投稿一覧に戻る マイクロソフト<MSFT>の掲示板 10 hardWorker 2022年1月30日 18:30 >>9 買ったのは「タイトル」だけではない Activision Blizzardを買収するということは、Xbox Game Passで提供可能な人気タイトルが増える、ということでもある。 「なるほど、だから巨額買収を」と考えれば、確かにわかりやすい。 だが、話はそこまでシンプルでもない。 Xbox Game Passはファンの支持を集めているが、8兆円近い買収額をすぐに取り返せるほどか、というと、若干疑問である。長期的には可能性が高いが、「買収したからすぐ他社を圧倒できる」ような話でもない。 また、単純に「独占」とすることは色々リスクもある。 完全な「Xbox独占」にしてしまうと、マルチプラットフォームで得られていた収益を失うことにもなる。また、Bethesda Gamesに加えActivision Blizzardも、となると、他社のゲームビジネスに与える影響も大きくなり、「独占によって他社のビジネスを阻害している」との観測も生まれる。Bethesda Gamesの買収はFTC(公正取引委員会)の承認を得られたものの、Activision Blizzardについてはどうか……という懸念も出ている。 そうした懸念・課題を払拭するには、少なくとも現在発表済みの案件について、他のプラットフォーム向けへの販売を止めることはしない方が良いだろう。 実際、MicrosoftのGaming CEOであるフィル・スペンサー氏は、自身のTwitterアカウントで、「ソニーとの間で、過去にActivision Blizzardとの間で交わした契約や、PlayStationでの『Call of Duty』の展開は維持される」と発言した。 どこまで維持されるのかはともかく、Microsoftが「単純な独占提供」にこだわっているのではないのは間違いなさそうだ。 そうすると狙いはやはり、Xbox Game Passでの優先提供による差別化、というあたりだろうか。 ただ、それだけでActivision Blizzardの価値を測るのはもったいない。 Activision Blizzardは、スマートフォン向けのゲームでも強みを持っている。カジュアル向けで世界的な知名度をもつ「Candy Crash」シリーズ、eスポーツでも人気のカードゲーム「Hearthstone」がある。この収益も忘れてはいけない。 そしてなにより、スマホ向けも含め、Activision Blizzardのゲームにはファンがついていて、「コミュニティ」が形成されていることだ。ゲームが良いものであり続けるなら、コミュニティを形成するファンは将来も重要な顧客であり続ける。 Xboxというアカウントが重要である、という方針であるMicrosoftにとって、ユーザー数の多いコミュニティは重要だ。彼らがメインのアカウントをXbox Liveに切り替えてくれれば、それだけでも大きな価値を持つ。 ヒットゲームを作るにはコストがかかるが、大きなコミュニティを作るにも同等以上のコストと時間がかかる。 Microsoftが大規模買収をしたのは、「ヒットゲーム」を欲しただけでなく、コミュニティも同時に欲したと思えば理解しやすい。 ソニーや任天堂はどう戦うのか では、ライバルはどう対抗するのだろうか? 任天堂はあまり変わらない。元々「任天堂の世界観」で独自のゲームを提供することで支持を得てきたわけだから、それを継続するだけだろう。実のところ、ユーザー層がXboxやPlayStationと直接競合しているわけでもなく、「どちらも遊ぶ」人が多い。 ソニー・インタラクティブエンタテインメントにとっては、確かに打撃と言える。Microsoftのファーストパーティー陣容が手強くなることは間違いないからだ。 ただ、当面Activision BlizzardのヒットゲームがPlayStationでも出るとすれば、「Activision Blizzardのソフトがない」という不利はない。 ポイントは「Xbox Game Passにどう対抗するのか」という話になるだろう。 今のオンラインサービスであるPlayStation Networkを再編するという噂はあるが、あくまで噂だ。直接的にXbox Game Pass対抗の策を示しているわけではない。同じようなサービスを作るのか、それとも別の形で対抗するのか……。その点はなんともいえない。 ただ、「ゲームのIPを収益に生かす」という意味では、映画化などの方法もある。過去、ゲームの映画化はあまりヒット・良作に恵まれていないが、ソニーはその点、ここから覆すことができるのだろうか。 ITmedia NEWS 返信する そう思う0 そう思わない0 開く お気に入りユーザーに登録する 無視ユーザーに登録する 違反報告する ツイート 投稿一覧に戻る
