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相場全体の感想の掲示板

 25日の日経平均は続伸。終値は190円高の29066円。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり1595/値下がり504。ナスダックの高値更新を追い風にレーザーテックが3%近い上昇。テスラ株を売却していたと報じられたパナソニックが買いを集めた。資生堂や日立、日本製鉄などが大幅高。良好な5月月次が確認できた神戸物産が年初来高値を更新した。メルカリが5%超の上昇と上方修正を好感した買いが続き、マザーズ指数の押し上げ役となった。

 一方、米国のライバル企業からアルツハイマー治療薬に関する好材料が出てきたことから、エーザイが4%近い下落。任天堂やファーストリテイリングなど値がさの一角が軟調となった。決算が売り材料となった日本オラクルは15%近い下落となり年初来安値を更新。IPO市場がふるわない中、アイPFやデコルテHD、アルマードなど、直近上場銘柄が厳しい下げとなった。

 IPOは持ち越し1社を含めて3社の初値がついた。日本電解は公開価格と同値で初値が付き、その後は小動き。終値は初値を上回った。2日目で公開価格比2.5倍の初値をつけたベイシスは、その後も上値を伸ばし、ストップ高をつける場面もあった。ステムセル研究所は高い初値をつけたものの早々に失速し、ストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は21日に953円下げたが、週間ではプラスで終えた。今年は月に一度くらいのペースで大きな下げに見舞われているため、良くも悪くも大幅安には慣れた感があるが、急落があった週にプラスとなった点は特筆される。大きく下げたのが月曜だったからという点もあるが、週初から崩れれば警戒が残るため、その後に切り返しても戻り売りは出やすい。週足チャートをみると、それまで何とか26週線近辺で踏みとどまっていたところから週初に明確にこれを割り込んでおり、テクニカル面からは下げ加速となっても不思議はなかった。来週は下げの特異日である月内最終日(6月30日)を含むため、再度下を見に行くことになるかもしれない。ただし、来週大幅安を回避して6月米雇用統計を波乱なく通過できれば、翌週以降は下押し圧力が和らぎ、上を試しやすくなると予想する。

【来週の見通し】
 軟調か。国内外で重要な経済指標の発表が多い。中でも注目は週末7月2日の米6月雇用統計となる。6月FOMCでFRBがややタカ派に傾いたことを確認したばかりのため、雇用の改善が顕著となった場合には、テーパリング(量的緩和縮小)や利上げの時期が早まるとの警戒が強まりやすい。発表を前にしては、腰の入った買いは入らないとみておいた方が良い。また、7月4日(日)には東京都議選の投開票が控えている。結果は国政にも影響を及ぼすとみられているため、情勢によっては、こちらもリスク回避の売りを誘う材料となり得る。ただ、足元で米国株の動きが良くなっていることや、ドル円が円安に振れていることなどから、大きく崩れる展開は想定しづらい。基本観は現状水準で経済指標などをにらみながらの一進一退だが、週内で消化できない重要イベントがある分、弱材料に対するネガティブな反応の方が大きくなると予想する。

【今週を振り返る】
 日経平均は週初の21日に953円安となったが、翌22日には873円高と乱高下。米要人発言に一喜一憂した。一方、強弱感が交錯したことで、23日と24日は値幅が出ず、手詰まり感が強く意識された。S&P500とナスダックが史上最高値を更新したことを追い風に、25日は上昇。上げ下げあったが週間では上昇を達成した。イベントが少ない中でIPOはラッシュの週となったが、需給の悪化が警戒された上に、全体市場にも不安定な動きが見られたことから、公募価格割れとなる銘柄が続出した。日経平均は週間では約102円の上昇となり、週足では4週ぶりに陽線を形成した。