆されると、全般的にドルは下支えされる。一方で米国株の一段安の可能性が、クロス円主導でのリスク回避による円高・外貨安の要因となりやすい。ドル/円はドルの上値抑制や、ドルの下値限定の形でのドル安・円高となる可能性をはらむ。

また、FOMCでインフレ退治への強硬姿勢と利上げ長期化が示唆された場合、1)先行きの米国経済の減速懸念、2)先行きの米減速とインフレ抑制の思惑による米国債金利の低下(米債価格は上昇)、3)FRBによる株価や住宅市場など「資産配慮姿勢」の後退なども意識される。その場合は米株安と全般ドル安、クロス円での円高・外貨安という波乱リスクをはらむ。

ただし、利上げ加速については、前週までに一旦の織り込みも進展してきた。米国では現在、新変異株を含めたコロナ感染が再増加しており、FRBは一定程度「景気配慮」の目配りも必要になっている。同時に米国株は過去高値推移から調整下落となっており、一段の急ピッチでの株安は逆資産効果の形で、米国経済を急失速させるリスクも秘めている。

こうした要因もあり、FOMCでは事前警戒ほど利上げ急加速が示唆されない可能性もある。同時にFOMCが終了すると、一旦は「不安材料の出尽くし」となる展開も無視できない。その場合は全般的なドル安となり、ドル/円はドル安圧力が続くものの、米国株の反発がクロス円での円安・外貨高を支援。ドル/円でもドル安・円高が限定的になったり、小幅なドル高・円安方向に振れる余地が残されている。