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明(min)のゴミ箱の掲示板

>>217

魂の資本主義を復活させる
「GAFA」のような企業が利益を独占していても、いずれ、良質なものづくりを必要とする時がくる…。

 岸田政権の方針に反対というわけではない。分配も、デジタルも、脱炭素も、基礎研究も、人への投資も必要である。しかしそういったことを本格的に実現するには、国民にそうとうの覚悟が必要で、赤字国債を発行して大規模な予算を投じればいいというものではないだろう。

 よくいわれる「GAFA」のような企業に利益を独占されるのは腹立たしいが、日本という国が、アメリカや中国のような国に対抗し、その後を追うような政策をとるのは、うまくいかないような気がする。日本人特有の、仕事に魂を込めるという姿勢を捨てるべきではなく、それが経済力に反映される状況を復活させる方がいい。二つの可能性がある。

 一つは、いわゆる政治改革、行政改革、規制改革などによって中枢をスリム化し、ともすれば崩れがちな「ものづくりの質」を高め続けることである。今は「GAFA」のような企業が利益を独占していても、いずれ、良質なものづくりを必要とする時がくる。もう一つは、日本人の仕事の魂を、デジタル時代に合わせていくことである。マンガ、アニメ、ゲームなどの質が高いのもその一つであり、これはメタバースやAIクローンなどの技術にも活かせるだろう。ものづくりの魂がソフトウエアづくりの魂に転化すれば大きな力となる。

 そして重要なことは、社会がこういった魂に活躍の場を与えることである。それが結果に現れた場合には高く評価することである。アメリカはもちろん、中国や韓国などでも、努力の結果としての成功にはそれなりの対価を与えているが、現在の日本では同調と忖度ばかりが評価されている。全体に保身社会となって、戦後の成長を切り拓いてきたような、魂のある挑戦者がいなくなっている。

 岸田政権は「新しい資本主義」の方針を決める有識者らによる実現会議を組織したが、そのメンバーはこれまでの資本主義における成功体験をもつ人が多い。「新しい酒は新しい皮袋に」のたとえもある。新しくない会議から何か新しいことが生まれるだろうか。無駄な会議こそ日本凋落の一因ではないか。

 かたちばかりの新しさを求めるより原点に立ち返ることである。

 「勤勉・入魂・挑戦」それ以外の道はない。今、日本のスポーツ人が強いのは、それを知っているからだ。

 この国は必ずよみがえる。