hardWorker 2022年1月30日 18:30
>>9
買ったのは「タイトル」だけではない
Activision Blizzardを買収するということは、Xbox Game Passで提供可能な人気タイトルが増える、ということでもある。
「なるほど、だから巨額買収を」と考えれば、確かにわかりやすい。
だが、話はそこまでシンプルでもない。
Xbox Game Passはファンの支持を集めているが、8兆円近い買収額をすぐに取り返せるほどか、というと、若干疑問である。長期的には可能性が高いが、「買収したからすぐ他社を圧倒できる」ような話でもない。
また、単純に「独占」とすることは色々リスクもある。
完全な「Xbox独占」にしてしまうと、マルチプラットフォームで得られていた収益を失うことにもなる。また、Bethesda Gamesに加えActivision Blizzardも、となると、他社のゲームビジネスに与える影響も大きくなり、「独占によって他社のビジネスを阻害している」との観測も生まれる。Bethesda Gamesの買収はFTC(公正取引委員会)の承認を得られたものの、Activision Blizzardについてはどうか……という懸念も出ている。
そうした懸念・課題を払拭するには、少なくとも現在発表済みの案件について、他のプラットフォーム向けへの販売を止めることはしない方が良いだろう。
実際、MicrosoftのGaming CEOであるフィル・スペンサー氏は、自身のTwitterアカウントで、「ソニーとの間で、過去にActivision Blizzardとの間で交わした契約や、PlayStationでの『Call of Duty』の展開は維持される」と発言した。
どこまで維持されるのかはともかく、Microsoftが「単純な独占提供」にこだわっているのではないのは間違いなさそうだ。
そうすると狙いはやはり、Xbox Game Passでの優先提供による差別化、というあたりだろうか。
ただ、それだけでActivision Blizzardの価値を測るのはもったいない。
Activision Blizzardは、スマートフォン向けのゲームでも強みを持っている。カジュアル向けで世界的な知名度をもつ「Candy Crash」シリーズ、eスポーツでも人気のカードゲーム「Hearthstone」がある。この収益も忘れてはいけない。
そしてなにより、スマホ向けも含め、Activision Blizzardのゲームにはファンがついていて、「コミュニティ」が形成されていることだ。ゲームが良いものであり続けるなら、コミュニティを形成するファンは将来も重要な顧客であり続ける。
Xboxというアカウントが重要である、という方針であるMicrosoftにとって、ユーザー数の多いコミュニティは重要だ。彼らがメインのアカウントをXbox Liveに切り替えてくれれば、それだけでも大きな価値を持つ。
ヒットゲームを作るにはコストがかかるが、大きなコミュニティを作るにも同等以上のコストと時間がかかる。
Microsoftが大規模買収をしたのは、「ヒットゲーム」を欲しただけでなく、コミュニティも同時に欲したと思えば理解しやすい。
ソニーや任天堂はどう戦うのか
では、ライバルはどう対抗するのだろうか?
任天堂はあまり変わらない。元々「任天堂の世界観」で独自のゲームを提供することで支持を得てきたわけだから、それを継続するだけだろう。実のところ、ユーザー層がXboxやPlayStationと直接競合しているわけでもなく、「どちらも遊ぶ」人が多い。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントにとっては、確かに打撃と言える。Microsoftのファーストパーティー陣容が手強くなることは間違いないからだ。
ただ、当面Activision BlizzardのヒットゲームがPlayStationでも出るとすれば、「Activision Blizzardのソフトがない」という不利はない。
ポイントは「Xbox Game Passにどう対抗するのか」という話になるだろう。
今のオンラインサービスであるPlayStation Networkを再編するという噂はあるが、あくまで噂だ。直接的にXbox Game Pass対抗の策を示しているわけではない。同じようなサービスを作るのか、それとも別の形で対抗するのか……。その点はなんともいえない。
ただ、「ゲームのIPを収益に生かす」という意味では、映画化などの方法もある。過去、ゲームの映画化はあまりヒット・良作に恵まれていないが、ソニーはその点、ここから覆すことができるのだろうか。
ITmedia NEWS