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ワンマン経営とされたホワン氏がインサイダー取引疑惑で香港の証券規制当局と米証券取引委員会(SEC)の摘発を受けてからは、タイガー・アジアで働いていた日本人を含む従業員の多くが会社を去り、タイガーの威光は消えたかと思われた。

ホワン氏はインサイダー情報を違法に利用して中国の銀行株を空売りした疑いで、12年に4400万ドルの制裁金をSECに支払って和解した。こうした「前科」がありながら、アルケゴスと取引した野村やクレディ・スイスは法令順守やリスク管理のあり方が問われそうだ。

注目されたもう一つの死角が「ファミリーオフィス」だ。アルケゴスは、富裕な個人投資家や家族の資産を運用し、税務や寄付などの助言なども請け負うファミリーオフィスという分類だ。ヘッジファンドと似たような運用をしながら、保有株のSECへの報告など多くの規制が免除されている。巨額の投資ポジションも開示されない状況で投資銀行が手数料目当てにこぞってアルケゴスと取引したことが、今回の相次ぐ追い証発生につながった可能性がある。

過去数年間にヘッジファンドがファミリーオフィスに転換する例が相次いでおり、「次のアルケゴス」が出てもおかしくない。SECは規制を見直す必要があるかもしれない。アルケゴスを巡る巨額損失は長い間米金融市場の死角となっていた問題をあぶり出した。