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>>156

読売新聞:ありがとうございます。それでは各社さん、お願いします。

海外との物価上昇率の違いをどう見る?
日本経済新聞:日本経済新聞の斉藤と申します。よろしくお願いいたします。今の物価に絡む質問で、関連して2点お願いしたいんですけれども。21年度の物価見通しを下方修正されて、これは携帯電話の影響が大きいということは認識しておるのですが、足元、世界を見渡すとアメリカとか欧州、カナダなどはかなり強い物価上昇率になっておりまして、この彼我の違いといいますか、例えばワクチンの接種の遅れみたいなものが日本は響いて景気、物価の見通しに差が出てきているのかとか、海外と日本の物価上昇率の違いというものを総裁がどのようにご覧になっているかということを教えてください。これが1点目です。

 2点目、先ほどの質問にも絡みますが、じゃあ2%の物価上昇を目指していくときに金融緩和だけで十分なのかと。政府の成長戦略であったりだとか、日銀以外の主体がどのようなことをしていけば物価上昇率が高まっていくとお考えになっているのかというところについても考えを教えてください。よろしくお願いします。

黒田:まず第1点の、2021年度の物価見通しにつきましては携帯電話通信料の引き下げというものがかなり大きく下押ししているということは事実でありまして。一定の仮定を置いてモデル価格について試算してみますと、携帯電話通信料の引き下げは消費者物価の前年比をマイナス0.5からマイナス1%ポイント程度下押しするというふうに見込まれております。従いまして、それがなければ2021年度の物価上昇率というのはプラスであったんだろうというふうに見込まれます。

 なお、米国等の景気回復のテンポ、あるいは物価上昇につきましては、ご指摘のような、1つには景気の回復が著しいと。その背景にはもちろんこのワクチンの接種がかなり進んでいるということもあるでしょうし、大規模な経済対策を打ったということもあるかもしれませんが、そもそも冒頭申し上げたとおり、わが国の物価上昇率につきましては予想物価上昇率というのが非常に粘着的で適合的期待形成に基づいて、なかなか、物価、賃金が上がるということを前提とした経済行動になりにくいという点があるということもあろうかと思います。

 ただ、そうした下でも粘り強く大規模な金融緩和を続けることによって、これまでも経済も回復してきましたし、また、先ほど申し上げたように物価上昇率にもプラスの影響を持ってきたわけですので、今後とも引き続き粘り強く金融緩和を続けていく必要があるというふうに考えております。

最大限の努力で達成せねばならない
 2番目のご質問にも関係しますけれども、もちろん2%の物価安定の目標というものは、これは2013年の1月に日本銀行の金融政策決定会合において2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するということを決めて、それが政府と日本銀行の共同声明にも盛り込まれているというものでありまして、この2%の物価安定の目標を達成するということは、日本銀行としての物価安定の使命に関わるものであり、なんとしても達成しなければならないというふうに思っております。

 その際もちろん、他の要素が影響するということは事実でありまして、例えば原油価格がかなり大幅に下落したということがありまして、これが物価上昇率を押し下げたということもありましたし、さまざまな要因、それから政府の構造政策、成長戦略、あるいは機動的な財政運営等も物価に一定の影響を与えるということはそのとおりだと思いますが、やはりなんとしてもこの2%の物価安定目標を達成するということは、日本銀行としての物価安定という使命、第一の使命に関わることでありますので、最大限の努力をして、これを達成していかなければならないというふうに考えております。

2%はいつごろ達成できると考えているのか
ブルームバーグ:ブルームバーグ、伊藤です。2点お伺いします。1点目なんですが、2%の達成は見通し期間を超えると今お話をされたわけですが、では総裁はいつごろ達成できると今の時点でお考えなのかということが1点目です。

 2点目なんですが、長期金利について伺いたいのですが、前回の会合で変動幅のほうを明確化しましたが、その後1カ月余りが経過して、総裁は長期金利の変動や市場機能の確保の効果についてどのように評価されているのか。市場では変動がその後あまり大きくないということで、日銀がさらに国債の買い入れオペを減額するんじゃないかと、そういう見方もあるようですが、そういう措置の必要性について総裁はどのようにお考えでしょうか。

