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株価への上方圧力を生み出している第1の変化が日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れだ。日銀は2010年にETFの購入を始め、継続的にETFを通じて日本株を買っている。株価下落時にETFを買い下値を支えるというのが、市井の投資家が描く日銀の姿だろう。

しかしそれだけを見ていると、大きな構造変化を見逃すという市場関係者は多い。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「日銀が一度に買う日本株は500億円程度だが、それが積み重なる『ストック効果』を生んだことで株式相場に大きな影響を与えるようになっている」と指摘する。

ポイントは日銀が株式を放出しない主体であるということだ。ETFの購入を始めて10年超、日銀がETFを売ったことはない。ニッセイ基礎研によると、日銀が保有するETFの時価は50兆円を超えた。日銀は東証1部の7%ほどを保有しているニッポン株式会社の実質的な筆頭株主だが、株式市場からみると、日銀は現状では株式を吸収する主体にみえる。

第2の変化が、自社株を買い入れる上場企業が増えたということだ。企業統治改革の進展で、上場企業も株式を市場から吸収する主体として定着した。半面、実質的な希薄化を招く自社株の売り出しなどの行動は忌避される傾向が強まっている。日経ヴェリタスの試算によると、東証1部で実質的に売買されている株式は足元で発行済み株式の60%を割り込み、5年前と比べると5ポイントほど減っている。