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4587-PEPTIDREAM研究会(中・長期ホルダー専用)短期・売り煽り禁止!!の掲示板

ペプチドリーム ペプチドリーム、大型提携後も「まだ成長する」自信の背景、肥満治療薬の併用剤開発でも独自性(3)
2024/07/10 14:23

 自社で行うのは前臨床試験まで、治験以降の開発・販売はパートナーに任せるのがPDの基本方針。ただし国内の放射性医薬品だけはPDRファーマの機能を生かし、治験以降も一貫して自社開発を行うことになっている。

 今年6月4日、腎細胞がん向けの放射性医薬品の特定臨床研究が国立がん研究センター
東病院などで始まった。今回はリンクメッドの3相と同じ核種「カッパー64」を使う診断用の放射性医薬品の試験となり、「P0(フェーズゼロ)」という耳慣れない治験段階に位置付けられている。実際に人に開発薬を投じてその治療薬としての安全性を確かめるのが治験1相(P1=フェーズ1)だが、その前段階だ。

 放射性医薬品では「セラノスティクス」というほかのモダリティにはない特長がある。核種を変えるだけで診断と治療を一体でできるものだ。診断を担う「P0試験」では極微量の診断用核種で人への安全性を維持しながら、がんの分布・集積具合を正確に把握する。

 その後で治療用の核種を使った1相治験に移ることになるが、P0での精緻な診断結果が使えるため、効率的な治験デザインができ、治験期間の短縮につながる。いきなり1相に入って患者の安全性に被害を及ぼすリスクを軽減できるだけでなく、P0ではP1で治療薬を使った場合のある程度の有効性など、その実現可能性示す(初期POC=概念実証)も得られる大きなメリットがある。

 要は、P0に到達すればP1入りとその成功度がある意味読めるので、放射性医薬品の開発進捗を測るうえで、P0は重要到達点(マイルストーン)と言える。このP0試験も、ほかのモダリティが持ち得ない放射性医薬品の強力な武器となり得るものだ。

 実はこのプログラムは薬剤の同定から2年もしない「超速」でP0に入った点で、PDRファーマ買収後のペプチドリームのこの分野の開発力の高さを示すものになっている。


 今回の発表はPDの自社開発プログラムが大きく前進したことを含めてその実力を内外にアピールできる絶好のチャンスになっている。2024年下期から2025年上期にこのデータが出て、2025年内に1相に入れる可能性が出てきた。