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コショウ価格が一段安 12年ぶり安値 東南アジアで増産

肉料理や魚料理、カレーなどに使う代表的なスパイス、コショウの国内価格が一段と下落している。国内価格は2016年から7割下がり、約12年ぶりの安値をつけている。14~16年の価格高騰を受けて東南アジアの生産者が作付けを増やし増産しているためだ。堅調な需要を上回る勢いで供給が増えており、当面安値が続きそうだ。

加工業者間の取引価格は黒コショウが現在、1キロ500~600円、黒コショウを加工した白コショウが1キロ750~850円。いずれも年初比2割弱安く、07年以来の安値となった。

コショウはアジア産地の不作や新興国の需要の増加が影響し、14~16年に価格が高騰した。ベトナムやマレーシア、インドネシアといった東南アジア産地では、天然ゴムやタピオカ原料のキャッサバから、高収益が見込まれるコショウへ転作する動きが広がった。

コショウは木を植えてから実がなるまで3~4年かかる。価格が高騰した時に作付けされたコショウの収穫が17年ごろから始まり、供給が増え出した。18年の生産量は53万トンで4年前より5割弱多い。

一方で、コショウの需要は世界的に堅調だ。新興国では人口増加に加えて食の欧米化が進み、コショウを使う肉や魚料理の需要が伸びている。18年の需要は4年前より2割強多い46万トンだ。

需要増を供給増が上回っており、18年の需給バランスは7万トンの供給過剰だ。市場に出回らない在庫が産地に積み上がっているとみられる。

スパイスの取引価格は安値が続きそうだ。産地では放置されている農園が多くあり生産意欲は低下している。ただ、「コショウから他の農作物へ転作する動きは少ない」(専門商社)。米中貿易摩擦の影響で天然ゴムなどの相場も安い。農家にとって転作のメリットは乏しいようだ。

コショウは大幅に値下がりしているものの、今のところ家庭用コショウの小売価格には波及していない。「物流費や人件費が上昇もしくは高止まりしている」(スパイスメーカー)。家庭用コショウは原料よりも容器や物流のコストが占める割合が多い。

中長期的には資材や物流費の上昇傾向が続くと見られているが、原料安がさらに進めば価格が下がる可能性もある。