黒田:まず2%の物価安定の目標を達成しなければならないということは、これは日本銀行としての使命でありますので、引き続き最大限の努力を払っていくということに尽きると思います。現時点での、展望レポートにも示されておりますとおり、政策委員の大勢見通しでは、2023年度でもまだ2%に達しないという状況になっているわけですので、このあと2年でもまだ2%に達しないということが、政策委員の中央見通しであるということはそのとおりだと思います。

 私の個人的な見解を何かこれと別に述べるということは差し控えたいと思いますけれども、先ほど来申し上げているとおり、現在の長短金利操作付きの量的・質的金融緩和というのは非常に強力な金融緩和措置でありますので、これを粘り強く続けることによってGDPギャップのプラスをできるだけ長く続けて、それによって実際の物価上昇率も徐々に上昇していくということを実現し、そういうことを背景に予想物価上昇率も上昇していくというプロセスによって、2%の物価安定目標を達成できるというふうに考えております。

明確化された範囲内で変動することを想定
 それから長期金利の変動幅の拡大、拡大というんじゃなくて、私どもが申し上げたような明確化ですけれども、これは3月会合で市場機能の維持と金利コントロールの適切なバランスを取るという観点から、長期金利の変動幅について上下にプラスマイナス0.25%程度ということを明確化したわけであります。こうした観点から国債買い入れオペの実務的な対応として、事前に示す買い入れ予定額についてレンジから特定の金額に変更するとともに、長期金利が変動幅の上限または下限を超える恐れがある場合以外は、買い入れ額を調整しないということに変更したわけでありまして、こうした下で長期金利については経済・物価情勢等に応じて、この明確化された範囲内で変動するということを想定しております。

 もっとも、別に日本銀行は意図的に長期金利を変動させるということではなくて、経済・物価情勢に応じて明確化された範囲内で変動するということを想定しているということであります。

金融政策はどういうことができるのか
時事通信:時事通信の【イトウ 00:22:42】と申します。いわゆる経時回復といわれている中での金融政策の在り方についてお伺いしたいと思います。今回の展望レポートでも21年度、22年度の実質GDP成長率については、従来予想よりも改善が進むという見通しを示されています。一方で飲食や宿泊など、対面個人サービスについては、相当期間、現状を考えれば下押し圧力というか、厳しい状態が続くと思います。

 先般、総裁は企業の資金繰り支援を柱とするコロナ対応策に関して、必要があればさらなる延長を検討するというご発言、講演の中でもされていましたけれども、こういう全体として改善傾向にありながら、一部に相当厳しい状況が集中してしまっているという中で、こういったコロナ対応策を含めた金融政策はどういうことができるのか、どういうことがあるべき姿なのか、その点についてご見解をお伺いしたいと思います。

黒田:もちろん金融政策はマクロ経済政策ですので、特定のセクターだけに絞ってうんぬんするということではないわけですけれども、ただ、このコロナ感染症の下で、企業の資金繰りに厳しさが増したということを受けて、現在の3本柱で企業の資金繰りを支援するとともに、金融資本市場の安定を図っているわけですけども、ご指摘のような形で全体として改善していっても、例えば対面型のサービス部門等、かなりの部門で資金繰りの厳しさが残るということであれば、当然このコロナ対応特別オペの延長ということもありうるというか、考えるということになると思います。

 そういう意味では、マクロ経済全体を見つつも、今回のコロナの感染症の影響によって、かなり大きく深刻な影響を受けている、そういう対面型サービス部門の資金繰りというのは、やはり引き続きしっかり支援していく必要があるというふうに考えています。

  • >>157

    日銀・黒田総裁会見4月27日(全文2)2%達成が24年度以降でも致し方がない

    日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の27日午後、記者会見を行った。

    ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が記者会見(2021年4月27日)」に対応しております。

