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てくのふぁんだの掲示板

【11】 是川銀蔵氏について


『(自伝) 波乱を生きる (相場に賭けた六十年)』 (是川銀蔵 著 / 講談社)


1. 是川銀蔵 略歴
  1987(明治30)年 - 1992(平成4)年
  最終学歴:高等小学校卒業でありながら、事業・投資で成功し、
  やがては関西大学の教壇に立ち、講義を行うまでに・・・。


2. 同著引用抜粋

 (1) P.104 - P.109

   (31歳時) ・・・3年間、毎日のように・・・図書館へ通いつづけ、
  経済関係の本や資料をあさりつくした。 ・・・世界各国の数十年に
  わたる経済統計を調べ、物価、景気、株価の変動や消費動向を徹底的
  に分析した。 ・・・図書館から帰った後も毎晩、家で12時、1時過ぎ
  までノートを整理し、自分だけの資料を作っていった。

     (その結果の発見・到達)

   ・・・資本主義の経済変動に(は)時代を越えた原理的なひとつの一
  定の大きなリズムがある。・・・
   資本主義経済は、絶えず次なる状態に移行していく波動を繰り返す。
  金融パニックが起こったりするのは、そこにおける利潤の追求の機構
  そのものが混乱を起こさせるもので、利潤を追求する以上は、経済の
  変動は不規則ではあるが、一定の大きなリズムで起こるのは避けられ
  ない。
   いわゆる経済変動は経済の実態からくる自然現象なのである。

   たとえば、経済の波が下降線を辿っていても、それは永久的な下降
  ではなく、下ることが次への状態に移行する、エネルギーになる。
   また、経済が上昇線を辿っていれば、それは次の状態として下降へ
  のエネルギーを貯えつつある。
   経済変動の波に大きな差があるのは、その時の政治を始めとする経
  済を取りまく環境条件に変化があるためなのである。

   「経済には永遠の繁栄もなければ、永遠の衰退もない」、これこそ
  資本主義経済の本質なのだ。 そして、経済変動の大きなリズムは、
  株式相場の実態に現れてきていることがつかめたのである。
  
    (  続 く )