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不動産セクター&リートは、【近寄りがたい投資商品】
賃料減免、REITに影
ホテル系最大手、分配金98%減 商業施設に波及も

2020/5/17付日本経済新聞 朝刊

新型コロナウイルスの影響で、家賃の減免交渉に乗り出す企業や個人が増えている。不動産を保有して賃料などの収入を投資家に分配する不動産投資信託(REIT)では、ホテル系の最大手で実際に免除に応じる例が出てきた。減免の動きは商業施設などにも広がりかねない。テナントが賃料を払えない場合にどう負担を分け合うのか、不動産業界が直面する問題の前触れとなっている。

先週の東京市場では、ホテル系REIT最大手インヴィンシブル投資法人の投資口価格(株価に相当)が24%下落した。2020年6月期の1口あたり分配金の予想を30円としたためだ。19年12月期の1725円に比べ98%減る。

分配金減額の理由は、ホテル運営会社マイステイズ・ホテル・マネジメント(東京・港)の支援にある。マイステイズはインヴィンシブルが国内で保有する83ホテルのうち73を運営し、同REITに賃料を払っている。新型コロナの影響で宿泊客が減り、賃料を払えなくなった。

両社の交渉の結果、賃貸契約を変更し、3~6月分の固定賃料を免除する。同REITの収入は急減し、投資家への分配金を減らさざるを得なくなった。

REITに限らず不動産業界では、新型コロナの影響でテナントの収入が減った場合に、家主も賃料を減免して負担を負うべきかが大きな問題になりつつある。宿泊需要が「蒸発」したホテル系のREITで、いち早くこの問題が表面化した。


フォートレスは、訪日外国人が急増し始めた13年ごろから、次々に買収し、運営をマイステイズに変更。稼働が安定したら物件をインヴィンシブルに売却し、投資資金を回収した。

◇REITと主要な施設運営会社が同グループという関係は、ホテル系や商業施設系に多い。同様の対応が広がれば「構造問題が意識され、近寄りがたい投資商品とみなされかねない」(アイビー総研の関大介氏)。

イオンモールやイオンリテールは4月、運営するショッピングセンター(SC)に出店するテナントの賃料減免を発表した。SCを保有するのがイオンリート投資法人だ。商業施設系では同様の減免が多く出て、REITや投資家側にも負担が及ぶ可能性があ