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政府系企業の掲示板

ある政界筋が総裁選直前の27日に「憂慮すべきは、総裁選『断トツ勝利』の可能性を削いだ河野氏のこの間の発言内容である」と打ち明けたものだ。

9月21日に開かれた若手議員の「党風一新の会」代表世話人・福田達夫衆院議員(当選3回=細田派)主催の4候補との意見交換会で、政府と党の関を巡り「国会で説明責任を果たすのは政府だか政高党低でないと困る」とした上で党政調会部会について「ギャーギャー言っているよりも副大臣、政務官チームを非公式に作ったらどうか」と述べたのだ。

この「ギャーギャー」発言は当選4回前後の各部会長以下、政策の勉強に励んでいる若手議員の腰を引かせた。思い付いたら即口にする河野氏の悪い癖が出たのだ。

また、「毎日新聞」(9月 11日付)が見出しで「持論封印、保守に配慮—『脱原発』『女系天皇』軌道修正」等と報じたように、海外メディアは河野氏が自民党内の保守勢力に譲歩して「改革」の旗を降ろしたと半ば失望感を隠さず、日本株の帰趨を制す海外投資家も

また、「河野氏はIdealist(理想主義者)であり、Utilitarian(実利主義者)でもあるのか、そこに矛盾はないのか」と河野「変革日本」への期待に疑心暗鬼が漂いつつあった。

こうした困惑は、恐らく9月10日に設立された衆院当選3期生以下の約90人が参加した「党風一新の会」の面々も同じように感じているに違いない。

さらに、より深刻だったのは9月18日の日本記者クラブ主催の公開討論会で飛び出した原発の使用済み核燃料を再開する「核サイクル問題」についての発言である。

河野氏が外相時代の2019年7月に日米原子力協定が自動延長になったことを勘案せず、原発使用済み核燃料の核サイクル問題について「なるべく早く手じまいすべきだ」と断じてしまったのだ。

発効から30年を迎えた日米原子力協定は18年7月、河野外相時代に自動延長された。日本は放射性廃棄物の再処理を英仏両国に委託し、核兵器に利用できるプルトニウム約46トンを保管する。

日本が唯一の被爆国として「核軍縮」を世界に発信できるのは、日米原子力協定など核保有国の米英仏各国の信頼が礎となっている。「核燃料サイクル否定」発言をバイデン政権がどう受け止めたか、「知米派・河野」に不信感を抱いたことは間違いない。

更に、河野氏がミスったのは9月18日に日本記者クラブ主催で実施された公開討論会での発言である。年金改革について消費税を財源に最低限の年金額を保障する持論を展開し、消費税増税を是認したと受け止められたのだ。

こうした河野氏の不測発言が、大混戦となった自民党総裁選の1回目投票で岸田氏の1位、決戦投票での岸田勝利の遠因となったとされる。