ここから本文です
Mystery Zone
投稿一覧に戻る

Mystery Zoneの掲示板

【解説】トンガ噴火「謎の潮位上昇」原因とは…噴煙で“日照不足”懸念も
1/17(月) 20:27配信
日本テレビ系(NNN)

「まるで月面」現地の被害状況は…日本で“謎の潮位上昇”発生

16日未明に津波警報や注意報が出て、驚いた人も多かったのではないでしょうか。その原因となったのは、15日にトンガで起きた大規模な噴火でした。なぜ起きたのか。また、今後も様々な影響が出そうなので、詳しく解説します。

    ◇

AFP通信によると、トンガでは、15日の大規模噴火により海底ケーブルが切断され、ネット環境の復旧に最大2週間かかる可能性があるとしています。

また、ニュージーランドメディアによると、トンガの首都に滞在中の外交官は、噴火後の現地の様子について、あたり一面、火山灰に覆われ「まるで月面の風景のようだ」と話しているということです。

オーストラリア当局は、これまでのところ多数の犠牲者が出ているとの情報は入っていないとしていますが、道路や橋などには甚大な被害が出ているとして、現地に哨戒機を派遣し詳しい状況を調べています。

時系列を整理します。

日本時間15日の午後1時ごろ、トンガ諸島付近で海底火山の大規模な噴火が発生しました。

その30分後、トンガの首都で80センチの津波を観測し、午後7時ごろにはトンガと日本の間にあるナウルで数センチの津波を観測しました。

これを受けて、気象庁は「日本に津波が来たとしても最大20センチ未満」と判断し、津波注意報の発表を見送りました。

気象庁担当の記者は、「トンガで津波が発生してナウルで数センチだったら、それより遠い日本では注意報を出すほどの津波がくるというのは考えにくい」と気象庁が判断してもおかしくはなかったと話していました。

また、日本に津波が到達するのは、早くても午後10時ごろという予測でした。

しかし、実際にはそれより早い午後8時ごろ、日本各地で、津波ではない“謎の潮位上昇”が確認されました。

そして午後11時ごろには、小笠原諸島・父島で50センチの潮位上昇を観測しました。さらに、16日午前0時前には、鹿児島県奄美で1メートル20センチの潮位上昇を観測しました。

気象庁は、突然の潮位上昇に対し、午前0時15分、急きょ、日本列島に「津波警報・注意報」を発表しました。

この影響で、一時は全国8県の55市町村、およそ23万人に避難指示が出ました。

潮位上昇の原因か…“衝撃波”で海面はどう変化?

日本は、津波の観測・予測レベルが高いと言われているはずなのに、なぜ「謎の潮位上昇」が実際に発生してから津波警報・注意報が出ることになったのでしょうか。

結果的には後手に回った形となりましたが、気象庁は「今回の潮位変化は地震に伴い発生する通常の津波とは異なる」としていて、これまでに経験したことのない事例で、「予想がつかなかった」と会見でも述べています。

「津波とは違う潮位上昇」について、津波防災に詳しい常葉大学・阿部郁男教授に聞きました。

地震による津波は、地震で海底が隆起し津波が発生します。海面全体が盛り上がり、津波が沿岸に到達するわけです。

しかし、今回考えられている原因は、噴火による衝撃波です。

15日の噴火をとらえた衛星画像では、噴火とともに円が広がっていくのが分かります。これが衝撃波です。一気に広がっていきました。

阿部教授は、「今回は、この衝撃波によってぐっと海面がおされ、複雑な波が発生し、大きな潮位の変化となって沿岸に押し寄せたと考えられる」といいます。

とにかく、今回の衝撃波は桁違いに大きかったということです。AP通信によると、一番遠くでは、火山からおよそ1万キロ離れたアラスカでも、噴火による衝撃音が確認されたといいます。それほど、衝撃波は大規模だったということです。

