ここから本文です

2017/06/09 23:34 日経速報ニュース 649文字

創薬ベンチャーのアンジェスMGは、特別な機能を持つ遺伝子を使い血管の病気を治す遺伝子治療薬について、今年10月をめどに厚生労働省に製造販売の承認を申請する。承認されれば国内初の遺伝子治療薬となる。遺伝子治療薬は次世代医療の柱と期待されており、政府が日本での早期開発を支援している。アンジェスは2018年にも発売を目指す。
開発中の「ベペルミノゲン」は、血管が詰まり足が壊死(えし)する「重症虚血肢」の薬として申請する。患者の足に注射すると、血管を新たに作り血行を促進する作用がある。手術などを伴う従来の治療法よりも患者の負担が軽く済む。1995年に大阪大学の森下竜一教授らのチームが開発し、アンジェスで実用化を目指してきた。
虚血肢の患者は国内に10万~20万人おり、その1割程度が投与対象になる見込み。販売は提携先の田辺三菱製薬が担う。
政府は先進的な医薬品を国内でいち早く実用化するため、医薬品の審査制度を一部緩和している。再生医療や遺伝子治療品について、実用化までの手続きを大幅に緩和する早期承認制度を14年11月に導入した。
アンジェスの申請は2回目となる。08年に申請した時は追加データが必要となり取り下げた。その後早期承認制度が整備され、これを活用するための臨床試験を14年から国内で実施しデータを集めていた。
新制度では市販後にデータを収集し再度正式な承認を得る必要があるが、欧米に先駆けて先進的な薬が日本で実用化される道筋がついたことで、製薬各社の国内開発が加速する可能性がある。