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ニューヨーク原油先物相場が20日の通常取引で前例のないマイナス圏で取引された後、時間外取引でプラス圏に戻している。貯蔵能力の限界が迫るなか、間もなく最終取引を迎える期近5月限に投げ売りが殺到した格好だが、限月交代が進み流動性が低下していたことも値動きを大きくした。時間外では落ち着きを幾分取り戻している。

WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)5月限は日本時間21日朝方の時間外取引でプラス圏を回復し、現在までに1バレル=2.54ドルまで買われている。

20日の通常取引の終値は前週末比55.90ドル安のマイナス37.63ドル。一時、マイナス40.32ドルまで下げた。

相場がマイナスの場合、原油の買い手は原油とともに現金を受け取り、また売り手は買い手に現金を支払う。

5月限を買っていた投資家は、21日の最終取引までに反対売買などで持ち高を処分しない場合、5月に原油の現物を受け取ることになる。

一方、22日から中心限月になる6月限は20ドル台を維持。通常取引を4.60ドル(18.4%)安の20.43ドルで終えている。

WTI原油は期近物より期先物の方が極端に高い「スーパーコンタンゴ(極度の順ざや)」の状態。産油国のさらなる減産への期待と、今後の原油需要の回復見通しを反映している。
貯蔵能力

ラボバンクの17日付のリポートによると、WTI原油の受け渡し場所である米オクラホマ州クッシングの原油貯蔵施設の足元の在庫は5500万バレル。過去最高は2017年に記録した6900万バレルで、あと1400万バレルでこの水準に到達する。

また、貯蔵能力の上限である9200万バレル弱に達するまであと3700万バレル。現行ペースで積み増しが続けば、2カ月足らずでクッシングの施設から原油があふれ出すことになるとリポートは指摘している。

トランプ米大統領は20日、原油価格の急落を受け、米政府による戦略石油備蓄の最大7500万バレル積み増し計画を明らかにした。7500万バレルは米政府の貯蔵能力の余力分に相当する。

大統領はまた、供給過剰を是正するため、サウジアラビアからの原油輸入の停止を検討すると述べた。