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横浜駅西口を出て小さな運河を渡り、すぐ左にある吉野屋で彼女を初めて見たのはいつだったろう。取り立てて美しいというわけでもない彼女が最初に私の目をひいたのは、その元気な声と、屈託のない笑顔のためだった。酔っぱらい気味の親父が声をかけても、にこやかに言葉を返す。相手が女子高生でもドカタ風のおっさんでも、その応対にはいささかのぶれもない。同僚の失敗を笑って励まし、スタッフだけでなく客も巻き込んで、店中の雰囲気をなごませる。

あなたに「吉野屋の天使」の称号を贈りたい。それがイヤならば、「横浜駅西口の天使」ではどうだろう。しかしそれを面と向かって口に出来るほど、このおっさんのツラの皮は厚くない。
それでも私が横浜駅西口店へ通う理由の半分は、あなたを見守るためだと言うことを、いつか伝えたいと思います。