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呼吸困難の掲示板

日本は家族に金を借り、米国は他人から借金をする
 日本の巨額の財政赤字も議論の的だが、海外から借りまくっている米国とは違って日本は身内(日本国民)からの借金が中心だ。個人的に日本国債を保有している人はそれほど多くはないであろうが、我々の資金を運用している投資信託、年金をはじめとする機関投資家は大量の日本国債を保有している。

 だから、日本は米国のように海外からの借金が返せなくなって破綻することは無いという意見は正しい。しかし、それは「破綻の被害者が外国人なのか日本国民なのか」という違いだけである。

 例えば父親の事業に息子が資金を融通して返せなくなっても、父親の会社は(法的に)倒産しないが、息子の資産が消えてなくなってしまうことには変わりが無いのと同じだ。

 預金封鎖については、冒頭の「コロナ危機で、じつは『銀行預金』より『株』が安全になりそうなワケ」6ページ目で述べたように、現行憲法の規定に基づいて行うことは難しい。

 しかし、日本国債が償還不能になったり、あるいは金利が高騰して暴落したりすることはあり得る。

 日本の場合は円(紙幣)が紙くずになることよりも「国債」が紙くずになることを心配したほうが良いかもしれない。

 例え直接国債を保有していなくても、前述のような機関投資家を通じて実質的に保有しているし、我々が預金を預けている銀行も少なからぬ国債を保有しているのだ。

 もちろん、昨年4月14日の記事「コロナ危機で、じつは日本が『世界で一人勝ち』する時代がきそうなワケ」で述べたように、日本の将来には強気だが「いつやってくるのかわからない危機に常に備えるべき」ことはバフェットも強調している。

 また、2月28日の記事「1400年の歴史、世界最古の会社が日本に存在している…!」で述べたように、日本の目覚ましい発展の前には、黒船来航や第2次世界大戦敗戦などの危機があった。

 パンデミック以上の危機がやってこない保証はないから「備えあれば憂いなし」である。