         ◇     ◇

    22年度GDPの予測の背景を聞きたい
    ロイター:ロイターの木原ですけれども、2点あります。1点目は2022年度のGDPの成長率予測、ずいぶん上方修正されて、21年度は1月対比ではそれほど修正されていないと。このわりと強めな2022年度のGDPの予測の背景について伺いたいのが1点目です。

     2点目について、特にFedを中心に主要中銀の中では、世界経済の回復見通しはワクチンの接種が順調に進んでいる中、インフレの期待、成長率の強まりを受けて、市場の一部で早めに出口を見せる動きもあるんですけれども、すぐには出口には向かえないというのはFedのパウエル議長も明確にしていますが、一方で各国、成長やコロナ後からの回復にばらつきが見られると金融政策の方向性も少し変化が出てくると思われるんですが、そうした場合、これまではわりと統一方向で緩和姿勢だった中銀の姿勢によって為替が安定していたと思うんですけれども、市場の動きにこうした変化、各国中銀の動きの違いがどう影響を与えるのかお願いします。

    黒田:2022年度の成長見通しというのが、失礼しました。2021、2022と上方修正しているわけですけれども、特に2022年度の成長見通しは前回の見通しに比べますと、0.6%ポイント上方修正しているということで、かなり上にいっているわけですけれども、それでも2.4%の成長っていうことですので、なんかすごく強い見通しをしたというよりも、かなり自然な形でこういうふうになっていくというふうにみているんだと思います。

     これは第一には冒頭申し上げたように、世界経済の回復の傾向がかなり明確になってきて、世界貿易、あるいは世界生産はもうコロナ前の水準に近づいているっていうか、もうコロナ前の水準に達しているわけですけれども、そうした下でわが国の輸出も生産も増加を続けていると。

     そういうことで企業収益も改善し、設備投資も底堅い状況が続いているということがありますので、2021年度はこの2020年度のマイナスからの回復っていうことで、4%の成長となっており、2022年度は2.4%になっていますけれども、いわば2020年度に落ち込んだ分を、2021年度に取り返して、そしてさらに2.4%の成長というふうに見込んでいると。それは今申し上げたような世界経済の回復の状況、あるいはわが国の生産、あるいは企業設備投資等の動向を踏まえて見通したものであるというふうに考えております。

    各国の経済動向に応じて金融政策が展開される
     それからFedの金融政策の動きについては私から何か申し上げるのもせんえつですけれども、確かに昨年来、コロナ感染症が世界的に広がる中で、主要国の中央銀行は皆、大幅な金融緩和を続けてきたわけですが、もちろんそれぞれの金融政策っていうのは、それぞれの国の経済・物価動向に合わせたことをやっておられるわけですので、それぞれの国の経済動向に応じて金融政策っていうのは展開していくと思います。

     仮に、そういったことで外国とスピードとか、成長のスピードの違い、物価上昇率の違い等に応じて金融政策が主要国の間で若干違いが出てきても、それは典型的には金利格差で為替が動くという議論だと思いますけれども、ご案内のとおり、このところずっと主要国の間の為替レートっていうのは極めて狭いレンジで動いて、安定していまして、それは金利格差うんぬんよりも、2%の物価安定目標を目指して各国の中央銀行が金融政策を運営しているっていうことが、いわば収斂して、同じ状況になっているっていうことがより効いているように思いますので、もちろん十分注意しなくちゃいけないとは思いますけども、何かそれぞれの経済状況に応じて金融政策が変わったときに、何か為替について、主要国の為替について、大きな影響が出るというふうにはみておりません。

    今の金融施策を続けることで達成できるのか
    産経新聞:産経新聞の大柳です。すいません、また2%の物価目標についてお聞きしたいんですけども、相当長く、総裁就任してから8年達成できなくて、本日の展望レポートでも2%に届かないということで、長期化が予想される中で3月、点検して副作用に対する対策も打ったということなんですが、23年度以降となると総裁の任期が終わったあと達成するということになるんですけれども、3月に手だてした副作用対策でも、しばらく今の金融施策、粘り強くやることで2%を達成できるのでしょうか。その辺りのお考え、お願いいたします。

