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ドル円メモ帳の掲示板

 海外市場でドル円は、月末を迎えたロンドンのフィキシングに絡んだドル買いのフローが入ると109.37円まで上値を伸ばした。

 ユーロドルは、独・ユーロ圏の1−3月期GDP速報値が予想より弱い内容となったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測されて、一時1.2017ドルと日通し安値を更新した。

 本日のアジア時間のドル円は堅調地合いを維持するものの、値動きは限られたものになるか。本日は日本が憲法記念日で祝日なだけでなく、中国(メーデー)と英国(アーリーメイバンクホリデー)も祝日休場となっている。米国時間には4月米ISM製造業景気指数やパウエルFRB議長の講演などもあることで市場が動意づくだろうが、日中両市場が休場のアジア時間は大きな値動きは期待できない。ただし、先週末にドル円は110.97円から107.48円までの下落幅の半値戻しと、日足一目均衡表・基準線が重なる109.23円を超えたことで、上値をトライしていくステージがあるかもしれない。
 
 アジア時間では市場を動かすような経済指標やイベントがほぼないことで、市場の注目は引き続き変異株を中心としたウイルスの進展が注目される。週末に豪政府は自国民を含めインドに滞在していた人の入国を中断し、これに違反した場合は最大で5年の懲役という厳しい措置を発表している。一方、日本国内では海外からの入管が依然としてザルなこともあり、変異株の蔓延が懸念され、早くも緊急事態宣言の延長が囁かれている。ウイルス変異株の対応同様に国内よりも、海外の方が日本の状況にセンシティブに動くことが高いことで、再びワクチン相場になり、負け国の日本(円)売りに相場が戻る可能性もありそうだ。
 
 なお、1日のインドでのウイルス新規感染者は40万1993件となり、世界の中でこれまで観測されていた最大の感染件数となった。また、2日に行われたインド・西ベンガル州の選挙で、モディ首相が率いる与党が敗北したことで、モディ政権が窮地に立たされているという報道も流れている。市場はインド・リスクも意識した動きになるかもしれない。

 ドル円以外では、今週はポンドの動きに注目したい。週末の英「サンデー・タイムズ」紙の世論調査では6日のスコットランド総選挙で、スタージョン氏が率いるスコットランド国民党(SNP)がわずか1議席差の65議席(総議席129席)で過半数を獲得するとの調査結果を発表している。ジョンソン英首相には首相官邸改装費の献金疑惑がかけられているものの、ウイルス・ワクチン普及で与党・保守党は追い風が吹いている。しかし、今回の選挙次第で今後の英国の分裂の可能性も否定できなくなるかもしれない。なお、30日にスタージョンは「現時点で(スコットランドの独立を問う)国民投票を要求するべきではないと思う」と発言したものの、「サンデー・タイムズ」紙にSNP議員は匿名で、「次のスコットランド政権で国民投票を行わなければ、独立の話が全くなくなるかもしれない」と、国民投票を行うことを訴えている。