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私と経済の掲示板

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基軸通貨を持つ米国の金融緩和であふれたマネーは高利回り・高リスクの新興国に流れ、経済を支えてきた。FRBのタカ派転換は、こうした新興国への資金流入の前提を変えかねない。

13年にも、当時のFRB議長の金融引き締め発言が原因になった市場混乱「テーパータントラム」では、経常赤字などを抱えるトルコや南アなどは「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」として問題視され、実際に通貨安に悩まされた。

商品と株式市場は米緩和縮小の前倒しに加え、オミクロン型による景気悪化懸念というダブルパンチで不安定になっている。11月30日の国際商品市場では、原油やガソリンなどのエネルギー関連を中心に売りが広がった。

指標となるニューヨーク原油先物が前日比3.77ドル(5.4%)安の1バレル66.18ドルとなったほか、米天然ガス先物(ヘンリーハブ先物)も5.9%安、米ガソリンも4.7%安となった。自動車の排ガス触媒に使うパラジウムやプラチナ(白金)などの貴金属もそれぞれ4%前後下げた。綿花が4.3%安、小麦が4.2%安など農産物にも下落が広がった。

野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「テーパリングの加速で米金利とドル相場に上昇圧力がかかり、ドル建てで取引する国際商品は上値が抑えられやすい」と指摘する。

11月30日の米国株式市場では、米ダウ工業株30種平均が前日比652ドル(1.86%)安の3万4483ドルと大幅安となり、10月13日以来約1カ月半ぶりの安値を付けた。景気悪化への懸念が高まり、世界景気と企業業績が連動しやすいエネルギーや物流などの景気敏感株が下げた。

一方でアップルが3%高と逆行高となるなど、IT(情報技術)株は底堅い展開となった。米長期金利の低下で、高PER(株価収益率)株は将来稼ぐ利益をもとにした理論株価を計算する際の割引率が低くなり、相対的な割安感が出やすくなるためだ。