南半球のトンガから北半球の日本でも、潮位の上昇を発生させました。その後、潮位の振れ幅は徐々に小さくなり、今後、被害をもたらすような潮位の上昇は考えにくいということで、気象庁は16日午後2時にすべての津波注意報を解除しました。

今後、生活への影響は…“日照不足”懸念も

今後、私たちの生活にどのような影響が考えられるのでしょうか。

先ほどの阿部教授は火山灰の影響が考えられるといいます。

この噴火による噴煙は半径300キロメートルと北海道に匹敵する広さで、噴煙の高さは16キロと成層圏にまで到達していると考えられています。16キロとは、富士山の4.2倍の高さになります。

阿部教授は、噴煙が成層圏にまで噴き上がると下りてくるまでに時間がかかるといいます。そうなると、太陽光を遮って日照不足になったり気温を下げたりすることがあるといいます。

農業などへの影響が数年続く可能性もあるというわけです。

実際、1991年にフィリピンのピナツボ火山が噴火した時は北半球の平均気温が0.5℃低下したということです。

この影響が続き、同じ北半球の日本では、1992年、1993年の冷夏につながり、「平成の大凶作」といわれた冷害につながりました。

今回の噴火は南半球なので日本には影響ないかもしれませんが、注意して見ていく必要があります。

    ◇

津波は地震で起きるというイメージがありますが、火山がたくさんある日本では、「火山津波」の存在も意識して、今回の知見もしっかり教訓に学んでいきたいです。

(1月17日午後4時30分ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

  • >>6

    トンガ火山噴火による衝撃波が地球1周して再来か 今朝も各地で気圧変化
    1/17(月) 17:37配信

    今日17日(月)の朝9時前から10時過ぎにかけて、日本全国で一時的な気圧変化が見られました。同様の変化は一昨日15日(土)の20時台から21時台にも観測されています。

    この気圧変化は、日本時間の15日(土)昼過ぎにトンガの火山島フンガトンガ・フンガハアパイが噴火した時の衝撃波「空振」によるものとみられ、今日午前には地球を1周して再び到達した可能性があります。

    ウェザーニュースが独自に全国約3000箇所に設置している観測機「ソラテナ」による気圧変化をみると、関東や伊豆諸島など日本列島の南東側から同心円状に、気圧の上昇を示すオレンジ色のマーカーが通過する様子がわかります。

    15日(土)夜に観測されていた急な気圧変化は2hPa程度の大きさでしたが、今朝の観測は大きい所でも1hPa差程度でした。低気圧や高気圧のような大きな変化ではないものの、30分程度の短時間に変化が起こっていたことが特徴的でした。

    ◆「空振」が地球を1周して再び到達か
    この今朝の気圧変化は、トンガの火山で15日(土)に発生した大規模な噴火による衝撃波「空振」が、地球を1周して再び日本に到達したことで引き起こされた可能性が考えられます。

    トンガから日本の距離と、地球一周の距離を考慮した場合、衝撃波の速度が一定であったと仮定すると、地球を一周して再び日本に到達する時間帯は17日(月)9時前後と想定されていたため、ほとんど一致しています。

    また、地球を反対回りで進んできた空振が昨日16日(日)の17時から18時頃に日本付近を通過したとみられ、同時間帯にも微小な気圧変化が観測されました。

    ◆空振により津波が発生か
    東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授によると、トンガで発生した大規模な火山の噴火に伴う空振が、日本を含む環太平洋各地での津波を発生させ、津波を大きくした可能性があるとのことです。

    実際に今回観測されている津波は、海中を伝わる“通常の津波”にはあてはまらない特徴がある一方、気圧の観測とは対応関係が良好です。

    なお、気圧の観測からもわかるとおり、空振が地球を一周したことで減衰していると考えられ、新たに大きな津波を発生させる可能性は低下していると考えられます。アメリカ領サモアでは今日17日(月)明け方に再び顕著な海面変化があり津波注意報が発表されましたが、これは地球を一周した衝撃波の影響であったことも否定できません。

    ウェザーニュース