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私と経済の掲示板

>>11957

過去は逆イールドによる金融の目づまりが景気後退につながってきた。米バンクオブアメリカ・メリルリンチの米国担当エコノミスト、ミシェル・メイヤー氏は「長短金利の逆転が経済に悪影響を及ぼすのは、(調達金利が貸出金利を上回って)利ざやを確保できなくなった金融機関が企業への新規融資に慎重になった場合だ」と指摘する。 今年に入ってから3カ月物の米国債だけでなく、6カ月物や1年物も一時10年債と利回りが逆転した。市場関係者がもっとも重視する2年債と10年債の利回り差も0.28%と逆イールドが迫る。

過去のデータをみると、逆イールド下の株高はこれまでも繰り返されてきたことがわかる。スイスの金融グループ、UBSの分析によると、株価は逆イールドの発生後にむしろ高値を駆け上がってきた。

1960年以降に10年債と2年債の利回り差が消えた局面は、大きく分けて6回あった。そこから米国株は高値まで平均で29%上昇した。利回り差が消えるまでの1年間の平均(15%)より大きい。UBSウェルス・マネジメントの青木大樹・日本地域最高投資責任者は「逆イールドは景気が実際に悪化する前に、利上げの打ち止めや利下げ開始への期待感が高まった段階で発生する」と指摘する。

2年債と10年債で逆イールドが発生してから景気後退に陥るまでの期間は平均して1年9カ月。この間、市場は金利低下によるカネ余りで楽観ムードに陥りやすくなる。

日本でもバブル期の89年に逆イールドが発生し、その後に深刻な景気後退と株安を経験した。逆イールド下の株高は今回もバブルを生み出すのか。過去の経験は米ダウ最高値が示す楽観論の危うさを示している。