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ドル円メモ帳の掲示板

110円到達の確率を一気に上げる だた、来週も続くかは未知数

 今週のドル円は買い戻しを強め、109円台まで買い戻された。FOMCや米GDP速報値、そして、米企業決算がピークを迎えるなどイベント目白押しの週だった。しかし、イベントに反応したと言うよりも、月末要因が大きかった可能性もありそうだ。

 欧米の大手銀の予想によると、4月末のリバランスはドル売りとの見方の一方で、円については円売りとの見方が出ていた。その見方を裏付けるようにドル円は107円台に入ると押し目買いが活発に見られ下値が次第に堅くなっていた。それを見て短期のショート勢の巻き返しが活発に出たのかもしれない。

 イベントとしてはFOMCだが、大方の予想通りにパウエルFRB議長はこれまで通りの慎重姿勢を強調していた。ただ市場では、回復に伴うインフレ期待の上昇から、早期出口戦略着手への期待は根強い。一方、日銀決定会合もあったが、日銀は2023年4月の黒田総裁の任期満了までに2%目標に届かない見通しを示していた。米欧は一時的だが大幅な物価上昇を見込んでいるのとは対照的に、日銀の利上げ開始は全く見込めない状況。将来の金利差拡大観測も円売りを誘発していたのかもしれない。

 確率は先週から一転、上向きの可能性を高めている。106円と110円に着目すると、5月末までに110円に一度でも到達する確率は前週の26.3%から68.6%に急上昇。一方、106円の確率は前週の32.3%から5.1%に急低下している。110円到達の確率を一気に上げた格好。

 来週から5月相場に入るが、今週の流れを踏襲し、1-3月にみられた相場展開に再び戻るのか注目される。ただ、ユーロドルやポンドドルの動きを見ると、市場がドルを積極的に買い戻している印象もなく、ドル円が110円を目指す展開になるかは未知数の部分も多い。

 来週は週末に米雇用統計が発表になり、かなり強い内容を見込む声も出ているようだ。非農業部門雇用者数(NFP)の予想は現段階で95万人増だが、100万人を大きく超える増加になるとの見方も出ている模様。しかし、こちらも反応は未知数。むしろ、リスク選好のドル売りを誘発する可能性も留意される。

◆来週以降5月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
112円:11.8%( 3.2%)
111円:32.3%(10.2%)
110円:68.6%(26.3%)
109.31円(週末終値)
107円:17.6%(64.6%)
106円: 5.1%(32.3%)
105円: 1.1%(12.8%)

◆来週以降6月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
113円:15.3%( 5.7%)
112円:29.4%(12.3%)
111円:50.7%(23.9%)
110円:78.6%(42.1%)
109.31円(週末終値)
106円:20.0%(48.6%)
105円: 9.3%(28.2%)
104円: 3.7%(14.4%)

※ドル円のオプション取引から算出

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美