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「脂肪肝疾患の再定義に関する中国肝臓学会の見解声明」
がありました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34019941/
 (著者の一人に F351の試験に加わったLungen Lu氏がいます)

この報告によると、中国では脂肪肝疾患がどんどん増えているそうです。しかし、この脂肪肝疾患を従来のNAFLDという非アルコール性脂肪性肝疾患の定義で捉えると、脂肪肝疾患の実態を正確に評価できなくなる問題があると指摘しています。

その理由は、NAFLDの診断には原因がアルコールやB型肝炎を除外する決まりがあるためで、例えば中国に多いB型肝炎の人がNAFLDを合併した場合でも、その人は分類上はNAFLDとは診断されないという不具合が生じるからです。

このような人は、B型肝炎としての治療は受けることはできるが、NAFLDとしての治療が受けにくいという問題が生じます。

そしてNAFLDと診断されないため、NAFLD患者さんの全体数が過小評価され、国が治療すべき疾患ととして認めにくくなり、研究や治療に必要な資金の投入が不十分となることが問題だと指摘しています。

そこで中国の肝臓病専門医は、脂肪肝疾患の捉え方として「除外診断で判断するNAFLD」ではなく、
「代謝性(機能障害)関連脂肪肝疾患(MAFLD)への名前の切り替え、およびアルコール摂取や他の肝臓とは独立した疾患診断のための一連の陽性基準の採用が含まれます。」の方向を目指しているようです。

こうすることにより中国で増えつつある脂肪肝疾患の実態を正しく評価し、患者さんには適切な治療を行い、国からの予算もより多く投入してもらうことが可能となる、と考えているようです。

そこで今後ですが、このMAFLDが認められれば、この病気の特徴である進行する線維化、それに伴う肝機能不全や肝臓癌の発生であることを考えれば、有効な線維化抑制薬が求めれれます。

よってF351の臨床試験としてB型肝炎3相の次に続くのは、この中国で増えつつある、より広い捉え方をされた「MAFLDの臨床試験」ではないかと推測します。

当然、MAFLDのほうがNAFLDよりも患者数は↑↑となります。(続く)

2160 ‐(株)ジーエヌアイグループ 「脂肪肝疾患の再定義に関する中国肝臓学会の見解声明」 がありました。 https://pubmed.

  • >>15166

    続き)脂肪肝疾患の再定義に関する中国肝臓学会の見解声明
    概要
    世界で最も人口の多い中国では、代謝機能障害に関連する脂肪肝疾患の懸念が高まっている。脂肪肝疾患の発生率は中国で最も高く、ヨーロッパ諸国と米国の発生率を上回る。国際コンセンサスパネルは、代謝機能障害に関連する脂肪肝疾患の新しい定義を推奨する影響力のあるレポートを発表した。

    これには、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)から代謝性(機能障害)関連脂肪肝疾患(MAFLD)への名前の切り替え、およびアルコール摂取や他の肝臓とは独立した疾患診断のための一連の陽性基準の採用が含まれる。

    この提案の重要性を考えると、中国肝臓学会(CSH)は一流の肝臓専門医と消化器専門医に、国の観点から脂肪肝疾患の代替定義について合意に達するよう呼びかけた。CSHは、NAFLDからMAFLDへの変更案を承認する。
    新しい定義により、患者の医療が大幅に改善され、中国のMAFLDの疾病意識、公衆衛生政策、政治的、科学的、資金提供の成果が向上することが期待される。

    本文より抜粋
    ・日本の研究でMAFLDと2つ以上の代謝危険因子を持つ患者は、代謝異常がないか1つしかない患者よりも肝線維症のリスクが高いことが示された

    ・MAFLD基準が実用的かつ単純であり、B型またはC型肝炎を併発している患者を含む、心血管疾患や慢性腎臓病などの肝線維症および肝外症状のリスクが高い患者を特定するための古い基準を上回っていることを示している。

    ・CHBの患者では、MAFLD基準がNAFLD基準よりも優れており、より重度の肝障害(脂肪症、線維症、肝酵素の上昇)のある患者を特定できることが示された。

          ・・・
    参1)今のNAFLD/NASHの診断基準 (日本)
    非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とは?
    NAFLDは,主にメタボリックシンドロームに関連する諸因子とともに,組織診断あるいは画像診断にて脂肪肝を認めた病態である。アルコール性肝障害,ウイルス性肝疾患,薬物性肝障害など,他の肝疾患は除外する。以下略

    参2)NAFLDがMAFLDになって特効薬が誕生する!?
    2020/08/24 日経メディカル
    https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/202008/566794.html