    黒田:これはそれぞれそのときそのときの経済・物価動向に応じて金融政策決定会合で金融政策、決めるわけですので、2%の物価安定目標を達成のために必要となれば、先ほど申し上げたようにちゅうちょなく追加的な金融緩和を講じると、あるいはそういうことができるような機動性、持続性を高めるような点検も行いましたので、そういうことになると思います。

     そうした上で現在の政策委員の見通しの中央値で言いますと、確かに2023年度でも物価上昇率は2%に達しないということは事実ですので、この見通しということであれば、2%の達成は2023年ではなくて、24年度以降ということになろうと思います。

     私の任期は2023年の4月だったと思いますけども、あまりそういう任期内にどうこうとか、そういうことは必要ないことだと思いますので、いずれにせよ最大限の努力を払っていくということですし、その結果として達成が24年度以降になったとしても、それは致し方ないというふうに思っております。

    続投する考えは頭の片隅にあるのか?
    テレビ東京:テレビ東京の大江と申します。よろしくお願いいたします。まずは成長率見通しについてお伺いしたいんですけれども、先日、4月6日に公表されましたIMFの世界経済見通し、これで見てみましてもイギリスですとかアメリカですとか、ほかの先進国と比べて日本の成長率見通しというのは力強さがないといいますか、弱めに出ていますよね。この理由というのをどう分析していらっしゃるのか。これは、ワクチン接種の進捗というのも影響してくるとみていらっしゃるのか、その辺りも含めて教えていただきたいです。それがまず1つ。

     そしてもう1つですけれども、物価目標2%の達成というのがなかなか黒田総裁の任期中は難しそうだという見通しが出たわけなんですが、この任期満了後、ではその物価目標2%の達成を見届けるためにも、もう1期続投する、こういうことは頭の片隅におありだったりするのかどうか、これもお願いいたします。

    黒田:成長見通しにつきましては、確かにIMFの見通しで非常に明確なのは、中国と米国がかなり今、急速に成長を回復していくというシナリオになっているわけですね。ただ、そのほかは区々でありまして、例えば欧州諸国も、それからわが国もそうなんですけども、米国、中国に比べると回復の展望がかなり遅いということであります。

    2%目標自体は極めて正しい決定
     そうした中で、ワクチンうんぬんというのは確かにあるわけですけれども、これが、ワクチン接種が進めば、人々が安心して外出できるということで、対面型サービス消費が回復するということにつながりますので、ワクチンの接種が進むということが回復を加速するというか、前倒しにするという効果があることは事実なんですけども、IMFの見通しを見ていただいても分かりますように、例えば英国は非常にワクチンの接種が進んでいるわけですけども、IMFの見通しだとほかの欧州諸国の成長見通しとあまり違わないというか、ドイツなどよりもやや遅いというふうになっていますので、ワクチンだけで何か決まってくるということではなくて、やはりそれぞれの国の潜在成長力とか、そういうものと、それから落ち込んだところからの回復というのと、両方の面があるんだと思います。

     そういう意味では、わが国の場合は潜在成長率が従来から1%前後と。リーマンショック後は1%を割っていたわけですけれども、そういう形で米国などに比べると潜在成長力がかなり低いということがまずあったと。それからもう1つは、確かにワクチンの接種が進んで、対面型サービスが米国の場合はかなり急速に回復しているということが成長率の急速な回復に効いているということはあろうと思います。

     2%の目標、これは日本銀行としての物価安定の使命ということに関わることであり、私が総裁になる前の時代にすでに2%の物価安定の目標というものを決められていたわけです。私はこれ自体は極めて正しい決定だろうと思っていますし、今後もそういう形が続いていくと思いますが、ご指摘のようにもう1期やりたいとか、やるとか、そういう、そもそも総裁の任命というのはご案内のとおり、国会の同意を得て内閣が任命するという話ですので、私の個人的なうんぬんとはまったく関係ないと思います。