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鉄火場を楽しく泳ごう会の掲示板

韓国への輸出規制の背景に見え隠れする中国の国家戦略(特別寄稿)
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①フッ化水素

サムスンは現在中国の西安にフラッシュメモリ工場建設にむけて2兆円規模の投資を進めていることを明らかにしている。ここで当然疑問に思うのが「この工場で使われるフッ化水素はどこから入手するのか」ということだが、韓国に超高純度フッ化水素を作る技術がない以上、日本から輸入されたフッ化水素が韓国から中国に横流しされている可能性が高いと言わざるを得ない。ほぼ100%といってもいいだろう。

他方で日本はホワイト国ではない中国に対していわゆるキャッチオール規制に基づき原則130nm以下の線幅の集積回路の製造技術の輸出を厳しく貿易管理をしている。つまり日本は安全保障上の理由で中国に最先端の半導体プロセス工場ができることを必ずしも歓迎していない。それにも関わらず日本が管理できない形で、韓国が中国に最先端の半導体工場の投資を進め、ましてや日本からのフッ化水素が韓国から中国へ横流しされているという事態は到底受け入れられない。


②EUVレジスト

こちらはもっと切迫している。

現在中国は「中国製造2025」というビジョンを掲げており、半導体の国産化をめざすことを公言している。これに対してアメリカは激しく反発しており、米商務省は中国政府肝いりのDRAMメーカーであるJHICCを標的に知財訴訟や輸出規制などの施策を続けざまに打っている。つまりアメリカから技術を手に入れる道は絶たれている。では中国はDRAM製造技術をどこから手に入れようとしているかというと当然韓国である。中国の公正取引委員会はDRAM主要三社(サムスン、SKハイニックス、Micron)に対して技術移転を強制すべく圧力をかけている。

③フッ化ポリイミド

これは有機ELの製造プロセスにおいて重要な役割を果たす材料である。他方で2018年11月にサムスンディスプレーから中国パネル企業に大規模な先端技術の流出事案があったことが広く報道されている。この流出事案は製造装置メーカーも絡む組織的な事案との疑いもある。そしてこのフッ化ポリイミドについても当然輸出貿易管理令別表5等に基づいて中国に厳しく貿易管理されている品目である。

http://agora-web.jp/archives/2040232.html