やさしい株の談話室２の掲示板

我が家の寝室の窓際のカーテンの側に、もう１０年くらい、スパティフィラムの鉢植えが置かれています。
緑色の長い葉に、スラリと伸びた白い花包の姿が都会的で、インテリアとして部屋を引き立てて、とても好きなのです。
長く経つ間にどんどん株が増えて、毎年みたいに鉢を大きくしてきたら、持ち上げることも難しいほど立派な鉢植えになりました

去年、進行が進んだ癌が見つかって、何時間もの大変な摘出手術を受け三週間ほどで、やっと退院しても、その後、三日治療して、家に戻って療養しながら二週間体力を戻し、また、治療というスパンで入退院を繰り返す・・苦しくて辛い一年でした
もうこのまま命が終わってしまうのではないか・・と思って、不安に苛まれながら過ごしていました。

家事をしたこともない夫が、一人暮らしになって、買い物をしたり、食事を作ったり、洗濯をしたりと、必要最低限のことだけでも、疲れているのはわかります。
2階の寝室に置かれているスパティフィラムの事も気になっていたのですが、
それ以上「水をやってね」まで言えませんでした。
近年の信じられない猛暑で、寝る時以外の昼間は冷房もしていない炎暑の2階に鉢を置いてあるのですから、枯れてしまうだろうと諦めていました。

家に一旦戻れた時、2階の寝室に行ったら、なんとスパティフィラムは、冴えた緑色の葉で迎えてくれました。驚きと共に、嬉しかった。
家で過ごしている間に、枯れても仕方のないほどの環境だったはずのスパティフィラムの葉の間から小さな白い花の蕾が出てきた時、不安に満ちている私が「あぁ、生きていられるかも」という希望の灯りを見た気がしました。

それまでも植物や花は好きでしたし、愛してはいましたが、花がいかに人の心を癒し、励ますか・・という、とてつもないパワーに初めて知った思いです。

夫が私を慰め、励ましたくれた花へのお礼の気持ちでしょう、大きな鉢を2階から持って降りて、今年の春、鉢の土を入れ替えしてくれました。
そうしたら今年の鉢植えには見事に大きな白い花が次々咲いてくれています。
次に咲く蕾もたくさん待ち構えています。
なんだか私の象徴みたいに思えて、見るたびに幸せな気分になります。
植物ってすごいです。