ここから本文です
4563-アンジェス記事ストック
投稿一覧に戻る

4563-アンジェス記事ストックの掲示板

“初撮影”日本のワクチン開発最前線を独自取材②

一方、すでに動物実験を終え、国内初のヒトへの臨床試験に進んでいるのが、大阪のバイオベンチャー企業・アンジェスと大阪大学が共同開発した『DNAワクチン』です。DNAワクチンは、これまで実用化されたことがない仕組みのワクチンです。新型コロナウイルスの表面には、スパイクと呼ばれるたんぱく質があります。このスパイクと、同じ配列を持つ遺伝子を作製し、ワクチンとして人に投与します。体内では、ウイルスと同じ形状のスパイクが作られ、異物を排除しようと抗体が生み出されます。ただ、安全性や有効性の観点から、早期の実用化にはあくまでも慎重です。
ワクチンを共同開発する大阪大学・金田安史統括理事:「今あまり焦ってワクチンをすぐに実用化というようなことをせずに、ちゃんと評価をしながら優秀なものを選び出していくという動きが今こそ必要」
そのため、大阪大学では、臨床試験に使ったDNAワクチンのほかにも、複数のワクチンの開発も進めています。
ワクチンを共同開発する大阪大学・金田安史統括理事:「それぞれのワクチンの特徴を把握して、科学的に分析をして、その情報を共有しておくことが必要。何種類もあっていいんですよ。その方がより良い医療ができる」
WHO(世界保健機関)によりますと、現在、世界で149種類のワクチン開発が進んでいて、そのうち17種類がヒトへの臨床試験に入っています。現在、最も進んでいるのが、イギリスのオックスフォード大学と製薬会社・アストラゼネカが共同で開発しているワクチンです。4月から治験が始められ、早ければ10月にも実用化されるといわれています。すでに、オックスフォード大学とアストラゼネカは、ブラジルやアメリカ、欧州、インドなどと契約を結び、約20億本分を無利益で供給する方針を発表しています。そして先月26日には、日本でも供給に向けた協議を進めることに合意したと発表されました。国内での製剤化を担う拠点として、アストラゼネカと協議を進めている一つが、熊本のKMバイオロジクスです。政府は、臨床試験が順調に終わり、アストラゼネカとの合意に至れば、来年春ごろの接種開始を目指すとしています。